ジュディ・デンチ演じる教師が実に上手く、かつ恐ろしい。ホラーでもなくミステリでもない映画ではあるが、ホラー&ミステリ的側面は充分にあると思う。自分のことを振り向いてもらうためにとる手段、毎日書く日記(= 覚え書き)がなんとも言えない恐怖を観る人に与える。原題はNotes On A Scandalなのでそのまま和訳した感じ。
「ベスト・アメリカン・ミステリ クラック・コカイン・ダイエット」スコット・トゥロー&オットー・ペンズラー編 早川書房 2007年 1900円
"THE BEST AMERICAN MYSTERY STORIES 2006" Edited and with an Introduction by SCOTT TUROW, OTTO PENZLER (Series Editor)
ようは、面白かったぜ。と、うーん。びみょう。という感想が交互にやって来る感じ。しかし、短編としての完成度はどの作品も高い。テイストとしての好みの問題が一つ大きいように思う。個人的に短編に求めてしまうのは、ラストの強烈なオチだ。現代的な作品なら、ジェフリー・ディーバーの「クリスマス・プレゼント」や、短編集としてはヘミングウェーのものと並ぶ傑作だと思う、ジェフリー・アーチャーの"A Quiver Full of Arrows" 「十二本の毒矢」 この辺りの短編集が「完璧」な短編集だと思い、ついそれと較べてしまうので、なかなかそれを超える短編集には出会えない。つまり、どうせ出会えないのだからという理由で短編集はめったに読まないのだ。まあ短編と言えるか不明だが、夢野久作の「氷の涯」もがつんと来た。