頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

政権交代ってなんずら?

2009-08-31 | days

「セイ!セイ!セイ!」

「こら!おまえはなんだ!やる気あるのか!」

「師範!私のどこがおかしいのですか?」

「お前のその突きは出すぎだ!そんなに前へ出てくるな!」

「・・・・・・」

「もっと拳を後ろへ!出るな出るな!後ろへ後ろへ!」

「あ、もしかして、正拳後退ですか・・・」

「・・・・・・」





「なんだっぺか政権交代という台風がやってきだんだっでさ。

自民党さんぢゃなぐで民主党さんがおらだちの年貢を絞り取るらしいっぺさ」

「なになに?それはどおゆうごど?わがんねえよ?」

「あああそれはね、

山口組がおらだちのシマしきっでだだろ?

あれが、住吉連合にがわるっでのとおんなじごどだよ」

「ああわがっだ!よーぐわがっだ!

年貢取りにやっでぐるやづはがわるんだけんども、ほがはなーんもがわんねってごどだろ?」

「んだんだ」






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無題

2009-08-30 | days




彼らは何を語っているのだろうか



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カラマーゾフの兄弟より

2009-08-29 | books



わたしはいつも、人さまの前に出るたびに、俺はだれより下劣なんだ、みんなが俺を道化と思いこんでるんだ、という気がするもんですから、そこでつい「それならいっそ、本当に道化を演じてやれ!お前らの意見など屁でもねえや、お前らなんぞ一人残らず俺より下劣なんだからな!」と思ってしまうんです。(フョードル、101ページ)



その人はこう言うんです。自分は人類を愛しているけど、われながら自分に呆れている。それというのも、人類全体を愛するようになればなるほど、個々の人間、つまりはひとりひとりの個人に対する愛情が薄れてゆくからだ。空想の中ではよく人類の奉仕という情熱的な計画までたてるのに、相手がだれであれ一つ部屋に二日と暮らすことができない。だれかが近くにきただけで、その人の個性がわたしの自尊心を圧迫し、わたしの自由を束縛してしまうのだ。その代わりいつも、個々の人を憎めば憎むほど、人類全体に対するわたしの愛はますます熱烈になってゆくのだ。とその人は言うんですな」(ゾシマ長老、136ページ)





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金子光晴 「反対」

2009-08-28 | days

僕は少年の頃
学校に反対だった
僕は、いままた
働くことに反対だ。

僕は第一、健康とか
正義とかが大きらひなのだ。
健康で正しいほど
人間を無情にするものはない。

むろん、やまと魂は反対だ。
義理人情もへどが出る。
いつの政府にも反対であり、
文壇画壇にも尻を向けている。

何しに生まれてきたと問はれれば、
躊躇なく答えよう。反対しにと。
僕は東にいるときは、
西にゆきたいと思ひ、
きものは左前、靴は右左、
袴はうしろ前、馬には尻をむいて乗る。
人のいやがるものこそ、僕の好物。
とりわけ嫌ひは、気の揃むといふことだ。

僕は信じる。反対こそ、人生で
唯一立派なことだと。
反対こそ、生きてることだ。
反対こそ、じぶんをつかむことだ。





神田外語大学青沼智教授の近況・雑感より引用

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選挙カーはいかが

2009-08-27 | days

選挙カーが巷を闊歩している。

候補者の名前を連呼している。

これはいかがなものか。

名前を何度も聞かされ、名前を覚えさせられたことが、投票所でその人の名前を書く行動と結びつくと思っているのはいかがなものか。

先日車の運転をしていたら、名前連呼雑音カーとすれ違った。窓から手を振っている。当然候補者がそこにいると思っていたら、全くの別人だった。別人が手を振っているというのはいかがなものか。

選挙の季節は田舎の夏に似ている。

耳に入る無意味な連呼音は、セミの鳴き声のようだから。




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マンガ『レベルE』富樫義博

2009-08-26 | books

敬愛するSさんから貸して貰った。

宇宙人の王子が地球にやって来て、巻き起こすコメディだと一応言えるだろうが、かなりシニカルでひねりが効いており、爆笑と言うより、苦笑いかもしくはうーんとうなる感じ。最近マンガを全く読んでいなかったのだがこれは実に面白い。

かねてから<少年ジャンプ=小学生のため、小学生でも分かる><ヤングマガジン=高校生><ビッグコミック=大人>なのだからいい歳して少年ジャンプ<しか>読まないのはダメだと言っていた。しかしこのレベルEのような作品が連載されていたのを知ったので、前言撤回しないといけないらしい。

少年ジャンプ恐るべし。

宇宙人という第三者から見た地球人の説明なんて実に巧い。小学生には分からないと思うんだけど。こんなときにガキに

おまえにはワカランのだあー!がっはっは!と笑う私は嫌な奴だ。







レベルE (Vol.1) (ジャンプ・コミックス)
冨樫 義博
集英社

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レベルE (Vol.2) (ジャンプ・コミックス)
冨樫 義博
集英社

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レベルE (vol.3) (ジャンプ・コミックス)
冨樫 義博
集英社

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これは食えない

2009-08-25 | days

こんなものを頂いた。

でも食えない。

こういうのは食えない。

そういうことを言っているから

こういうモノを貰うらしい。

リアルまんじゅうこわい、の法則なのか。



















スヌーピーパン


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『罪深き海辺』大沢在昌

2009-08-24 | books

「罪深き海辺」大沢在昌 毎日新聞社 2009年(初出サンデー毎日に加筆修正)

ある海辺に突然やって来た男。元アメフト選手で元プロレスラー。アメリカから帰国した。その海辺に血縁など因縁があるようだ。マリーナをつくった開発業者や地元ヤクザたち。どうやら男の祖母にあたる人がその街で殺されたがまだ犯人は捕まっていないらしい・・・・・・

途中で捨てた。大沢在昌は大好きな作家。なので楽しみにしてたのに、展開が漏ったりしている。いやモッタリしている。小出しにしている伏線から想像できる顛末がいかにも面白くなさそうに思える。キャラ立ては悪くないのに、ストーリーの進まな加減と特に含蓄のない台詞が続くと、読んでいて時間の無断に<感じられる>。もちろん読む価値のない本なんて存在しないが、本を読むという行為も少なくとも時間という費用を使うのだから費用対効果は考えるし、他の行為もできるのにやらないという意味では機会コストがかかっているしね。

本当に時間の無駄であるかは重要でなく、時間の無駄のように<感じられる>かそうでないかが重要のようである。

それはイケメンかブサイクかなんて絶対的な価値はないわけで相対的にしか価値判断はできないわけだけど、イケメンのように○○さんには<見える>ということが肝腎なわけよ。分かる?分かんない?あの人はいい人に<見える>ことですよ。<いい人である>ことじゃないんですよ。しかしなんでこんなことに力入れて言っちゃってんでしょうね。






罪深き海辺
大沢 在昌
毎日新聞社

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私の背後には誰かがいます

2009-08-23 | laugh or let me die

久しぶりに、背広を買いに高級紳士服店に行った。店内を見て回って、これにしようかなと試着することにした。試着室で背広を着て鏡にうつる自分の姿を見ようとしたら、背後に誰かがいた。

のりピーの夫だった。あの自称プロサーファーの夫が。自称プロサーファーってなんやねん?彼に訊いた。すると彼は言った。









(つづく・・・)











(いや、つづかない)









私の質問を無視して、彼はぶつぶつとつぶやいた。




あんたの背広












高そう



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カビている

2009-08-22 | days

なんとなく我が下駄箱を開けてみた。もちろん下駄箱だから下駄で一杯である。業界的には、ターゲーがパイイツである。業界的にはルーフーチンのマーターアーのインはリョウモウーミーチーである。

元子、いや、もとい、

ブーツがカビていた。ツーブーがビーカーしやがってた。長く吐いていなかったとは言え。ローゲーローゲー。長く履いていなかったとは言え。ここまで盛大にカビていると、むしろキノコが生えるまで待った方がいいのかも知れない。

ので、

そのままそっと元に戻した。下駄箱に。コーバーターゲーに。




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『目線』天野節子『絶望ノート』歌野 晶午

2009-08-21 | books

「目線」天野節子 幻冬舎 2009年(書き下ろし)

金持ちの男が自宅で死ぬ。その時間に屋敷にいた息子や娘たち、義理の子供や孫、シェフたち。殺人なのか自殺なのか・・・・・・

読んでいてちっとも気持ちが入らなかった。ので、111ページで捨てた(=読むのをやめた)



「絶望ノート」歌野晶午 幻冬舎 2009年(書き下ろし)

いじめられている中学生男子の日記。紙面から彼の呪詛が伝わってくる。

17ページ読んだだけで捨てた。読む気が完全に消滅した。彼の呪詛を読むのはつらい。しかし先に何か意外な展開や面白いモノがあると期待できるのなら我慢して読む。でも作者は私に<この人の書くものなら、後で面白くならないわけがない>と思わせてはいない。過去の作品で。それだけの信頼を勝ち得ていないので捨てた。

信用とか信頼が大切であるというのは実に手垢にまみれたclichéであるが、意外なほど色々な場面に適用できたりするようである。

また他の出版社と比較すると傑作が多く、駄作率が極めて低い幻冬舎であったが、この2作品+他の作品を見ていると言いたくなる。

幻冬舎よ、お前もか!







目線
天野 節子
幻冬舎

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絶望ノート
歌野 晶午
幻冬舎

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『螻蛄』黒川博行

2009-08-20 | books

「螻蛄(けら)」黒川博行 新潮社 2009年(初出小説新潮2007年7月~2008年8月)

黒川博行の最高のシリーズ「疫病神」が帰ってきた。喧嘩に強くて金にうるさいヤクザ桑原と建設コンサルタントでヘタレの二宮。この凸凹コンビが今回挑むのは仏教寺院。信者が600万人いる伝法宗慧教派の宝、宗祖懐海を描いた懐海聖人絵伝に絡んで、この絵伝をパクるか、絵伝を元に金にするか、関西、東京、名古屋と場所を変え、暴力団、警察、画商と入り乱れ、収拾のつかなくなったバトルロイヤルの行方は?

生臭坊主などと言うが、宗教と金は表裏一体とでも言うべきか。500ページを越え、持っているとやや重いが、文体が読みやすいので軽く感じる。

「螻蛄」とは「けら」と読む。とんぼだって、おけらだって、のおけらのことだそうだ。知らなかった。


黒川博行『悪果』悪漢警察小説の新スタンダード
学校に絡んだ『煙霞』








螻蛄
黒川 博行
新潮社

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彼女とホテルに泊まったら

2009-08-19 | days

男だったので驚いた。いやその場合彼女とではなくてだろうが。しかしさー、彼氏さんてどうなの?がついてるのにさらにさんがついてるんだよ。源氏さんとか平家さんみたいで変でしょ?ミスター高橋さんみたいでしょ?エディンバラ公さんみたいでしょ?

などと思う夏。みなさんいかがお過ごしでしょうか。私はいたって普通です。

先日某ホテルに彼女と泊まったんですよ。すると、













なんとトイレが斜めについてるのです。なぜ?なぜ?なぜなぜなぜ?





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『静かなる天使の叫び』R・J・エロリー

2009-08-18 | books

「静かなる天使の叫び」(上下)R・J・エロリー 集英社 2009年
A QUIET BELIEF IN ANGELS, R.J. Ellory 2007

英国人が米国の話を書く。時代は1940年代。舞台はジョージア。少年ジョゼフの周囲で少女が連続して殺害される。動転する人たち。ストーリーは①この連続殺人事件の解決 ②不幸すぎる主人公の以後を中心に回ってゆく。

ラストのさらに後のエピローグを読み終わってから何とも言えない読後感に襲われた。どんでん返されたと言っても良いのだが、それまでの伏線からして当然の結末と言えないこともない。当然の結末というのは、演繹的なシークエンスの流れはその結末に落ち着くように思えるからだ。帰納的に結末から冒頭部分を帰結することが出来ない。何を言っているか分からないかも知れないが、大丈夫。私も分からないから。このレビューを読んでも、大丈夫。いつものようにどんな話だか書かないから。

ジャンル分けを拒絶するような小説にたまに出会うことがある、私が読むのだから傑作に決まっている。そりゃそうだ。いやそうではない。そのような小説はあまり読まないので評判が良いモノ、良さそうなモノしか読まないから傑作の可能性が初めから高いのだ。ある特定分野の小説は出れば読むのだが(現在はそのようなことはしていないけど)そういう読み方をしていれば駄作に出会う可能性も高い。

この作品の感想をぐだぐだ述べるより、どんなジャンルだか語る方が意味があるかも知れない。よく言われるようにサイコスリラーであることを否定はしないが、サイコスリラーは通常、サイコキラーに追われる側からか、あるいはキラーを追う側(警察か精神科医)から描いて鬼気迫るものだと思う。そういう意味では純粋サイコスリラーではないと思う。

解説で三橋さんが、サスペンスや謎解きの要素もあり、リーガル・フィクションを思わせる展開もあり、年代記としての面白もあり、犯罪を主題とした文学とも捕えることができると書いておられる(364頁)

私は純文学と呼んでおく。ある一人の男の不幸・不幸・不幸・幸福・不幸・幸福・・・な人生を描く文学。主人公がジョージアを発ってから後、まさかそうなるのかと人生の流転を疑似体験する文学である。自分が本当にそんな人生を体験したくないからこそ、このような話はフィクションとして偽の体験をしとくのが一番なのである。









静かなる天使の叫び〈上〉 (集英社文庫)
R.J. エロリー
集英社

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静かなる天使の叫び〈下〉 (集英社文庫)
R.J. エロリー
集英社

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20年ぶりに食うフルーツパフェ

2009-08-17 | laugh or let me die



ずっと食べられなかったものに、フルーツパフェがある。

祖父の遺言によって、禁じられていたのだ。チョコパフェはいいのに、プリンパはいいのに。

祖父の死後20年が経過した。

祖父の戦時中の違法行為が明るみに出て、祖父の生前の行為、意思は全てなかったことにする旨、ファミリーのドンがコルシカ島から各人に通達した。

それで、やっとフルーツパフェが食べられるようになったのだ。

久しぶりに食って旨かったとただそれだけ書けばいいのに、どうして余計は前振りをするかと言えば、それも祖父の遺言にあった・・・





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