自在コラム

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★SLBMを繰り返す北朝鮮の執念「瀬戸際戦略」

2022年10月09日 | ⇒ニュース走査

   今度は海からの弾道ミサイルの発射だ。防衛省公式サイト(9日付)によると、北朝鮮はきょう未明、午前1時47分と同53分の2回、半島東岸付近から東方向に向けてそれぞれ1発の弾道ミサイルを発射した。2発とも最高高度は100㌔程度で、約350㌔飛翔したものと推測される。ことし5月7日にも半島東岸付近から、1発のSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルを発射している。今回も、海岸付近という発射場所などから、SLBMの可能性が高い。弾道ミサイル発射は9月25日以降7回目(計12発)だが、未明の発射は初めて。

   去年10月19日にも半島東部の潜水艦の拠点となっている新浦(シンポ)付近から、SLBMを東方向に発射させている。このときの労働新聞(同20日付)は「조선민주주의인민공화국 국방과학원 신형잠수함발사탄도탄 시험발사 진행」(国防科学研究所が新型潜水艦発射弾道ミサイルを試験打ち上げ)の見出し=写真=で、2016年7月9日にSLBM「北極星」を初めて発射した潜水艦から再び新型SLBMの発射に成功し、国防技術の高度化や水中での作戦能力の向上に寄与したと記事を掲載している。

    防衛省資料「北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について」(令和4年度版)によると、北朝鮮は弾道ミサイルを発射可能な潜水艦を1隻保有し、その潜水艦にはSLBM1発が搭載可能。さらに、北朝鮮はより大きな潜水艦の開発を追求しているとの指摘もある。例えば、北朝鮮メディアは金総書記が「新たに建造された潜水艦」を視察したと発表(2019年7月)している。これは、通常の攻撃用潜水艦(24隻)を改造して、SLBMを3発搭載可能にするという指摘もある。SLBM搭載の潜水艦の開発は、弾道ミサイルによる打撃能力の多様化のほか、敵からの攻撃に対して残存性が高いため報復攻撃を狙っているとされる。

          「残存性」を別の言葉で解釈すれば、敵に対してはSLBMでしつこく攻撃する、復讐を繰り返す、そんな意味だろう。北朝鮮の「瀬戸際戦略」の執念がここに見えるようだ。

⇒9日(日)午後・金沢の天気   あめ


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