過去にはさんざエッセイで爆笑させてくれたけれど、久々に読むのは雑誌BAILAでの連載。だいぶしをん節は柔らかくなったかと思ったら、相変わらず。
宝塚に萌え、三代目J-Soul Brotherrに萌え、「ポーの一族」に萌え。慢性運動不足で、しょっちゅう風邪をひいている。というような日常を、巧妙な文体で綴る。
読んだ人と、あれどうよ?とか語りたくなる。
今日の一曲
Gary Clark Jr. で、"Don't Owe You A Thing"
では、また。
Gary Clark Jr. で、"Don't Owe You A Thing"
では、また。
食品会社広報、アイドル、都議会議員。夢の世界で繋がっており、向こうでロールプライングゲームのようなもので共同で、戦う、というような話。
ここ何年か伊坂作品とは気が合わなかったのだけれど、それらと比べるとだいぶ、読みやすくなった。 特に現実の世界で起きていることは面白く読んだ。
ただ、夢の世界で起きている方は、正直あまりよく分からなかった。
今日の一曲
日向坂46で、「ドレミソラシド」
では、また。
日向坂46で、「ドレミソラシド」
では、また。
離島に一人で暮らす元医師66歳。37年前に捨てた女性が突然やって来た。不治の病いに冒されているらしい。彼女は彼が昔連れて行くと約束した湖に連れて行けと言う。他人との関わりを極力避けてきた彼が、他人と関わるうちに・・・
他人の手紙を勝手に読むようなダメ人間が、段々と変わって行く。ダメ男の再生を静かな筆致で描く。なかなか良かった。
今日の一曲
米津玄師で、「馬と鹿」
では、また。
米津玄師で、「馬と鹿」
では、また。
老人ホームにいる父が不憫だと、自宅で介護しようとする息子。しかし本人の楽観的な見通しに反して、認知症の老人の介護は簡単なものではなく・・・
おー。リアリティがありすぎるホラーのような小説だった。
しかもこのような家庭が日本中にあるのだろうと思うと、何とも言えない気持ちになる。介護の現実を知りたい人必読。
おー。リアリティがありすぎるホラーのような小説だった。
しかもこのような家庭が日本中にあるのだろうと思うと、何とも言えない気持ちになる。介護の現実を知りたい人必読。
今日の一曲
The BossHossで、"Dos Bros"
では、また。
The BossHossで、"Dos Bros"
では、また。
ジョージア州捜査官のウィル・トレントは潜入捜査中に、警官夫婦が襲われる事件を目撃する。犯人は殺害されたが、なぜ警官夫婦を襲ったのか。被害者の妻レナ刑事は、麻薬密売人で妹を殺害しているシド・ウォラーを逮捕しようと躍起になっていた。苦労して、アジトを襲撃するとそこには・・・ 警官たち続けざまに襲われる。レナの上司のデニース・ブランソンは何かを隠してる・・・
相変わらずカリン・スローターは素晴らしい。
警察によるドラッグ密売のアジト急襲は失敗に終わったことはすぐに分かるのだが、詳細は描写されず、ウィルの潜入捜査や恋人サラとの関係の方面が描かれる。ブランソンがやっと明かす場面では鳥肌が立つくらいよくできてると思った。そこから捜査がグイッと進んでいくわけで、そのグルーヴ感があるとても心地良かった。
相変わらずカリン・スローターは素晴らしい。
警察によるドラッグ密売のアジト急襲は失敗に終わったことはすぐに分かるのだが、詳細は描写されず、ウィルの潜入捜査や恋人サラとの関係の方面が描かれる。ブランソンがやっと明かす場面では鳥肌が立つくらいよくできてると思った。そこから捜査がグイッと進んでいくわけで、そのグルーヴ感があるとても心地良かった。
今日の一曲
鈴木愛理で、"IDENTITY"
では、また。
鈴木愛理で、"IDENTITY"
では、また。
英国ブライトンに住む著者の息子。カトリック系の小学校に通っていた。市のランキングでトップの学校だった。そのまま中学校に進めるのに、息子が選んだのは、いじめもレイシズムもある「元底辺中学校」だった。息子が、著者が息子を通して見た、中学校生活とは・・・
おー、読み終わるのが嫌だ、もっと読んでいたいなんて思うのは何年ぶりだろう。ものすごく良い、ものすごく面白い、ものすごく考えさせてくれる本だった。
・カトリック系学校の方が移民が多く、地元中学はホワイト・トラッシュと呼ばれるような白人労働者階級の子供が多く、後者の方が荒れている。
・サッチャー以降、公営住宅はほとんど建てられていない。
・一つの街の中ですら、貧・富、移民OK・移民NGの分断が明らか。(日本のどこかの街でそんなことあるだろうか?)
・「エンパシー」というキーワード。シンパシーは同情。エンパシーは、他人の感情を理解する「能力」
BREEXITとか、英国の、あるいはヨーロッパの「移民OK」VS「移民NG」だったり、自分とは違う他者を「受け入れる」VS「受け入れない」ということを、すごく身近な所で感じさせ考えさせてくれる。
表紙は若者向けっぽいけれど、多分お子ちゃまが読んでも分からないことが多いだろう。今、大人が読むべき教科書だ。
今日の一曲
Buddy Guyで、"What Kind Of Woman Is This"
では、また。
日本推理作家協会賞短編部門受賞。駅前交番の狩野による、連作短編集。
祖父の蔵には厳重な鍵がかかると分かると、少女を拉致監禁した男。しかし外で鍵をなくしてしまった。仕方なく行った交番で話しているうちに・・・<鎖された赤>
高齢者を狙った結婚詐欺グループのメンバーのうち二人が金を持って逃げた。残されたメンバーは・・・<偽りの春>
泥棒に珍種の薔薇を盗ませる・・・<名前のない薔薇>
美大で同級生の夏希。お嬢様だがわがままで、美穂は殺意を抱く・・・<見知らぬ親友>
小説家が元交際相手の声優を殺した、ような・・・<サロメの遺言>
基本的にあまり短編は読まないのだけれど、これはすごく面白かった。推協の賞をとっただけのことはある。
最初は犯人の目線で描くのだけれど、何をしようとしてるのか少しずつ分かる。この按配がいい。途中から交番の「お巡りさん」が、絶妙なトークで犯人を追い詰めていく。その過程が絶妙に巧い。
最後の短編は一見単純な殺人事件に見えるけれど、複雑な裏があって、容疑者の父親は女性を殺した後、取り調べ中に自殺した。この過去との絡め方が尋常じゃない。
次作にも大いに期待する。
今日の一曲
Simply Redで、"If You Don't Know Me By Now"
では、また。
Simply Redで、"If You Don't Know Me By Now"
では、また。
和音(わおん)は高校生。チェロの練習は嫌になって10歳の時に辞めてしまった。父は世界的な指揮者でボストン交響楽団の音楽監督に就任することになった。母は元チェリストで、父とは離婚している。父はボストンで音楽の勉強をすればと言うけれど、和音にその気はない。すると突然父の再婚相手だという女性が家にやって来た!
何と言ったらいいのか。汚濁した心が洗われるような、癒されるような励まされるような、とてもポジティブな気分になった。
ネタバレしないで説明するのが難しいのだけれど、家に突然やってきた女性真弓が物語の鍵になる。どんな人なのかを説明するのもネタバレになってしまうので書かないけど、兎に角とってもいい話だった。いやものすごくいい話だった。ブラボー!
音楽小説の傑作だと言っていいし、少女の成長物語だと言ってもいい。
今日の一曲
ドラマ「偽装不倫」の主題歌。miletで、"us"
では、また。
ドラマ「偽装不倫」の主題歌。miletで、"us"
では、また。
オーストリア・ミステリー。クサヴァー・ザントは作家。生徒とのワークショップに招かれる。派遣先の担当教師はマティルダ・カミンスキーだった。実は二人は昔同棲していた。しかし16年前にクサヴァーは突然マティルダのもとを去っており、その事を彼女はかなり深く根に持っている。彼女のもとを去った後彼は金持ちと結婚して子供も生まれていた・・・
これはかなり面白かった。
二人のメールのやり取りに加え、二人の過去を回顧したり、二人の生い立ちや、彼らの親の人生などを縦横無尽に組み合わせて読者を翻弄する。
読んでいくと、一番の謎はマティルダが◯◯したのかということが分かる。この謎の解決の仕方がまた巧い。一級の恋愛小説としても読める。彼女の怨念みたいなモノが物語の中心にあるけれと゛そんなに単純な話じゃなかった。
これはかなり面白かった。
二人のメールのやり取りに加え、二人の過去を回顧したり、二人の生い立ちや、彼らの親の人生などを縦横無尽に組み合わせて読者を翻弄する。
読んでいくと、一番の謎はマティルダが◯◯したのかということが分かる。この謎の解決の仕方がまた巧い。一級の恋愛小説としても読める。彼女の怨念みたいなモノが物語の中心にあるけれと゛そんなに単純な話じゃなかった。
今日の一曲
Kan Sanoで、"My Girl"
では、また。
Kan Sanoで、"My Girl"
では、また。
宮部みゆき作品は大好きなはずなのだけれど、どうにも自分には合わなくて、短編三つ読んだ後で脱落。オチが今一つピンと来なかった。
今日の一曲
HAIMで、"Want You Back"
では、また。
HAIMで、"Want You Back"
では、また。
青山霜介は高校生の時に事故で父母を亡くし、大学生として淡々と暮らしていた。バイトで水墨画展の搬入をしていると、たまたま出会ったニコニコしたおじいさんと一緒に水墨画を見て回ることになった。求められるまま絵についてコメントをしていると、内弟子にしたいと言われる。実は彼は、篠田湖山という水墨画界でナンバーワンの実力者でテレビのCMにも出てる有名人でもある。内弟子になりたいと思ってもならない大物だった。何となく始めてみた水墨画の世界に段々とハマってゆく霜介・・・
水墨画の技法なんて初めて読んだ。とっても面白かった。
文章だけで絵を表現するのは大変難しいはずだけれど、鮮やかに目の前に絵が浮かんでくる。こんなにも読みながら画像を想像させてくれる作品を読んだことはなかった。
湖山の孫でもあり、霜介の先生でもある超美人の千瑛や、門下生たちのキャラ、そして何より湖山のキャラがいい。 瑞々しい文章もいい。
デビュー作のようだけれど、次作も楽しみだ。
水墨画の技法なんて初めて読んだ。とっても面白かった。
文章だけで絵を表現するのは大変難しいはずだけれど、鮮やかに目の前に絵が浮かんでくる。こんなにも読みながら画像を想像させてくれる作品を読んだことはなかった。
湖山の孫でもあり、霜介の先生でもある超美人の千瑛や、門下生たちのキャラ、そして何より湖山のキャラがいい。 瑞々しい文章もいい。
デビュー作のようだけれど、次作も楽しみだ。
今日の一曲
Lisa StansfieldとBarry Whiteで、"All Around the World"
では、また。
Lisa StansfieldとBarry Whiteで、"All Around the World"
では、また。
篤子は、最近夫と気が合わないと思う事が多くなって来た。娘が結婚することになったが、金持ちの先方は600万もかかる式をやると言い、費用は折半だと言う。さらに舅が死んだ。夫の妹に、費用はこっち持ちだと主張された。夫は全て了承してしまい、結局貯金のほとんどを遣ってしまった。そんなお金がないことで頭がいっぱいの篤子に、幸福は訪れるのか。
なかなか面白かった。
自分本位のように見える夫の妹や娘の結婚相手のことを読むとウンザリする部分はあるのだけれど、後半思わぬ展開になり、溜飲を下げる。
お金に関して、具体的な老後の心配事について教えてくれる情報小説的な側面もあるけれど、それ以上に、篤子の内面の揺れや、夫その他の人物造形、そして何より後半の展開の仕方が良かった。
なかなか面白かった。
自分本位のように見える夫の妹や娘の結婚相手のことを読むとウンザリする部分はあるのだけれど、後半思わぬ展開になり、溜飲を下げる。
お金に関して、具体的な老後の心配事について教えてくれる情報小説的な側面もあるけれど、それ以上に、篤子の内面の揺れや、夫その他の人物造形、そして何より後半の展開の仕方が良かった。
今日の一曲
サカナクションで、「多分、風。」
では、また。
サカナクションで、「多分、風。」
では、また。