A man struggling for existence will naturally look for something of value. There are two ways of lookong - a right way and a wrong way.
If he looks in the wrong way he recognizes that sickness, old age and death are unavoidable, but he seeks the opposite.
If he look in the right way he recognizes the true nature of sickness, old age and death, and he searches for meaning in that whih transcends all human suffering.
生物学者の福岡伸一さんは、この20年ほどの細胞生物学のトレンドを、細部がいかに自らを精妙に壊すかに向かっていると述べています。エントロピー増大の法則に抵抗できる方法として、エントロピー増大の法則が襲ってくるのを先回りして、自らをまず壊し、そしてつくりかえる対抗策をあみだしたのです。この自転車操業的な対抗策を、生命は38億年をかけて獲得したといえます。
しかし、いずれエントロピー増大の法則は、この対抗策を追い抜き、そして「個体の死」が訪れます。この個体の死によって、別の場所に新たな平衡状態が生み出されることになります。
その意味で、個体の死は「究極の利他行為」とも言えるわけです。
いのちというものを、猛烈なスピードでくり広げられる破壊と創造のあいだでかろうじて保たれている平衡状態の一コマだととらえると、堂々と「この世」からも退場できるように思えてきます。たんに次の世代の犠牲になるのではないのです。
そしてそう考えることで、一瞬一瞬を厳かに過ごすことができるようにも思えます。