「ジョーカー・ゲーム」、「ダブル・ジョーカー」を楽しませてくれた柳広司の新作は「ロマンス」
読み進める楽しみとどんでん返しがある作家なのでそれを期待して読んだのだが、出てくるのは浮世離れした男爵と伯爵の息子。最近の女子を惹きつけるマンガだかアニメのようなイケメンが浮遊する物語チックで、ちょっと私には…と思いながら読んでいた。
ネタとしては殺人事件の謎を解くというのものなのだが、ここ数年本格ミステリ的な小説を体が受け付けなくなっていて、そっち方面からの興味も感じなくなってしまった。ので途中離脱した。
まあタイトルが「ロマンス」だし。表紙もあれだし。
以前には密室モノ、アリバイ崩しなど本格ミステリに耽溺していた時期があったのに、どうして今は興味がなくなってしまったのか。サイコ・スリラーをおかずにご飯を食べていた時期があったのに、読む気が今はないのはなぜだろうか。
このまま行くと、音楽は演歌。スポーツはゲートボール。テレビは黄門しか愛せないジジイになってゆくのだろうか。
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