自在コラム

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☆「空間識失調」という自衛隊機の墜落原因

2022年06月02日 | ⇒ニュース走査

   事故から4ヵ月、その原因が発表された。1月31日、航空自衛隊小松基地を離陸したばかりのF-15戦闘機が、西北西5.5㌔の日本海に墜落し、パイロット2人が亡くなった。戦闘機は「飛行教導群」と呼ばれる部隊の2人。戦闘機部隊を教育する任務に当たり、パイロットの中でも精鋭の2人だった。事故は、戦闘機から異常を知らせる無線連絡やパイロットが脱出する際に発せられる救難信号は感知されていない。一瞬の出来事だった。

   墜落の原因について、航空自衛隊公式サイトできょう2日付のプレスリリースが掲載されている。それによると、事故原因について、「(1)事故当時の気象・天象条件及び離陸直後の姿勢や推力の変更操作等の影響を受け、自らの空間識に関する感覚が実状と異なる、空間識失調の状態にあった可能性が高い」「(2)編隊長機を捕捉するためのレーダー操作等に意識を集中させていたため、回復操作が行われるまでは、事故機の姿勢を認識していなかった可能性がある」と2点をあげている。プレスリリースの添付されたイラスト=写真=では、墜落の11秒前に高度が低下し始め、墜落の2秒前になってパイロットは異常な姿勢から回復するための操作をしたものの間に合わず墜落した。

   気になるのは「空間識失調」という文字だ。Wikipedia「空間識失調」によると、「主に航空機のパイロットなどが飛行中、一時的に平衡感覚を失う状態のことをいう。健康体であるかどうかにかかわりなく発生する。機体の姿勢(傾き)や進行方向(昇降)の状態を把握できなくなる、つまり自身に対して地面が上なのか下なのか、機体が上昇しているのか下降しているのかわからなくなる、非常に危険な状態。しばしば航空機の原因にもなる」とある。

    2019年4月9日、航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Aが三沢基地(青森県三沢市)を飛び立ち太平洋上で消息を絶った。これについてもパイロットが「空間識失調」に陥り、墜落した可能性が高いとされている(同

   航空自衛隊では再発防止策として、空間識失調に関する教育・訓練を強化するほか、墜落しかけた戦闘機が自動的に回避動作をとるシステムの調査研究をするとしている(2日付プレスリリース)。

⇒2日(木)夜・金沢の天気    はれ


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