葉が白く光る木。こっちにおいでと招かれたわけではないけれど、招かれているような気がして、何かいいことがあるような期待が少し膨らんで、知らない場所が怖いのは怖いのだけど、木がほほえむ場所で悪いことは起きないはずだから、少し木のそばに身を置いてみることにして、やっぱり木はその場でほほえんでいて、ほほえみながら冬日に身を任せていて、磯 (いそ) をるるりるるりと洗う波に揺れる海藻のようで、私も木と一緒に海藻のように冬日に身を任せてみて、木の言うことは聞いてみるものだと納得して、ここに連れてきてくれた木と風と冬に感謝した。