みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

名の変更

2008年07月10日 23時45分37秒 | 性同一性障害 (GID)
家庭裁判所から封書が届きました。

私は、戸籍上の名前を変更するための手続きをとっていました。戸籍上の名前は男性としての名前であり、女性として生活する上で何かと問題を引き起こしていたからです。

両親がいろいろな思いを込めて付けてくれた名前を変えることには抵抗がありました。何とか戸籍を変更せずに暮らせないかと何年も頑張りました。しかし、戸籍上の名前 (男性の名前) と見た目 (女性) のギャップが大きく、偏見から嫌な思いをすることがありました。悩んだ挙句、実生活がスムーズに進むことを優先し、名前を変更することにしました。

4月25日に裁判所の窓口に出向いて名の変更の申立書を提出し、5月17日に家庭裁判所の書記官から電話があって、追加の書類を提出するように求められました。その書類を5月20日に発送して以来、裁判所からは何の音沙汰もなかったのですが、いよいよ連絡が来たようです。そろそろ確認の連絡を入れたほうがいいかと思っていた矢先のことでした。

名の変更を行った人の体験談をインターネットで読んだところでは、裁判所に名の変更を申し立てた後、数ヶ月して裁判所から呼び出され、口頭で話を聞かれるとのことでした。うわさでは、性的なことまで根掘り葉掘り聞かれた人もいるとか。

いよいよ呼び出しが来たか。

身構えながら封筒を開くと、中に入っていたのは、こんな文書でした。


審 判

本籍 ○○○○○○○○○○○○○
住所 ○○○○○○○○○○○○○
申立人 ○○ ○○

 上記申立人からの名の変更許可申立事件について,当裁判所はその申立てを相当と認め,次の通り審判する。

主 文

 申立人の名を「○○」と変更することを許可する。
平成20年7月9日
 名古屋家庭裁判所
  家事審判官 ○○ ○○

本書は謄本である
同日於同庁
裁判所書記官 ○○ ○○ (印)



拍子抜け。

裁判所には1回も呼び出されずに、あっけなく名前を変更する許可が下りました。

で、その通知が届いたのが今日、7月10日。納豆の日です。

名の変更を許可する通知が届いたという記念すべき日が、納豆の日です。きっと生涯忘れないでしょう。

これから、銀行口座、証券口座、クレジットカード、社会保険、生命保険、医療保険、携帯電話、免許証、病院の診察券など、膨大な量の変更を届け出なければなりません。考えただけで うんざりしますが、こなさないとね。

今日は木曜日。明日 (金曜日) も週明けの月曜日にも用事があります。空く日まで待っていると、役所への届出が5日後になってしまいます。役所への届出は、大急ぎで今日のうちに済ませてきました。

役所での手続きに1時間くらいかかりましたが、晴れて戸籍上の名前が女性名になりました。もう、病院の待合室でフルネームで呼ばれても平気です。銀行口座の名義が女性名になるので、月謝が口座振替になる習い事にも気楽に申し込めます。もちろん、バイトだって。

参考までに、私が名の変更を申し立てるときに添付した書類を紹介します。

申立書に添付した書類は、医師の意見書のほか、名前の永年使用を証明する以下の書類のコピーです。いろいろな場面で通称名 (女性としての名前) を使用していることを証明したくて、書類は1~3通ずつにとどめ、バリエーション豊富に用意しました。特に注意したのは、できるだけ公的・客観的な書類を集めることです。仲よしの知人から送られてきた手紙よりずっと説得力が強いですから。
  • 給料明細 (以前の勤務先が女性名で発行してくれたもの)
  • 税務署に提出した書類 (当時の経理担当者として私の通称名が書かれています)
    • 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
    • 給与等の支払状況内訳書

  • 取引先への納品書・請求書、取引先からの発注書など、仕事上の書類 (担当者名として私の通称名が書かれています)

  • 仕事で使っている名刺

  • 電気料金・ガス料金・上下水道料金の払込金受領証

  • 旅行の申込書 (母と日間賀島を旅行したときのもの。親と連名になっているところがポイント。親が私に女性として接してくれている証拠でもあります)

  • 取引先などからのハガキ


上記の書類では、約8年にわたって通称名を使用してきたことが証明できました。残念ながら、それ以前の書類は処分してしまっていました。

なお、「申立ての実情」欄には「性同一性障害のため」と記入しました。

名の変更を考えている人の参考になれば幸いです。