「日本辺境論」内田樹 新潮社 2009年
ウチダ先生は常に、<そんな風に考えた事がなかったけど確かにそうだよな>をたくさんくれる。
本書もそう。日本=辺境であるとしたうえで、だからこう考えるのは当然であるとか、だからこう考えないということをちょっとずつ確かに語る。【】内私の独白
・丸山真男の言葉を借りて、日本人は「きょろきょろ」するのがその特質であるのだから、それで良い。いや、良いと必ずしも言っていないのでそれはそうなのだということ。【子供の頃きょろきょろしちゃいけませんと叱られたけどそれで良かったのかな?】
・アメリカにはアメリカはこうであるというアイディアがあるが日本にはない。アメリカがおかしくなったら建国当時の精神の立ち戻ればいいけど、日本にはそもそも建国云々がなかったのだから、戻るべき初期設定がない【これには目からウロコ】
・日本はコンテンツよりマナーを重んじる【この箇所は大変面白かった。私自身が超日本人的だと自覚】
・武士道は努力と報酬の相関を行動の根拠にしない。それは学ぶ姿勢にも大事【何かいいことがあるからだから頑張るなどと下賤な考えを持たない。のは美しいと思う】
・日本人はこうであるという定型はない【ふむ。サムライでもないし、オタクでもないし、イチローでもないし・・・】
辺境に住んでいるからと言って、偏狭で偏狂であるとは限らないのだ。なんだ、このまとめかた。
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