みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

引きこもり改め受付係

2008年07月16日 23時41分35秒 | 明日への一歩
お仕事を済ませてきました。イベント期間中に限った仕事ですが、楽しめました。

仕事の内容は受付業務です。引きこもりから脱却しようと決意して、まず最初に応募した仕事でした。

いきなり受付係かよ。

6月のカウンセリングで、引きこもりから脱却しようとしていると医師に伝えたときにも、医師から言われました。

「いきなり受付ですか」

そうだよね。そう思うよね。受付向きの性格には見えないかもね。

私は人見知りが激しい子供でした。

幼稚園に通っていた (正確には通わされていた) 頃は、スクールバスに乗って通園していましたが、毎朝バスに乗るときに先生に挨拶 (あいさつ) ができなかったのです。

毎晩、寝る前に母から「ちゃんと先生に『おはようございます』って挨拶するんだよ」と諭され、「うん」と返事をしていました。実際には、そのように返事せざるを得なかったと言うべきでしょう。その翌朝、いざ先生の前に立つと挨拶ができないのです。理由は自分にも分かりません。

それくらい人見知りの激しい子供でした。今でも人見知りはします。人と接するのが苦手でもありました。

それに追い討ちをかける出来事が重なりました。

私は男の子の体で生まれましたが、小さい頃から自分は男の子ではないと思っていました。ずっと女として生きていきたいと思っていました。いわゆる性同一性障害 (GID) MTFです。意を決して女性として生活し始めてからは、社会の偏見に傷つけられてきました。今でこそ戸籍上の名前を変更していますが、元々は男性的な名前でした。病院の待合室で名前を呼ばれたり、役所で名前を確認されたりすると、元の性別が知られてしまいます。そのたびに周囲から冷たい視線が浴びせられ、痛いほど体をえぐられました。あからさまな嫌がらせを受けたことも、医師に恵まれなかった時期もありました。

つらい経験を重ねるうちに、人と接することがすっかり怖くなっていました。

その私が受付係をこなしてきました。もちろん女性として受付カウンターに出ました。会場の入口で明るくご挨拶して、冊子やパンフレットをお渡しします。必要に応じて順路をご案内したり荷物をお預かりしたりもします。

うん、楽しい。

人見知りの激しい私が、こんな仕事をしてきました。人見知りは激しいのですが、受付の仕事は好きです。多くのお客様をお迎えするのは楽しみですし、細かな気配りを喜んでいただけると嬉しいです。受付係は、女性が生き生きとする仕事でもあります。英語やフランス語でお迎えするのも楽しみです (残念ながら、まだ外国の方をお迎えする機会はありませんが)。

今日は平日だったので来場者も少なく、会場は閑散としていました。そんな中、突然背後から掛けられた一言が嬉しかったです。

「受付、すごいね。誰も来ないし、誰もいないのに背筋がピシッと伸びてる。すごいきれいな姿勢してる」

イベント運営チームの男性でした。見てる人は見ててくれるものです。

受付はそのイベントの顔だから、テーブルにひじをついたり、ぐだーっとイスにもたれかかったりはしないよ。自分の目の届く範囲のお客様とは、いつでもアイコンタクトが取れるようにしたいしね。

(7月23日追記) 受付の仕事を通じて感じたことを7月23日の記事につづりました。