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長崎旅行写真集・18 (ガラス天井)

2007年04月13日 23時32分35秒 | いのち
architecture066.jpg: 長崎原爆資料館のガラス天井
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Programmed AE (F=7.1, SS=1/200s), 0.0EV (Matrix metering), ISO200, WB=Sunny (+0), f=17mm (35mm-equivalent: 25mm)

長崎原爆資料館のエントランスを覆うガラス天井。三角形に組まれた網目の向こうに青空が見えます。開放的で、原爆資料館という響きから想像する重々しさはまったく感じません。

建物の入り口から入場口までは、らせん状のスロープをぐるぐる回って下りていきます。遊園地のように楽しい仕掛け。今どきの美術館そっくりです。

原爆の悲惨さを伝え、平和を訴えるための施設だからといって あまりおどろおどろしい外観にしてもいけませんが、こんなに軽い印象の建物でいいのか気になります。

原爆資料館からほど近い場所に、原爆落下中心地の碑が建っています。原爆が炸裂した上空を指す1本の黒い御影石の前には、黒い石棺 (せっかん) が置かれています。そう、まるで棺 (ひつぎ)。棺の中には、原爆で亡くなった人たちの名簿が納められています*

戦争を早期に終結させるためという名目の下で命を奪われた人たちは、この黒い棺から何を訴えているのでしょうか。

原爆落下中心地は、私のほかにも10人ほどの外国人が訪ねていました。ひとり旅と思しき白人の男性、中国人の一団から南アジア系の顔立ちの人まで、人種もさまざまです。南アジア系の一団は大人の男性と女性、そして子供たち。おそらく家族でしょう。

見ていると、その南アジア系の家族が石碑を背に並び、記念写真を撮り始めました。

そこで写真を撮ってはいけないわけではありませんが、果たして家族が並んで記念写真を撮る場所なのでしょうか。あえてここを訪ねた以上、ここがどのような場所かは分かっているはずです。

戦争の記憶が風化しつつあると叫ばれる中で、その現実を目の当たりにした瞬間でした。

注:
* 現在、原爆落下中心地に奉安されている名簿はマイクロフィルム化されているそうです。詳しくは「ながさき原爆被爆対策ウェブサイト>原爆死没者名簿」を参照してください。



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