ドル・円のレートが急激に円安・ドル高に振れていて、きょうは1㌦=149円になった。去年の終盤は1㌦=115円台だったので、30%ほど円安になった計算だ。メディア各社は、アメリカの長期金利が再び4%台に乗せたことで日米の金利差が拡大し、円売り・ドル買いの動きが加速したと伝えている。
きょう午前中のNHKの国会中継。衆院予算委員会で野党の議員が日銀の異次元の金融緩和が円安を加速させていると、黒田東彦総裁の責任を問い質していた。以下。
階猛議員(立憲民主党):「日銀は円安を加速するような異次元の低金利をやってる。金融政策を正常化したり、あるいは柔軟化したりするためにも、今すぐ退くべきだと考えます。総裁、どうですか」
黒田総裁 :「ご指摘のような量的・質的金融緩和がまったく失敗したというのは事実に反する」
階議員 :「だから、辞めるか、辞めないか、どっちなんですか」
黒田総裁 :「辞めるつもりはありません」
怒りを募らせたような野党議員の質問には前段があった。きのう17日の衆院予算委員会で、野党側の質問に、黒田総裁は「(物価の見通しについて)エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により、年末にかけて上昇率を高める可能性が高い」「円安の影響によって輸入品価格が上昇していることが影響している」と答えていた。物価はまだまだ上がると、まるで他人事のような答え方だった。
「良い円安」「悪い円安」といった議論が沸き起こっている。「良い円安」は、金利低下により住宅景気を押上げ、かつ企業の投資環境もよくした。 円安は海外への工場移転を停止させ、雇用を国内に戻す効果ある。さらに、 輸出競争力も高まる、といった論拠だ。
一方、「悪い円安」は、日本からの輸出が多かった時代は円安のメリットはあったものの、産業構造が変わり、日本企業の製品の多くが海外で生産されるようになった現在ではそのメリットはない。8月の貿易収支は2兆8千億円の大幅赤字となっており、このまま貿易赤字が定着すれば、日本経済は窮地に立たされる、などの論拠だ。
アメリカが利上げを続け、日銀が異次元緩和を続行すれば、1㌦=150円も単なる通過点だ。ただ、懸念されているアメリカの景気悪化が進行すれば、ドル安・円高に振れる可能性もあるだろう。先が読めない。
⇒18日(火)夜・金沢の天気 はれ
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