昔の銀塩写真のデジタル化画像シリーズの第24弾です。
前年の夏と冬の☆撮り遠征に味を占め、月・惑星以外の天体写真はやはり空の暗い
所で撮らないとダメだなぁーっていう観念が定着します。で、次回の夏の遠征先を
どこにするか仲間内で検討し、富士山五合目に一度行ってみたいという話になり、
1984年の夏休みに入って早々に遠征を敢行。この年の梅雨明けは7/22頃で、好天に
恵まれることを期待して出掛けたものの、麓の富士宮あたりに来た時点でベタ曇り
の空模様でした。それでもダメ元で行ってみようということになり、当時まだ有料
だった富士山スカイラインをクルマ2台で登っていくと、三合目を過ぎた辺りから
雲が薄くなり始め、目的地の富士宮口五合目に到着すると上空は快晴という幸運に
遭遇。夜になってもスカッと晴れた状態が続く一方、下の方は雲海が広がっていて
街灯りをブロックしてくれるという絶好のコンディションになったのでした。
そんな好条件下で標準レンズを使って銀河系中心方向にあたる濃い天の川を狙って
撮ったのがコレです。
【夏の銀河と流星】
キヤノンEF+FD50mmF1.4 S.S.C.(Ⅱ),フジカラーHR1600(ASA/ISO1600),絞りF3.4,
露出10分,タカハシ90S赤道儀にて自動ガイド,富士山富士宮口五合目にて
たて座からいて座付近の天の川をフレーミングして得られた写真です。ほぼ真ん中
に写っている輝星は木星です。同じ構図で3コマ撮影した中の1コマで、明るい流星
が飛び込んでくれて、この夜のベストショットになりました。後で現像とサービス
サイズのプリントが上がってきて、イイ感じの写真だったんでキャビネ判プリント
を焼き増しして、月刊雑誌「天文ガイド」の「読者の天体写真」に初応募しました
が、残念ながらボツでした。自信作だったんですけどねぇ・・・
さらに天の川が通るわし座付近も狙って撮ったのがこちら。
【わし座】
※撮影条件は最初の画像と同じ
これもまずまずの写りって感じだったんで、別な月刊雑誌「スカイウオッチャー」
のフォトコンテストに応募したところ、誌面への採用が決定。掲載ページはこんな
のでした。
同時期に天の川を狙った3名の作品を重ねてパノラマ写真仕立てになってたんです。
他の方の2作品に覆い被さっていて、ちょっと申し訳ないなーって感じがしました。
なお、自分の作品に対して選者から「バックが少し青っぽいのが気になりますね」
との評がありました。確かに自分の写真だけ異質な感じがしますが、これは他の方
の使用フィルムは赤い星雲が良く写ると評判だったサクラカラー400である一方、
自分は当時発売されたばかりのISO1600高感度フィルムを使っていて、両者の分光
感度特性の違いから色調に差が出たんだろうと思います。それでもコレが同誌への
嬉しい初入選作となりました。
(つづく)
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