きょう13日付のNHKニュースWeb版によると、NHKはアメリカ海軍の原子力空母「エイブラハム・リンカーン」が11日正午ごろ、対馬海峡を東の方向に通過する様子を上空のヘリコプターから確認した。空母周辺では、アメリカの駆逐艦「スプルーアンス」や自衛隊の護衛艦「いなづま」が航行していた。アメリカ海軍の空母が日本海に展開したことが明らかになったのは、北朝鮮が核実験やICBMの発射を繰り返した2017年11月以来のこと(同)。
日本海側に住む一人として、このようなニュースに接するとそれなりに緊張する。北朝鮮は先月3月24日に新型のICBMを発射し、北海道の渡島半島の西方約150㌔の日本海(EEZ内)に落下させている。全長23㍍と推測されるこの大型化したICBMを「モンスター・ミサイル」とメディア各社は報じた。このとき、岸防衛大臣は記者会見で「アメリカの東海岸を含む全土が射程内ではないか」「我が国、そして国際社会の平和と安全に対する深刻な脅威だ」と語った。ホワイトハウスの報道官も国連決議に反する「brazen violation」(恥知らずな違反)と不快感をあらわにした(3月25日付・BBCニュースWeb版)。
日米のこの憤りが北朝鮮に対する強いメッセージとして、日本海での共同訓練になったことは想像に難くない。さらに、北朝鮮にとって今月15日は「建国の父」である金日成主席の生誕110周年の節目にあたることから、国威発揚を目指してのICBMの発射や、7回目となる核実験につながる可能性も想定されるのだ。日米の軍事情報筋は衛星画像などを解析して北朝鮮の軍事的な動きを読み取ったのかもしれない。
今回の日本海での日米の共同訓練は北朝鮮への牽制となりうるのかどうか、突発的な紛争は起こらないだろうか。対岸のことなので気にかかる。自身のこの妙な緊張感は地政学的なリスク感覚なのかもしれない。
(※写真は空母「エイブラハム・リンカーン」、Wikipedia「エイブラハム・リンカーン(空母)」より)
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