2月19日、寒さが和らぎ青空の広がる桜島へ出かけました。
テレビでは春節(旧正月)期間で日本への観光客が増えていると報道されています。桜島フェリーでも中国の人たちでしょうか、団体観光客を見かけました。
遠く南に見える開聞岳(かいもんだけ) 別名は薩摩富士
ここ数年は大陸からの汚染物質飛来で視界の悪い日が増えていますが、19日は見晴らしが良く、南側には指宿市の開聞岳が見えていました。左側のフェリーは鹿児島市(薩摩半島)と垂水市(大隅半島)を結ぶ鴨池・垂水フェリーです。24時間運行ではありませんが、早朝から夜半まで29往復が運行されています。左手の岩場は桜島の溶岩です。
黒神展望台横 昭和溶岩地帯案内板
看板も周辺の松も火山灰にまみれていました。この付近は1946(昭和21)年に昭和火口から流出した溶岩に覆われています。黒神川上流から海岸までの一帯は全て溶岩に覆い尽くされ黒神橋から見えるのはほんの一部だけです。上流部は広大な扇状地「地獄河原」になっており、土石流や軽石流出対策のため長大な防災砂防設備が構築され、関係者以外は立入が規制されています。
黒神橋の防災カメラ
高さ5m程度でしょうか、常時黒神川を映し出して土石流を監視しています。桜島の川は、雨のときしか水は流れませんが、夏場は土石流が発生します。川には土石流センサーのワイヤーが張られています。火山灰の汚れを洗い流すためカメラ前面に遠隔操作の洗浄装置がついています。突如噴射されるウォッシャー液とワイパー操作音に驚かされます。
3段に張られた土石流センサーのワイヤー
19時過ぎ 火映(かえい)現象が現われた 撮影焦点距離 80mm
火映現象とは、火口内の火山ガスの燃焼や高温な岩石の光が噴煙に反射し噴煙が赤く見える現象です。桜島の火映現象は昭和火口の活動が活発になる1~2日前によく見られます。通常は高感度ライブカメラで確認されますが、肉眼ではうすぼんやりと見える程度です。
デジカメ撮影では感度800、露光時間30秒程度で写ります。19日のこの時間帯は肉眼でもはっきり赤く見えました。この状態が朝まで反復継続することもあれば、一時的なこともあります。
ジオパーク黒神ビュースポット(黒神展望台)案内板
桜島・錦江湾(きんこうわん)ジオパークの案内板ですが、噴火活動に関することが判りやすく書かれていましたので次の通り引用紹介します。
ここは、生きている火山・桜島を体感できる場所、山頂部の左側に見える丸い火口が、昭和噴火(1946年)のときに溶岩が流れた場所で、2006年から活発な噴火が続いている「昭和火口」です。
今、あなたに「ゴー」という低い音が聞こえていたら、火口から火山ガスなどが出ているとき。
白い煙が上がっていたら、火口から水蒸気が出ているときです。
火山灰が含まれた灰色の煙が上がっていたら、噴火しているときです。
もし、火口から何も出ていなかったら、火山ガスを溜めて次の噴火の準備をしているときです。
桜島は、山腹に火口ができているので、頂上に登らなくても火口を見ることができる世界でも珍しい活火山。今まさに、生きている地球の鼓動を感じてください。(引用終わり)
実にわかりやすい説明で感心しました。下部には同じ内容が英文でも書かれていました。
火映現象が現われた昭和火口 左上は飛行機の航跡 撮影焦点距離 185mm
このときは少し明るい程度でした。案内板の表現では火口から「ゴー」と火山ガスなどが出ている状態です。これまでの経験から火映現象が継続しているときは殆ど爆発しません。火映現象が消えて噴煙も止まって山頂がスッキリと見える程度に「何も出ていない」状態が最低でも15分程度継続した後に爆発します。ただし、例外もあり撮影で苦い経験をしています。
火口部分のアップ画像
大隅河川国道事務所の土石流調査資料によると2013年10月時点で、昭和火口の大きさは東西方向289m、南北方向で375mもあります。東京ドームの大きさは約4万7千平方メートル、火口上の面積は殆ど同じくらいと思われます。撮影場所からの距離は4km程度あるため小さく見えるだけです。
100m程度もある火口底では火山ガスが燃え、溶岩が煮えたぎっているのでしょう。身近な場所でこのような地球の息吹に触れられることに感謝です。この日24時までは火口の縁から小さな噴石が飛び出すような場面はありませんでした。翌朝までに爆発は殆どないと判断して24時過ぎに撤収しました。
テレビでは春節(旧正月)期間で日本への観光客が増えていると報道されています。桜島フェリーでも中国の人たちでしょうか、団体観光客を見かけました。
遠く南に見える開聞岳(かいもんだけ) 別名は薩摩富士
ここ数年は大陸からの汚染物質飛来で視界の悪い日が増えていますが、19日は見晴らしが良く、南側には指宿市の開聞岳が見えていました。左側のフェリーは鹿児島市(薩摩半島)と垂水市(大隅半島)を結ぶ鴨池・垂水フェリーです。24時間運行ではありませんが、早朝から夜半まで29往復が運行されています。左手の岩場は桜島の溶岩です。
黒神展望台横 昭和溶岩地帯案内板
看板も周辺の松も火山灰にまみれていました。この付近は1946(昭和21)年に昭和火口から流出した溶岩に覆われています。黒神川上流から海岸までの一帯は全て溶岩に覆い尽くされ黒神橋から見えるのはほんの一部だけです。上流部は広大な扇状地「地獄河原」になっており、土石流や軽石流出対策のため長大な防災砂防設備が構築され、関係者以外は立入が規制されています。
黒神橋の防災カメラ
高さ5m程度でしょうか、常時黒神川を映し出して土石流を監視しています。桜島の川は、雨のときしか水は流れませんが、夏場は土石流が発生します。川には土石流センサーのワイヤーが張られています。火山灰の汚れを洗い流すためカメラ前面に遠隔操作の洗浄装置がついています。突如噴射されるウォッシャー液とワイパー操作音に驚かされます。
3段に張られた土石流センサーのワイヤー
19時過ぎ 火映(かえい)現象が現われた 撮影焦点距離 80mm
火映現象とは、火口内の火山ガスの燃焼や高温な岩石の光が噴煙に反射し噴煙が赤く見える現象です。桜島の火映現象は昭和火口の活動が活発になる1~2日前によく見られます。通常は高感度ライブカメラで確認されますが、肉眼ではうすぼんやりと見える程度です。
デジカメ撮影では感度800、露光時間30秒程度で写ります。19日のこの時間帯は肉眼でもはっきり赤く見えました。この状態が朝まで反復継続することもあれば、一時的なこともあります。
ジオパーク黒神ビュースポット(黒神展望台)案内板
桜島・錦江湾(きんこうわん)ジオパークの案内板ですが、噴火活動に関することが判りやすく書かれていましたので次の通り引用紹介します。
ここは、生きている火山・桜島を体感できる場所、山頂部の左側に見える丸い火口が、昭和噴火(1946年)のときに溶岩が流れた場所で、2006年から活発な噴火が続いている「昭和火口」です。
今、あなたに「ゴー」という低い音が聞こえていたら、火口から火山ガスなどが出ているとき。
白い煙が上がっていたら、火口から水蒸気が出ているときです。
火山灰が含まれた灰色の煙が上がっていたら、噴火しているときです。
もし、火口から何も出ていなかったら、火山ガスを溜めて次の噴火の準備をしているときです。
桜島は、山腹に火口ができているので、頂上に登らなくても火口を見ることができる世界でも珍しい活火山。今まさに、生きている地球の鼓動を感じてください。(引用終わり)
実にわかりやすい説明で感心しました。下部には同じ内容が英文でも書かれていました。
火映現象が現われた昭和火口 左上は飛行機の航跡 撮影焦点距離 185mm
このときは少し明るい程度でした。案内板の表現では火口から「ゴー」と火山ガスなどが出ている状態です。これまでの経験から火映現象が継続しているときは殆ど爆発しません。火映現象が消えて噴煙も止まって山頂がスッキリと見える程度に「何も出ていない」状態が最低でも15分程度継続した後に爆発します。ただし、例外もあり撮影で苦い経験をしています。
火口部分のアップ画像
大隅河川国道事務所の土石流調査資料によると2013年10月時点で、昭和火口の大きさは東西方向289m、南北方向で375mもあります。東京ドームの大きさは約4万7千平方メートル、火口上の面積は殆ど同じくらいと思われます。撮影場所からの距離は4km程度あるため小さく見えるだけです。
100m程度もある火口底では火山ガスが燃え、溶岩が煮えたぎっているのでしょう。身近な場所でこのような地球の息吹に触れられることに感謝です。この日24時までは火口の縁から小さな噴石が飛び出すような場面はありませんでした。翌朝までに爆発は殆どないと判断して24時過ぎに撤収しました。