みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

夢の中で空を飛ぶということ

2013年06月01日 23時14分15秒 | 日常のあれこれ
自分の意志で夢をコントロールできると言われます。私も自分の夢をコントロールしたことがあります。

そのときは、夢の中で誰かに追われていました。目の前にはマンションのような鉄筋コンクリート3階建ての建物があり、壁にハシゴが設置されています。ハシゴを大急ぎで登ります。まだ追ってきます。ハシゴを登り続けると建物の屋上に出てしまい、ハシゴは行き止まり。もうこれ以上、上に逃げることはできません。

そうだ、今は夢を見ているんだ。夢は自分の意志でコントロールできるらしい。それなら空を飛んで逃げられるかも。

そう思い出しました。見下ろすと、建物は丘の上に建っており、目もくらむような高さです。今は夢を見ていて夢の中だからどんなことでもできると分かってはいても、落ちたら死んでしまうという恐怖に包まれ、体がすくんでしまいます。絶対に大丈夫だと強く念じ、思い切ってハシゴから手を離し、ハシゴを力強く蹴って両腕を広げました。

体は落ちていきません。空を飛んでいます。

眼下には、はるかに町並みを望めます。緑の木々の間に家が建っています。風が頬に当たり、服の両袖が風にはためく振動がありありと腕に伝わってきます。追っ手は建物のハシゴにつかまったまま。振り切ることができました。

思いどおりに空を飛べた喜びと、夢を自力でコントロールできた喜び。

しかし、目が覚めた後、恐怖に襲われました。

夢だったからよかったものの、これが現実だったらどうなったか。

夢を見ていると思い込んでいるだけで、現実にハシゴで高い場所まで登り、そこから空に飛び出したとしたら?

無事ではいられないでしょう。

人間は、自分が知覚するようにしか世界を認識できません。見たもの、聞いたもの、触れたものを信じ、その情報を手がかりにして周囲の状況を把握します。しかし、今私が知覚しているものが客観的な真実だとは限りません。見るもの、聞くものが虚構だとしたら、その虚構を信じて行動を起こすことになります。虚構を信じて高い場所から飛び出したとしたら?

恐ろしい。今、自分が知覚しているものが真実かどうかは、どうやったら分かるのでしょうか。もう世界を信じられない。