花浄土鹿児島

鹿児島の花や風景、祭りなどを巡るブログです。
(季節の花、吹上浜、桜島、霧島など)

清水岩屋公園の桜 2014/03/27 (南九州市川辺町)

2014-03-30 18:32:51 | 
南九州市は2007年に川辺町、知覧町、頴娃町が合併して誕生しました。福岡県北九州市は人口約97万人の政令指定都市ですが、南九州市は約38000人です。平成の大合併では合併後の名称決定に苦労したところが多く、南九州市も同様だったのではと想像します。

清水岩屋(きよみずいわや)公園は清水磨崖仏を中心に設置され、万之瀬川(まのせがわ)が流れています。池の畔には金閣寺を模して川辺仏壇の技術を利用して作られた「桜の屋形」、研修施設「清流の杜」、キャンプ場やプールがあり夏場は特に賑わいます。

公園下流にある湧水「清魂水」 水汲み場


花びらの美しい乙女椿


磨崖仏と桜


公園下流部の石橋


石橋の下から上流を望む


磨崖仏の彫り込まれた崖は崩壊の恐れがあるため、現在は石橋上流の西側歩道は立入が規制されています。少し遠くなりますが磨崖仏は対岸から見られます。



撮影日付を書いていない画像は3月27日に撮影したものです。17日に訪れたときはソメイヨシノは開花前で山桜がきれいでした。

やすらぎ観音 3月17日撮影


山桜 3月17日撮影


山桜 3月17日撮影


山桜 3月17日撮影


上の山桜は公園内に残る老木です。数年前から木が弱り、後何回花が見られるか毎年気がかりな木でした。枝の枯れ込んだところを癒合剤のようなもので手当てしてあり元気を取り戻したようです。青空に見事な花を咲かせ、今年もこの花が見られたことがうれしくて撮影しながら涙が出ました。

3月27日は山桜がほとんど終わり、ソメイヨシノが満開でした。

やすらぎ観音と桜


枝が傾いた川沿いの桜


石橋から見た上流の桜 画面上の崖下は立入禁止です


東岸から対岸を望む


山桜は残りわずか


葉桜になった山桜と満開のソメイヨシノ


万之瀬川と赤い橋 下流側から撮影


雨上がりの桜


枝先に咲き誇る桜


この日は雨上がりでソメイヨシノが見頃でした。この後、知覧特攻平和会館の桜並木を訪れました。
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日本発祥の地 春の笠狭宮跡 2014/03/27 (南さつま市)

2014-03-29 17:05:40 | 史跡巡り
日本発祥の地とされる南さつま市笠狭宮跡(かささのみやあと)を訪れました。予想どおりに桜が満開で春景色を満喫しました。

由来の説明石碑


階段の花びら 楠は落葉の季節


前回は昨年10月下旬に訪問しました。そのときのブログ記事はこちらです。桜がきれいだろうと予想して再度訪れ、花景色に恵まれました。

ソメイヨシノは若木で満開でした


林にたたずむ笠狭宮跡の石碑


簡素な石碑前に小さな焼酎が供えられていました


居合わせた地元の方に聞いたところ、ここは南さつま市の市有地とのこと。建設当時のことを知る人は少なくなったようです。昔は人家があったようですが火事で住まなくなり、山の上には水道設備がありました。

神社ではないため神事や祭事は行われていないそうです。市有地で水源林のようになっていて、自然がそのまま残されています。ミミズが多いのかイノシシが林の中をあちこち掘り返していました。石碑前の桜は数年前に植えられたもので地元集落の方が月に一回は広場や階段を掃除して、夏草を刈るなど管理を続けておられるそうです。

広場には桜のほか銀杏もあり、周囲は杉や照葉樹に囲まれた静かな場所です。石碑以外には目を引くものはありません。観光地ではないため訪れる人は少ないでしょうが、地元の方が大切に守り続けておられることをうれしく思いました。

階段上の広場にある桜


寄贈記念石


記念石が階段横にあり「寄贈 永田隼之助 昭和17年3月」と刻まれていますが、何を寄贈したものか他には文字が見当たりません。紀元2600年は昭和15年であり、17年ならば戦勝祈念などに関連しているのでしょうか。

藪椿の花はまもなく終わり


落椿がきれいでした


小さなリンドウも見かけました


自然が残る周囲の林


楓の新緑が鮮やか


風に散り始めた桜


林に残る山桜


入口の山桜


ソメイヨシノもきれいですが、新葉を広げて花咲く大きな山桜にひかれます。歴史遺産や自然観察の好きな方には興味深い場所だと思います。この日は他にも各地の桜を撮影しました。順次ブログを書きますのでご覧ください。
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金峰コシヒカリ 田植シーズン 2014/03/17 (南さつま市)

2014-03-17 20:13:37 | 日記
3月17日は超早場米「金峰コシヒカリ」の田植シーズンに入った、南さつま市金峰地区を訪れました。

特に早い農家では3月上旬に地元中学生も参加して田植が行われます。学校給食に間に合うよう7月中旬には収穫するそうです。一般の農家ではこれから1週間ほどの期間に田植が集中するようです。

東の空に朝日が輝きます 中ほどの山は金峰山(標高636m)


水路の土手には菜の花


土筆が伸びだしスギナに朝露が光る


農家の方にお願いして田植作業を撮影させていただきました。高齢なので少ししか植えないとのことでしたが・・・・100アール(1町歩)作付けされているそうです。広い田園地帯ですから100アール程度では少ない方なのでしょう。

頼まれて田植え作業などもされるようですから、お元気なことで何よりです。最初は奥さんと2人での作業でしたが、その後軽トラックで次々に早苗が届きました。この田んぼは40アール、かなりの広さですが着々と田植が進んでいきました。周辺でもあちこちで田植え風景が見られました。

苗を積み込んでいきます


右のオレンジ車輪で目印を付けます


目印を田植機の中心に合わせて運転し等間隔に植えていきます


田植えの済んだ広い田んぼ 南風が雲を運んできました


近くで見かけた大木


根元には水神様らしき祠がありました


榎でしょうか 力強い枝先がみごとです


金峰山から見た水田地帯


夜明け前の金峰山から田園地帯を写しました。丸い月はやがて東シナ海に沈み、東空は明るさを増してくる時間帯です。画面中ほどの水路が菜の花を(画像3枚目)撮影した場所です。手前の明るい部分は丸い月が水田に映りこんでいるものです。

山の上からは田園地帯が一望でき、西側の砂防林先には海が広がっています。左側の山は野間岳(標高591m)です。

大型連休期間を中心に行われる「吹上浜砂の祭典」はこの松林で開催されます。今年は5月2日から31日まで、砂像作品の展示だけでなく夜は花火とライトアップ、親子そろって楽しめるさまざまなイベント、新鮮な地元産品の販売も好評です。初夏のレジャーにお勧めです。ご家族おそろいで、ぜひお越しください。
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九州南部に春一番が吹きました 2014/03/13 (鹿児島)

2014-03-13 15:39:51 | 天気の話題
鹿児島地方気象台は、きのう12日の夜から今朝にかけて、九州地方南部と奄美地方で「春一番」が吹いたと発表しました。昨年(2月4日)より37日遅い発表でした。

 春一番は、立春から春分の間に低気圧が日本海などを進み、暖かな南風が強く吹いた最初の日に発表されます。気象庁では、九州から関東にかけて春一番の発表をしますが、基準を満たさず発表されない年もあります。

暖かい南の風が勢いを増して寒気を押し上げました。今は北西風が強いものの、本格的な春の到来を実感します。2月28日、3月6日、3月12日に撮影した花画像を順に掲載します。

2月28日 花盛りの白木蓮


春曙光(しゅんしょっこう)


沖の浪


ナルトサワギク 海岸近くに蔓延っています


3月6日 鹿児島では庭桃と呼んでいる「ゆすら梅」


白い縁取りが美しい「玉之浦」


新芽を伸ばしたアセビ(馬酔木)


畑にはホトケノザ(仏の座)


咲き始めたボケ(木瓜)


以下は3月12日に撮影したものです。
この日は鹿児島県北部のさつま町鶴田地区にある「岩つつじ山」を訪れましたが、先週末からの強い冷え込みで花が傷んでいました。山全体が紫に染まり見事なのですが自然の厳しさを思い知らされる残念な出会いでした。来年に期待することにしましょう。

先に立ち寄った鹿児島市西佐多町(旧吉田町)前宗上(以下4枚)では殆どの岩つつじの花が盛りを過ぎていました。

遅咲きの梅


小さな祠と岩つつじ


岩つつじ


近くの観世音菩薩


鶴田の「岩つつじ山」 霜に打たれて花は萎れていました


県道沿いの民家に咲く岩つつじ


白木蓮 藺牟田池沿い


クロモジ(黒文字) 


鹿児島では「みの花」と呼び、開花前のものを仏様や墓参りの供花に利用しています。昔は殆ど造花は使われず、花の少ない時期の墓参りによく使われていました。最近の墓地ではお盆などの時期を除いて生花は少なくなっています。

鹿児島は花の消費量が全国一だと言われます。以前は毎日のように墓参りする人もあり、墓の生花が枯れていると近所の人が健康を気遣ってくれるものでした。

キイチゴ


山桜


岩つつじと桃 姶良市蒲生町


昨年は2月から春めいてきましたが、今年は3月に入っても桜島が冠雪する日がありました。12日に見て回った感じでは、例年よりも山桜の開花が遅いようです。鹿児島のソメイヨシノ開花予想日は昨年よりも9日遅い3月24日、満開予想日は4月2日、花巡りが楽しみなことです。
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羽島崎神社 太郎太郎祭り 2014/03/09 (いちき串木野市)

2014-03-11 17:06:19 | 祭り・伝統行事
3月9日は午前中の日置市吹上町の「たじまどん」に続いて、いちき串木野市の羽島崎神社の「太郎太郎祭り」に行きました。

車で吹上浜沿いに北上して約1時間、羽島漁港に車を止めて岬近くの神社まで5分程度歩きます。道沿いには出店も並んでいました。

子供の目に止まったのは何でしょう?


羽島漁港と家並み


14時過ぎに羽島崎神社に着きました 岬の風が強く寒い


太郎太郎祭りについては、いちき串木野市のホームページに次のように紹介されています。

旧暦2月4日(現在はそれに近い日曜日)に羽島崎神社で開かれる春の大祭。地域をあげて豊作と豊漁を祈る祭りで、神前では「5つの祝い」という特色ある祭りが行われます。氏子の5つになった子供は田打ちという田植えの行事に、漁家の子供は船持ちの行事に参加するのです。

田植えの行事には、テチョ(おやじ)と太郎、コッテ牛が登場し田植えの様子を即興を交えながらおもしろおかしく演じます。

船持ちの行事では神社備え付けの80センチ位の船を父兄に伴われた子供たちが捧げて神前から降りてきます。そのとき、特有の船持ち歌が10数名の古老によって歌われます。(引用終わり)

船持ちの行事 15時頃から始まり5人の子供が参加


一番船は米船


広場を反時計回りに一周し社殿に戻る




船持ち唄 15分ほども唄が続きました


ここの祭りは豊作と豊漁を祈るもので、両方行われるのはかなり珍しいそうです。田打ちの田園劇は各地のものと似ていますが、数え年5歳の男子が参加するのが特徴です。着物に青いたすきをかけ、頭に豆絞りをかぶり、蓑笠を着けています。とても可愛い仕草でカメラマンが集中していました。

田植えの行事 3人の子供が参加 左はテチョ、右が太郎


代かきの様子


コッテ牛と太郎 ここも大変な暴れ牛でした


田植えの準備ができました


立派な苗(松葉)を植えました


地元園児によるマーチングバンド


祭りの最後に紅白の餅まきが行われるということでしたが、風が強く寒さに震え16時前には撮影を切り上げました。帰り道では冷たい雨が降り出して、普段より30分ほども早い夕暮れでした。
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大汝牟遅神社 「たじまどん」 2014/03/09 (日置市吹上町)

2014-03-10 17:32:04 | 祭り・伝統行事
「たじまどん」は、春先に鹿児島県内各地の神社に奉納される豊作祈願のお祭りの一つです。大汝牟遅(おおなむち)神社の祈念祭祭典後、11時過ぎから社殿前庭を斎田と見立て、秋の豊作を祈願して、田起こしからモミ蒔きまでの所作を農夫や牛に扮した氏子が方言で面白可笑しく、30分ほどかけて演じました。初めて行った祭りでしたが、前の宮司さんが神事や祭りのことについて最後まで詳細な説明をしてくださり楽しみました。

奉納された貝殻と浜砂 全国的にも珍しい


神事が終わり日置市長さんのあいさつ


神社でいただいた資料によると、このお祭りは、島津日新公(島津忠良 1492-1568)が祈念祭の日、大汝牟遅(おおなむち)神社の境内で、久多島(吹上浜沖に点在する小さな島)にゆかりの、天智天皇の妃と皇女の慰霊祭を執り行ったことに由来するもののようです。

久多島 2014/02/12 日置市日吉町天神ヶ尾海岸から 手前は海鵜


「たじまどん」(田島殿)の意味は、
久多島の久は、苦しいとか、苦につながると言う事で「久」(苦)を取り田島にし、また、田島殿の「田」は、祈念祭が田起こし等の田に関係する祭典の為、「多」を「田」に変え、「島」は久多島の「島」の意味だそうです。田島殿の「殿」は、天子、皇后、皇族、神仏等への敬称です。

田起こし作業半ば 嫁のお茶で休憩


オリンピックの話題でカーリング(南瓜)が登場 笑いが巻き起こる


休憩を終えて田にカシキ(刈敷 肥料として田にすき込む)を撒きます


田を3周せよと、こき使われる牛


牛が暴れだして農夫に逆襲


牛は中ほどに盛られた浜砂を撒き散らす


八手の実と竹筒


ここで、暴れる牛にむけて子供たちが八手の実を竹筒で吹きかけ応戦するところですが、子供たちが少なくて、あまりその様子が見られなかったのは惜しいところでした。

耕された田に宮司さんがモミを蒔きます


氏子がピーナツとお菓子を配る


配られるトッノコ


トッノコは(歳徳神=新しい年の初めに豊かな実りをもたらす神)と言われる小さなおにぎりです。



最後には温泉入浴券、お茶、焼酎が各10本当たる抽選会があり、私も大いに期待しましたが外れました。愉快な農耕劇を楽しんで、トッノコもいただきました。神社の皆様と氏子さんにはお世話になり、ありがとうございました。

12時前、風の出てきた境内では掃除が始まりました


今回訪れた大汝牟遅(おおなむち)神社では「たじまどん」以外にも
6月第三日曜日 御田植祭 田植踊り、刀踊りの奉納
8月28日または29日  伊作太鼓踊り奉納
11月23日  秋祭り 流鏑馬奉納(薩摩半島ではここだけです。)の祭典及び奉納行事があります。勇壮な伊作太鼓踊りのブログ記事はこちらです。



神社の南側には楠の大木が茂る「千本楠」があります。CM撮影も行われた緑一杯の場所です。名称と違って本数は少ないのですが、逞しく枝を広げた楠の群は一見の価値があります。緑が濃くなる大型連休の頃がお勧めです。
コメント (2)
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射勝神社 次郎次郎踊り 2014/03/02 (薩摩川内市)

2014-03-04 18:03:17 | 祭り・伝統行事
3月2日(日)、薩摩川内市水引町の射勝(いすぐる)神社の「次郎次郎踊り」を見に行きました。この日は薩摩川内市内の3神社で五穀豊穣を願う踊りがそれぞれ奉納されました。

1 10時から高江町の南方神社   「太郎太郎踊り」
2 13時半から久見崎町の諏訪神社 「次郎次郎踊り」
3 15時から水引町の射勝神社   「次郎次郎踊り」

2箇所目の諏訪神社は現地確認だけにして、午後は川内港と唐浜海岸を回って射勝神社に向いました。国道からの道順に迷い現地着は14時半頃で、条件の良い撮影場所を確保できず撮影は今ひとつでした。

すでに境内は人で一杯


帰りに道順を確認 水引インター近くの右折地点にあった案内板


国道3号を薩摩川内市街地から阿久根市方面に向かい、西回り高速道路の水引インターの80mほど先を右折して狭い道を進むか、直進して歩道橋のある水引小学校角を右折します。それらの地点から車で3分ほどで駐車場があります。よく見ると、どちらにも案内の赤いのぼり旗が立っていました。初めて行かれる方は案内板などを見落とさないよう注意してください。駐車場から神社までは溜池の横を歩いて5分ほどです。

14時から神事が始まったようで、境内では神舞の奉納中でした。次郎次郎踊りが始まったのは15時でした。



出水市の加紫久利(かしくり)神社の巫女さん


次に奉納されたひょっとこ踊り 腰の動きが色っぽい


境内の案内板には次のように書かれています。

次郎次郎踊は「射勝殿(すぐろどん)祭り」とも呼ばれ、射勝神社の春祭に伴う芸能として、毎年3月の第一日曜日に豊作を祈願し、奉納される農耕劇です。(薩摩川内市指定の無形民俗文化財)

神事の後、踊りの奉納が始まります。子供たちが、椎(しい)の枝で地面を叩きながら、害虫やスズメを追い出す仕草をした後、白手拭いの覆面姿のテチョ(丁長)が現れます。テチョは木鍬で田打ちをしたり、「トッゴロ」と呼ばれる火のついた丸太で、害虫に見立てた見物客を追い回したりして暴れ回ります。

最後にヨメジョ(嫁女)が現れ、テチョと抱き合って、赤ん坊(袋に入った籾 もみ)を産み落とし、テチョが持ち上げて喜ぶ仕草をした後、ヨメジョの頭上のモロブタ(細長い箱)から、落花生などが見物客にまかれます。
同じ時期に、高江町南方神社や久見崎諏訪神社でも田打ちを題材にした農耕劇が奉納されますが、この次郎次郎踊は終始無言で行われるのが特徴です。

社殿裏で準備中のトッゴロ 焼酎の燗もほど良くついたようです


木の枝で害虫を追い出す仕草


トッゴロを担いだテチョが現れました


田打ちをするテチョ


一休み キセルでタバコを一服


最初に主催者から火に注意するよう呼びかけがありました。演者は言葉を発することのない無言劇です。社殿の後ろから出てきたテチョは覆面で顔を隠しておりミイラのような異様な雰囲気です。害虫に見立てられた見物客はトッゴロの火や煙で追い払われます。

また、後から登場する牛も勢い余って観客に突進することがあります。何が起こるか動きに予想がつかずハラハラ感があり、カメラマンも追い払われます。大きな火のついた丸太で虫(見物客)を追い払うので火傷や逃げ惑ってケガをしないかドキドキ。

撮影に気を取られていると私の後ろから肩に触れる手を感じました。そこにはトッゴロガ迫っていて思わずのけぞりました。境内のあちこちから観客のはしゃぎ声がキャーキャー起こり、太鼓の刻むリズムが次第に早まり踊りの緊迫感を一層盛り上げていました。

初めて行ったのですが、天気に恵まれて団体客もあり例年よりも人が多かったようです。人が少ないと前から後ろからトッゴロの火と煙に追われそうです。

害虫に見立てた見物客を火と煙で追い払う


さらにトッゴロが出てきました


トッゴロはカメラマンの足元にも


たくましいコッテウシ(雄牛)を操り田を耕す


前後に人が入り2牛力で暴れまわる


観客席に突っ込みそうな勢いのコッテウシ


田打ちが終わり ヨメジョが現れました


ヨメジョと抱き合うテチョ


めでたし 赤ん坊が生まれました


モミと落花生が撒かれて祭りはお開きに 開始から約25分


神社を後にする巫女さんたち。


赤い袴が林の緑に映えて実に美しい光景でした。出水市からおいでになった舞姫会の方々と聞きました。次郎次郎踊だけでなく、美しい神舞とユーモラスなひょっとこ踊りも見ることができてうれしいことでした。関係者の皆様には準備から後片づけまでお疲れ様でした。珍しい祭りを楽しませてもらいました。ありがとうございました。
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高江町「太郎太郎踊り」 2014/03/02 (薩摩川内市)

2014-03-03 15:37:32 | 祭り・伝統行事
3月2日(日)に薩摩川内市高江町の南方神社に鹿児島県指定の無形民俗文化財「太郎太郎踊り」が奉納されました。五穀豊穣と安産を祈願する農耕喜劇で、地元の峰山小学校からは5、6年生15名が参加し祭りを盛り上げました。

田んぼの土手には土筆が一杯


祭りを前に社殿裏手で焚火に興じる子供たち


名前からも珍しい「太郎太郎踊り」 昭和37年10月24日指定 鹿児島県無形民俗文化財
峰山コミュニティ協議会からいただいた説明書には次のように書かれていました。(一部加筆しました。)

歴 史

326年前に川内川の長崎堤防築堤により高江新田300町歩(300ヘクタール)が誕生した頃から、五穀豊穣と安産を祈願するために奉納したものと伝えられている。安産祈願は生産・繁栄の象徴として、過酷な農業の労働力確保のための祈願ではないかと考えられる。

踊りのあらすじ

役者 雲上(うんじょう)・・・・・祖父(鹿児島の方言では「おんじょ」)
   丁長(ていちょう)・・・・・ 父(おやじ「てちょ」)
   太郎(たろう)・・・・・・・ 息子(酒飲みで怠け者)
    牛(うし)・・・・・・・・黒い着物をまとい一人の若者が演じる
   子供たち・・・・・・・・・・雲上に教えを聞き田打ちを演じる

田打ちをモチーフにしたコミカルな寸劇で(全体で約45分)、田打ちの仕事ぶりと出産風景が喜劇風に演じられる農耕劇である。怠け者の太郎に祖父と親父が田打ちをさせるために「太郎牛を連れて来い」(鹿児島の方言で「たろう、うしょ引いてけー」)と何度も促します。掛け合いは方言(鹿児島語)で面白おかしく大きな身振り手振りで演じられる。

本番を前に焼酎で勢いをつける丁長


鍬に見立てた大きな木の枝


生木が肩にずっしり 丁長の優しいまなざし


祭りに参加して多くの人とふれあうなかで、自分たちの郷土に誇りを持ち、祖先や年長者を敬い、自然に感謝する心が育まれることでしょう。成長して郷里を離れる子供たちも多いでしょうが、いつまでもふるさとの記憶として心に残るはずです。この祭りは貴重な体験教育の場になっていると思います。

10時前には春の日射しがあふれてきました


10時から神事が行われ、踊りは10時35分頃に始まりました。出演者全員で神主さんから御祓いを受けて田打ちをします。左から雲上(祖父)、丁長(親父)、太郎(息子)、画面外右手には牛も並んでいます。雨上がりの境内はほど良い湿り具合、まさに春の恵みの雨。



子供たちに田打ちを教える雲上(祖父役)


子供たちに引き止められる雲上に笑いがおきる


酒を酌み交わす丁長と太郎


掛け合いの一場面 火のついた薪に足が・・・あちち? 元気な丁長は大丈夫でした


ようやく連れて来た牛は暴れ牛 暴れながら田を耕し、ついには逃げてしまいます


産まれた子供(丸石)を愛しむ丁長
 

子供の名前は米待女(よねまつじょ)です。五穀豊穣を願う気持ちがこめられているようです。
この後、丁長は高江名所などを一人で歌い上げ、その美声に観客一同聞きほれて大きな拍手が沸きました。実にお見事! のど自慢なら鐘五つ以上ですね。

最後は神主さんが掛声とともに舟形の入れ物から何度も米を撒き、祭りはお開きとなりました。縁起物として帽子や掌に受けて持ち帰る人が多かったようです。



祭りを終えて 常緑の照葉樹に囲まれた参道を下る


参道脇には桃が咲いていました


片付けの人と幼子


祭りの終わりはどこか寂しさもあるものですが、参道を下りると雨上がりの日射しがいっぱいでした。早速片付けも始まっていましたが、気ままに走り回る幼子にはるか昔の日を思うことでした。祭関係者の皆様方には準備から片づけまでお疲れ様でした。楽しい踊りを見せていただき、ありがとうございました。
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からいも苗床を作りました 2014/02/28 (鹿児島)

2014-03-01 15:17:25 | 野菜作り
2月初旬からの寒さが和らいだので、少し早いですが、からいも(サツマイモ)の苗床を作りました。作業前の昼食に安納芋を焼きました。外側が黒い焼芋専用のアルミホイルに包み、オーブンで15分過熱しました。

二口サイズほどの手ごろな大きさ


安納芋の種芋 種子島の方から頂きました


からいもの苗は5月下旬からホームセンターや園芸店で入手できます。通信販売でもかなりの品種が流通しているようです。自分で苗を作り始めて今年は4年目です。初心に戻って、種芋を消毒するため48度の湯に40分ほど浸します。40分も浸しますから発芽を促す効果もあるそうです。

4品種を植えるため普段使わない浴槽に湯を20cmほどためて、全部を一度に浸しました。給湯温度を60度に設定しましたが湯沸器の能力が追いつかず湯冷めしてくるので、湯を一部抜いて3回補充しました。企業的な種苗生産方法は判りませんが、一般的には面倒なので種芋を湯に浸すことはせず、直接苗床に植え付けます。

湯は45度程度 黄金千貫


冷めたら熱湯補充


時間待ちの間に吹上浜に出てみました。家からは200m程度です。吹上浜は季節風が遠のき穏やかですが、残念なのはPM2.5。南北とも見通しが3km程度でしょうか、ぼんやり霞んでいました。

北側の江口浜付近は見えません


南側の視界は吉利付近まで


湯に浸した芋は肌色が良くなり、いかにも元気な新芽が出そうな感じです。今年は移植ゴテで芋に合わせて土を掘り、浅めに植え込みました。最初の年は3月下旬に苗床を作ったのですが例年苗の生育が遅いので、今年は早めにしました。

芋には5cmほど土を被せました


幅80cmで長さ3.5mほどに次の4品種を植えました。厄介なのは表面が赤系統の芋は品種名の区別がつきにくいことです。もらった苗では品種名が不詳なことが多いです。収穫時や保管中に他の品種に混じってしまうこともあります。自分で植えて食べた感じなどは次のとおりです。

安納芋・・・・・種子島で生産された甘い品種として全国的に人気がある
        本場種子島とは日照、土壌が違い私が栽培したものは糖度が低い?
        焼芋にすると蜜のようなものが出て甘いが食感はべっちゃり

なると金時・・・有名ブランド、表面が濃い赤色で焼芋に向いている
        苗がか細くて活着力が弱く育てにくい感じ

紅乙女・・・・・鹿児島で多く生産され発芽能力がずば抜けている
        紅さつま、紅はるかなど類似の改良種が多いようだ
        ほど良い形と大きさで、焼芋はほっこりした食感

      
黄金千貫・・・・主に焼酎原料用に生産され青果での流通は少ない
        芋の形がごつごつで芋肌の見栄えが良くない
        大きくなりすぎたり筋の多いものもある

ビニルを被せてトンネル完成


手前は先日植えたジャガイモの列


昔の苗床はビニルトンネルがなかったので藁や堆肥を入れて地温を上げる工夫をしていました。遅霜被害を避けるため彼岸前後に作っていました。自分で苗を生産すれば自分の都合に合わせて条件良く植え付け作業ができます。市販品では植付に最適な時期に丈夫な苗が得にくいことがあります。少し広めにサツマイモを植える方は、一度自分で苗を生産されると楽しいと思います。

早くも散り始めた白木蓮


ゆすら梅 鹿児島では庭桃と呼んでいました


園芸種の椿 玉之浦


南岸低気圧の影響で関東甲信越地方は記録的な大雪に見舞われました。強い寒気が居座ったことが大きな要因でしょうが、3月に入りました。力強い南からの暖気が寒気を押し上げる「春一番」が吹くのもまもなくでしょう。
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花浄土/鹿児島

鹿児島の花や風景、祭りなどを巡るブログです。