みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

しっかりするです!もっと大切な今があるですよ

2008年07月08日 23時30分17秒 | 明日への一歩
この連載の目次

(前回から続く)

ローゼンメイデンには、(原作の漫画にもアニメ版にも) 読者を勇気づける言葉があちこちに散りばめられています。

過去に縛られてはいけない。
自分の考え方次第で物事の見え方は変わる。
人はみな弱い。
人は他者との関係の中で存在する、など。

過去に縛られずに前を向くように、とはよく言われることですが、抽象的な言葉より、ドラマとして描かれているほうが、心に直接響いてきます。説教じみた人生論より、そばに寄り添うように語りかけてくる物語のほうが素直に受け入れることができます。心が弱っているときには、なおさらです。

アニメを見たり原作を読んだりした後、自分のことを考える日が続きました。

自分の気持ちを素直に表現できない。
過去の記憶に縛られて萎縮 (いしゅく) している。
人を信用できず、疑心暗鬼になっている。
自分を欠陥品だと思っている。
自分のことで精一杯で、自分を見守ってくれる人のことに考えが及ばない。
自分の殻に閉じこもって社会との接触を絶とうとしている。

果たしてこれでいいのか。

一時期は、目が覚めると、布団の中で携帯をいじっていました。連絡が途切れた人 (正しくは私から連絡しなくなった人) やもう使わないであろう連絡先をメモリーからひとつひとつ消していました。大切な友達から届き、折に触れては読み返して心の支えにしていたメールも削除しました。連日、携帯の空きメモリーが増えることだけに自虐的な快感を覚える日を送っていました。自分で自分の首を絞めていることは分かっていました。そんなことをすれば自分の居場所がなくなることも分かっていました。分かってはいましたが、やめられませんでした。

そんな私にブレーキをかけてくれたのがローゼンメイデンでした。

最後の最後にメモリーに残った友達のメールアドレスを携帯から消す前に、ブレーキをかけてくれました。

私は、「生きててよかった」と思わせてくれた友達のメールアドレスを携帯から削除しようとしていたのです。

人を信用できず、性別が変わっても以前と変わらずに私と接してくれた元上司とのメールのやり取りも、ある日を境にぷっつりとやめていました。

私は恩知らずでした。

ごめんなさい。

本当に、ごめんなさい。

自分が醜くて嫌になりました。でも、これは確かにかつての自分なのですから、認めるほかありません。

心を入れ替えて、社会に一歩を踏み出します。

ローゼンメイデンは、折に触れて読み返す本として愛蔵することにします。くじけそうになったときに、きっと今の決意を思い出させてくれることでしょう。

そしてこの後、椿姫彩菜さんの半生を知り、自分に素直に生きるにはどうすべきか考えることになります。