ベッドに上がると、傍らのラウンドテーブルで携帯が涼しげなメロディを鳴らした。メールが1通届いていた。
「相変わらずだなぁ、アヤは」
朝晩、めっきり涼しくなっていた。つい3日前までエアコンを使っていたのが嘘のようだ。先日の台風が夏を跡形もなく吹き飛ばしていったのだろうか。
紗枝は、携帯をテーブルに戻すと、毛布を首までかぶった。紗枝も、今日になってクローゼットから毛布を引っ張り出したところだった。柔らかい毛足の肌ざわりに秋の気配を感じる間もなく、紗枝は眠りに落ちた。
* * *
マンションの一室で、若い女性の遺体が発見された。
発端は、新聞受けに新聞がたまり続けることを管理人が不審に思ったことだった。女性はひとり暮らしで、部屋を2日以上空けるときには事前に管理人に連絡してくるのが常であった。先月も、台湾で本場の中華を満喫すると言って、4日ほど部屋を留守にした。しかし、今回に限っては事情が違った。何の連絡もないまま、既に5日が経っていた。玄関は施錠されており、管理人がインターホンで呼びかけても返事はない。
警察官立会いの下、管理人が玄関のドアを開錠すると、ムッとよどんだ空気があふれ出てきた。熱気は、玄関にも、短い廊下にも、リビングにも滞留していた。ここ数日で気温は下がったが、日中の日差しはまだ強い。いくら防犯のためとはいえ、窓くらい開ければよさそうなものを……
管理人が窓の鍵に手をかけようとすると、警官が制止した。
奥の部屋で、女性の遺体が発見された。
奥の部屋は大きなダブルベッドで占められ、寝室として使われているようだった。ベッドには、光沢のあるピンク色のパジャマを着た女性が横たわっていた。
遺体の首には何かで絞められたような跡が残っていたが、部屋にロープなどは見当たらず、警察は殺人事件として捜査を始めた。
……
こんばんは。いつもと趣向を変えまして、いきなり小説でスタートしてみました。
昨日引っ張り出した長袖パジャマを着てみると、ウエストのゴムが少し緩くなっていました。
ゴムを替えるのも面倒だったので、今晩だけ、ゴムを少し短く縛り直してしのごうと思いました。私はズボラなので、以前ゴムを取り替えたときに、ゴムの端を団子結びにしたまま始末せずに放っておいた可能性があります。この結び目をほどいて短く縛り直せば、ひと晩くらいはしのげるはずです (ひと晩くらいと言いつつ、ふた晩、3晩と続きそうな気配を感じても知らん顔していてくださいまし)。
パジャマのウエストをまさぐって、ゴムの結び目を探します。
探しますが……
ありません。
ゴムの結び目がありません。
あれれ?
もう一度まさぐってみましたが、ゴムの結び目は分かりません。
結び目が消えた!
あるはずの結び目が消えた!
ミステリーだ!
ということで、サスペンス小説の冒頭部分を書き起こしてみました。この後、被害者 (アヤ) が着ていたパジャマのウエストゴムに存在するはずの結び目が消えていることに紗枝が気づき、このことが事件を解決する上で重要な鍵になるという展開は……サスペンスっていうより、ギャグじゃないの?
急に涼しくなったね! 長袖のパジャマを出したよ☆
でね、お風呂上がりに着ようと思ったらさー…
ウエストのゴムが伸びきってんの ><
一応ゴムだけ入れ替えて、今はゴムの結び目が出べそ状態 (エヘ
ほんとはちゃんと始末すればいいんだけど、
こんな時間に細かい作業なんかしたくないじゃない?
明日の朝やればいいよね!
サエもウエストのゴムには気をつけるんだよ!
「相変わらずだなぁ、アヤは」
朝晩、めっきり涼しくなっていた。つい3日前までエアコンを使っていたのが嘘のようだ。先日の台風が夏を跡形もなく吹き飛ばしていったのだろうか。
紗枝は、携帯をテーブルに戻すと、毛布を首までかぶった。紗枝も、今日になってクローゼットから毛布を引っ張り出したところだった。柔らかい毛足の肌ざわりに秋の気配を感じる間もなく、紗枝は眠りに落ちた。
マンションの一室で、若い女性の遺体が発見された。
発端は、新聞受けに新聞がたまり続けることを管理人が不審に思ったことだった。女性はひとり暮らしで、部屋を2日以上空けるときには事前に管理人に連絡してくるのが常であった。先月も、台湾で本場の中華を満喫すると言って、4日ほど部屋を留守にした。しかし、今回に限っては事情が違った。何の連絡もないまま、既に5日が経っていた。玄関は施錠されており、管理人がインターホンで呼びかけても返事はない。
警察官立会いの下、管理人が玄関のドアを開錠すると、ムッとよどんだ空気があふれ出てきた。熱気は、玄関にも、短い廊下にも、リビングにも滞留していた。ここ数日で気温は下がったが、日中の日差しはまだ強い。いくら防犯のためとはいえ、窓くらい開ければよさそうなものを……
管理人が窓の鍵に手をかけようとすると、警官が制止した。
奥の部屋で、女性の遺体が発見された。
奥の部屋は大きなダブルベッドで占められ、寝室として使われているようだった。ベッドには、光沢のあるピンク色のパジャマを着た女性が横たわっていた。
遺体の首には何かで絞められたような跡が残っていたが、部屋にロープなどは見当たらず、警察は殺人事件として捜査を始めた。
……
こんばんは。いつもと趣向を変えまして、いきなり小説でスタートしてみました。
昨日引っ張り出した長袖パジャマを着てみると、ウエストのゴムが少し緩くなっていました。
ゴムを替えるのも面倒だったので、今晩だけ、ゴムを少し短く縛り直してしのごうと思いました。私はズボラなので、以前ゴムを取り替えたときに、ゴムの端を団子結びにしたまま始末せずに放っておいた可能性があります。この結び目をほどいて短く縛り直せば、ひと晩くらいはしのげるはずです (ひと晩くらいと言いつつ、ふた晩、3晩と続きそうな気配を感じても知らん顔していてくださいまし)。
パジャマのウエストをまさぐって、ゴムの結び目を探します。
探しますが……
ありません。
ゴムの結び目がありません。
あれれ?
もう一度まさぐってみましたが、ゴムの結び目は分かりません。
結び目が消えた!
あるはずの結び目が消えた!
ミステリーだ!
ということで、サスペンス小説の冒頭部分を書き起こしてみました。この後、被害者 (アヤ) が着ていたパジャマのウエストゴムに存在するはずの結び目が消えていることに紗枝が気づき、このことが事件を解決する上で重要な鍵になるという展開は……サスペンスっていうより、ギャグじゃないの?