3月下旬に西伊豆某所にて冬の天の川をスマホで撮ったことがありましたが、夏の天の川も狙ってみたくなって、
先日の乗鞍高原遠征時に撮影してみたら、こんな画像が得られました。
狙ったのは銀河系中心方向に相当するいて座からさそり座付近の天の川です。銀河系は渦巻銀河と判明してますが、
その中心から離れた僻地に位置している地球ではそれを真横から眺めることになります。画像中央に確認できる
天の川の幅の広い部分は「バルジ」と呼ばれる膨らみで、比較的古い星が集まってできていると考えられています。
川の中州のような暗くなった部分は星が無いのではなくて、星間物質がひと際濃くなった暗黒星雲の密集部であり、
遠くの星の光を遮っている箇所です。全体像としてはいわゆるエッジオン銀河(NGC4565等)の中心部みたいに見えます。
前置きが長くなりましたが、以前に冬の天の川を撮った時と同様にスマホ用三脚ホルダーにて普通の三脚に固定して
撮っただけで、これほどキレイに撮れるとは驚きました。撮影に要した時間は4分で、今回は空の暗い場所だったので
感度が自動でISO4586まで上がってました。で、中心付近を等倍トリミングすると・・・
星が横方向に少し流れているのが分かります。これは地球の自転に起因した日周運動によるものなので、固定撮影では
避けられませんが、4分間に16秒露出で15連写した画像を位置ズレ補正して自動的にスタックしたもののようなので、
1フレームの16秒露出分の星の軌跡に抑えられているとみてます。拡大しなければ星はほとんど点像で写ってるように
見えるので、許容できるレベルということでしょう。なお、このトリミング画像の中には赤い散光星雲が捉えられて
いるはずなんですが、残念ながら長波長の光はフィルターでカットされているようで、ハッキリとは確認できません。
これは一般用途のコンデジやデジイチでも同様なので、致し方ない仕様ではあります。
その後、北東天に昇ってきた夏の大三角も撮って、得られた画像がコレです。
この辺の天の川は薄くなりますが、それなりに写ってくれた感じ。画像中央から左寄りのはくちょう座の付近には
北アメリカ星雲を筆頭に赤い散光星雲が散らばってるんですが、やはり分かり難いです。逆にそれらがハッキリと
写るようだと、一般撮影で赤味の強い写真になってしまって支障が出るでしょう。画像処理的に赤い星雲を強調する
ようなアプリとかが出てくると☆撮り屋が喜ぶかもしれませんけど、ニッチ過ぎて手掛けにくいかな?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます