母は若い頃、デパートの店員になりたかったそうです。ほかに就きたかった職業はスチュワーデス。今はキャビンアテンダントと呼びますね。当時の女性のあこがれの職業でした。もうひとつ あこがれていた職業がモデル。
私もファッションモデルにはあこがれます。ほかに、受付係など、お客様をお迎えする仕事も好きです。人見知りをするくせに。おまけに、性同一性障害 (GID) MTF*のくせに。
その受付係を務めたいという願望が先日かないました (受付業務に挑戦するまでの経緯はこちら)。もちろん女性として受付係を務めてきました。めっちゃ楽しかったよー。残念ながら受付「嬢」と呼ばれる年齢を超えてしまった感がありますが。
今でこそ、楽しかったと はっきり言えますが、受付係に応募する前も応募した後も、期待と不安で胸がいっぱいでした。
応募は、元の性別を伏せたまま、メールで行いました。果たして何が起こるのか、不安で不安で仕方ありませんでした。ひょっとすると、またつらい経験を積み重ねることになるかも知れません。頭の中は受付業務のことでいっぱいで、普段の仕事は全然手につきませんでした。受付の仕事はすごく楽しみでしたが、すごく緊張もしていました。期待と不安で心が押し潰されそうでした。でも、前に進むと決意しました。新しい一歩です。一歩目は誰でも不安でしょうし、たいていの場合、その不安は考えすぎでしょうから。
そんなとき、女友達が「受付業務は楽しいよ」と励ましてくれました。過去に何度も受付業務をこなしてきて、私の性格も知っている友達です。その友達からのメールを何回も読み返して力に変えました。
なじみの病院の看護師さんも励ましてくれました。間近で顔をまじまじと見て「肌、きれい」と言ってもらえれば、自信につながります。
ファッションも変えることにしました。あちこちのお店を回って、今までと違うイメージの服や靴をいくつも買い、古いものを処分しました。次第に不安が薄くなり、楽しみが大きくなってきました。受付だけでなく、ほかの接客の仕事もしてみたくなりました。カフェで働くのもいいと思い始めました。
幸い、性別を詮索 (せんさく) されることもなく、無事に受付に収まることになりました。担当する日と時間帯も正式に決まり、いよいよ迎えた受付業務の初日。最初はおっかなびっくりでしたが、来場者を数人迎えるうちに慣れました。
自らの希望で受付係を務めましたが、私は人見知りをします。初めての人に話しかけることが苦手です。できれば、言葉を交わさずに済ませたいです。
でも、いつまでも人見知りのままじゃいけない。
殻を破ろうと、控え室ではスタッフに積極的に挨拶 (あいさつ) をしたり話しかけたり、好意を受けたら丁重にお礼を言ったりと、努力しました。どれも当たり前のことと言えば当たり前のことですが、私にとっては苦手なことばかりです。
世間話をしたり、ボケをかまして笑いを取ったり……。打ち解けてきたら、私が人見知りをすることも話しました。信じてはもらえませんでしたが。普通に考えれば、人見知りする性格の人が嬉々として受付係に就くとは思えないでしょう。しかし、私に言わせれば、人見知りをすることと人をお迎えすることは別です。見知らぬ人に話しかけるのは苦手ですが、来場されたお客様をお迎えするのは楽しいのです。
私から積極的に話しかけたスタッフの中には、私と同じように人見知りの人もいました。何でも、なかなか人に話しかけられずに気まずくなりそうな雰囲気のところで私から話しかけられて嬉しかったとか。そう言ってもらえると、私としても嬉しいものです。(それにしても、どうしてそんな人がこの仕事に応募したかは疑問です。私も人のことは言えないのですが。)
私は、すっかり受付の仕事を楽しんでいました。
何を着ていこうか、前日の夜からわくわくしながら悩んでいました。
期待と不安で胸がいっぱいだったことが嘘 (うそ) のようです。
不安に勝ちました。
友達と温かいスタッフの助けを借りて、新しい扉を開くことができました。私と普通に接してくださった数多くの来場者の方々のおかげで、自分をひとりの人間として認めることができました。受付業務をこなせたことは、私にとって大きな自信になりました。多くの人に支えられました。ありがとうございました。
社会との接点を持てば、免許証を書き換えたときのように傷つけられることもあります。それでも、多くの人と接して、受け入れられる経験を積むことが大事だと実感しました。
大きな収穫がありました。
たまたま見つけた種から小さな芽が育ち、何物にも代えられない大切な実がなりました。小さな実ですが、ずっしりと重い、大切な大切な実です。
挑戦してよかった。また受付の仕事をしたい。
今はそう思います。強く強く思います。
(追記) 新しい世界に進もうとする私に、友達がプレゼントをくれました。
私もファッションモデルにはあこがれます。ほかに、受付係など、お客様をお迎えする仕事も好きです。人見知りをするくせに。おまけに、性同一性障害 (GID) MTF*のくせに。
*MTF …… Male To Femaleの略。体は男性 (male) として生まれたが、自分を女性 (female) だと認識している人。
その受付係を務めたいという願望が先日かないました (受付業務に挑戦するまでの経緯はこちら)。もちろん女性として受付係を務めてきました。めっちゃ楽しかったよー。残念ながら受付「嬢」と呼ばれる年齢を超えてしまった感がありますが。
今でこそ、楽しかったと はっきり言えますが、受付係に応募する前も応募した後も、期待と不安で胸がいっぱいでした。
応募は、元の性別を伏せたまま、メールで行いました。果たして何が起こるのか、不安で不安で仕方ありませんでした。ひょっとすると、またつらい経験を積み重ねることになるかも知れません。頭の中は受付業務のことでいっぱいで、普段の仕事は全然手につきませんでした。受付の仕事はすごく楽しみでしたが、すごく緊張もしていました。期待と不安で心が押し潰されそうでした。でも、前に進むと決意しました。新しい一歩です。一歩目は誰でも不安でしょうし、たいていの場合、その不安は考えすぎでしょうから。
そんなとき、女友達が「受付業務は楽しいよ」と励ましてくれました。過去に何度も受付業務をこなしてきて、私の性格も知っている友達です。その友達からのメールを何回も読み返して力に変えました。
なじみの病院の看護師さんも励ましてくれました。間近で顔をまじまじと見て「肌、きれい」と言ってもらえれば、自信につながります。
ファッションも変えることにしました。あちこちのお店を回って、今までと違うイメージの服や靴をいくつも買い、古いものを処分しました。次第に不安が薄くなり、楽しみが大きくなってきました。受付だけでなく、ほかの接客の仕事もしてみたくなりました。カフェで働くのもいいと思い始めました。
幸い、性別を詮索 (せんさく) されることもなく、無事に受付に収まることになりました。担当する日と時間帯も正式に決まり、いよいよ迎えた受付業務の初日。最初はおっかなびっくりでしたが、来場者を数人迎えるうちに慣れました。
自らの希望で受付係を務めましたが、私は人見知りをします。初めての人に話しかけることが苦手です。できれば、言葉を交わさずに済ませたいです。
でも、いつまでも人見知りのままじゃいけない。
殻を破ろうと、控え室ではスタッフに積極的に挨拶 (あいさつ) をしたり話しかけたり、好意を受けたら丁重にお礼を言ったりと、努力しました。どれも当たり前のことと言えば当たり前のことですが、私にとっては苦手なことばかりです。
世間話をしたり、ボケをかまして笑いを取ったり……。打ち解けてきたら、私が人見知りをすることも話しました。信じてはもらえませんでしたが。普通に考えれば、人見知りする性格の人が嬉々として受付係に就くとは思えないでしょう。しかし、私に言わせれば、人見知りをすることと人をお迎えすることは別です。見知らぬ人に話しかけるのは苦手ですが、来場されたお客様をお迎えするのは楽しいのです。
私から積極的に話しかけたスタッフの中には、私と同じように人見知りの人もいました。何でも、なかなか人に話しかけられずに気まずくなりそうな雰囲気のところで私から話しかけられて嬉しかったとか。そう言ってもらえると、私としても嬉しいものです。(それにしても、どうしてそんな人がこの仕事に応募したかは疑問です。私も人のことは言えないのですが。)
私は、すっかり受付の仕事を楽しんでいました。
何を着ていこうか、前日の夜からわくわくしながら悩んでいました。
期待と不安で胸がいっぱいだったことが嘘 (うそ) のようです。
不安に勝ちました。
友達と温かいスタッフの助けを借りて、新しい扉を開くことができました。私と普通に接してくださった数多くの来場者の方々のおかげで、自分をひとりの人間として認めることができました。受付業務をこなせたことは、私にとって大きな自信になりました。多くの人に支えられました。ありがとうございました。
社会との接点を持てば、免許証を書き換えたときのように傷つけられることもあります。それでも、多くの人と接して、受け入れられる経験を積むことが大事だと実感しました。
大きな収穫がありました。
たまたま見つけた種から小さな芽が育ち、何物にも代えられない大切な実がなりました。小さな実ですが、ずっしりと重い、大切な大切な実です。
挑戦してよかった。また受付の仕事をしたい。
今はそう思います。強く強く思います。
(追記) 新しい世界に進もうとする私に、友達がプレゼントをくれました。
これからもっとステキな毎日が訪れたらと、、、
平凡で些細な事でも幸せな事ってあるんだと思うから
人は生きてるんだ と実感する事あるから
ガンバレ って応援しちゃうからね またね!
なのでどんなに不安になっても、自分から心を開いていけるようになれば大丈夫だと思います。
これからの社会生活、心から応援していますね。
今回は、本当に人に恵まれました。いきなり前途が開けたような感じですが、実際には自分で閉じてしまった扉が開いたのでしょう。扉を開けてみたら、外は意外と明るかった、と。
また次の一歩を考えています。
>matsumoさん
周囲の人がいい人ばかりで、第一歩は大成功しました。おっしゃるとおり、自分から前に出ていかなければ人との出会いもありません。そのことが理解できるのも、苦しんだ過去があるから。遅ればせながらのスタートです。応援してくださり、心強く思います。ありがとうございます。