自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆梅雨入り晴耕雨読とりとめのない日常

2023年06月12日 | ⇒ドキュメント回廊

          北陸も梅雨に入り、金沢のきょう一日の天気はどんよりとした曇り空、そして雨が時折ぱらついた。この時節は、二十四節気の一つ「芒種(ぼうしゅ)」のころ。次候に「腐草蛍と為る」とある。ホタルが明かりをともして、飛び交うころだ。昔の人は、腐った草がホタルに生まれ変わると信じていたようっだ。

   光っては消えるゲンジボタルの明滅の間隔が東日本と西日本では違うことは知られている。西日本では2秒に1回、東日本では4秒に1回と観測されている。オスが交尾相手を探す際に見せる明滅なのだが、なぜ東西で間隔が異なるのかよく分かっていない。では、西日本と東日本と中間にある金沢ではどうか。以前、同じ関心を持った仲間たちと金沢大学の角間キャンパスで計測したことがある。すると、おおむね2秒間隔だった。金沢は西日本の生態系ということになる。

   話は変わる。夏を迎え、我が家の和室も障子戸を外して簾(すだれ)に架け替えた。床の間の掛け軸も『五月晴れ』から『青山緑水』に取り換えた=写真=。山の木々は青々と輝き、山から流れ出る川水に緑が映える。生命力あふれる自然の情景を感じさせる。

   禅語辞典をくってみると『青山緑水是我家』という書もある。各地を行脚して歩く禅の修行僧の境涯を表現したもの。自然界では人の奢り高ぶった気持ちは通用しない。自然を我家として修行に励むことで、人は全ての生き物と同じように大自然の中に生かされているということを改め感じ、悟りをひらく。

   掛け軸の下の花入には、庭に咲いていた額アジサイ、ツキヌキニンドウ、シマササの3種を生けた。草むしりなど野外の作業はせずに、取り留めなくのんびりと過ごした晴耕雨読の日だった。ただ、能登半島の尖端区域は先月5日の震度6強の地震で地盤が緩んでいる恐れがある。大雨にならないことを祈る。

⇒12日(月)夜・金沢の天気    くもり時々あめ


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