50歳をすぎた聖子。知り合いの税理士事務所で週三日アルバイトいる。夫は小さな編集プロダクションを経営しているが、需要が減ってきたので、ペンネームで雑文を書いている。息子は大学院生。彼女がいそうにない。聖子のところにやって来た手紙。昔の知り合い佑太の息子穣さんからだった。佑太が亡くなったのだが、聖子と一緒に撮った写真があるのでそれを送りたいとのこと。佑太は聖子の初恋の人だった。そして穣と会うことにした… 聖子はNPOで経理の手伝いをすることになった。そこで出会った不思議な人、片瀬。なんでもできる人なのにホームレス。極端にまでお金にこだわらない人。穣や片瀬と触れ合っているうちに、聖子の人生がちょっと変わる… 60年前のエッセイとオーバーラップさせながら描く、聖子の内面。
おっと。これは意外なほど面白かった。たしか初めて読む作家。作家本人が雑誌「婦人公論」で連載していた時と聖子が同じ歳。自分の体験が反映されているのだろうか、いちいち、あちこち、表現がリアルだった。
確かに。
女子高時代からの友達からのメール。女性が生きにくい時代になっていると書いた上で、
はっはっは。北方謙三… 確かにそう言ってた。週刊プレイボーイだったか。
60年前のエッセイからの引用では、
正しくあるほうがいいのだろうけれど、なかなかそうはいかない。確かに。人間の業を肯定するのが落語だと言ったのは、立川談志だった。
こういう本を自分が面白いと思うというのもちょっと不思議。おばさん小説をおじさんが読む。まあ、いいではないか。え?おまえ、おばさん化してるって?
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今日の一曲
作者は中島。中島美嘉で"Will"
では、また。
おっと。これは意外なほど面白かった。たしか初めて読む作家。作家本人が雑誌「婦人公論」で連載していた時と聖子が同じ歳。自分の体験が反映されているのだろうか、いちいち、あちこち、表現がリアルだった。
何十年も経過すると、思い出というのはたしかに甘やかになるものだわね。
確かに。
女子高時代からの友達からのメール。女性が生きにくい時代になっていると書いた上で、
生活保護を申請しようとすれば、『生活保護を申請する前にソープへ行け』と言われたりするのよ。ねえ、『ソープへ行け』なんて、役所の窓口が言うことじゃないわよ。北方謙三が悩める若い男子に言うことだったわよ。
はっはっは。北方謙三… 確かにそう言ってた。週刊プレイボーイだったか。
60年前のエッセイからの引用では、
「もしも人間が正しいことを考え、正しいことを言い、正しいことのみを行動して、生きることができれば、それはもっとも幸福な状態に違いありません。理想国家の、理想家庭では、きっとそのようなことが可能となるでしょう。/しかし人間というものは、正しいことばかりして生きられるものではないようです」
正しくあるほうがいいのだろうけれど、なかなかそうはいかない。確かに。人間の業を肯定するのが落語だと言ったのは、立川談志だった。
こういう本を自分が面白いと思うというのもちょっと不思議。おばさん小説をおじさんが読む。まあ、いいではないか。え?おまえ、おばさん化してるって?

今日の一曲
作者は中島。中島美嘉で"Will"
では、また。