頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

映画「トップガン マーヴェリック」

2022-05-31 | film, drama and TV
初めて池袋のグランシネマサンシャインにて鑑賞。日本で、最も大きいIMAX レーザー GTは本当にデカい。高さがビル5階分。

マーヴェリック(トム・クルーズ)はいまだに現役パイロット。亡国で核開発施設が完成直前のため、戦闘機で撃破するチームの教育を命じられた・・・

初っ端からグンと掴まれ、そのままエンディングまで一気に加速。いや〜IMAX レーザー GTで観て良かった!プラス700円の価値十分にあり。

画面の大きさと音の迫力のせいで、物凄く没入して観られる。戦闘機のシーンは手に汗握ってしまった。何も考えなくていい、古き良きハリウッド映画を久しぶりに観た。

これからも迫力系の映画を観るなら池袋まで来たいものだ。


今日の一曲

前作の主題歌。Kenny Logginsで、"Danger Zone"


では、また。


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『アリスが語らないことは』ピーター・スワンソン

2022-05-29 | books
継母アリスと暮らす父ビルが死んだと知らせがあり駆けつけたハリー。ビルの死には不審な点がある。そしてアリスに対して感じる違和感。交互に現在と過去が描かれる。アリス、14歳の時、母イーディスは金持ちの男ジェイクと再婚するが酒浸りの日々。そして・・・

ストレートに面白かった。

アリスの過去が段々と分かってくると背筋がゾクゾクしてくる。こうなるだろうと先を予測しながら読んでしまうが、それを遥かに越えた所に着地する。素晴らしい。

※下にネタバレあり
 

※以下ネタバレ

酒浸りの母が吐瀉物で窒息するのを見ていたアリス→ジェイクと関係を持つ→親友ジーナに非難されたので、海で溺れたのを救わない。

ジェイクも最初からアリスを狙って母イーディスに近づいた。イーディスの酒に薬を入れた。しかしアリスに振られてから、フロリダでロリコンがばれてクビになる。

アリスはハリーの父ビルに出逢い、再婚。ジェイクに頼んで、ビルの書店に勤めて貰ってビルのことをスパイしてもらう。ビルが若い女性グレイスと関係を持ってることをジェイクが、知り、殺した。

アリスはビルに惚れたのではなく、息子のハリーを狙っていた。

最後はジーナの母親に重りを付けられて、アリスは船に沈められる。


今日の一曲

KUWATA BANDで、"BAN BAN BAN"



では、また。



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店名にツッコんでください288

2022-05-27 | laugh or let me die
店名にツッコんでください288
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『慟哭は聴こえない デフ・ヴォイス』丸山正樹

2022-05-25 | books
手話通訳士「デフ・ヴォイスシリーズ」第3作の短編集。ろう者と産婦人科に付き添う話、甥がろう者で進路に悩む話、ろう者のモデルの話、身元不明の遺体がどうやらろう者らしいという話、聴覚障害者に対して会社で配慮されない話など。

どれもすごく面白かった。特に第一話のラストは切ないというかなんというか・・・

 

今日の一曲

Official髭男dismで、「ミックスナッツ」


では、また。

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『人でなしの櫻』遠田潤子

2022-05-23 | books
日本画家の清秀、母は自殺した。絶縁してた天才料理人の父親が死んだ。そこでは8歳の時に拉致監禁され11年過ごした蓮子がいた。蓮子に惹かれる清秀。

遠田潤子の想像と妄想についてゆけなくなってしまった。

性的にアブノーマルな人はこういう思考回路なのかも知れないとか、日本画の技法については興味深く読んだ。しかし、ストーリーは全く面白くなかった。正直、読む時間の無駄だった。

 

今日の一曲

ペトロールズで、「インサイダー」



では、また。



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『グミ・チョコレート・パイン パイン編』大槻ケンヂ

2022-05-21 | books
三部作のラスト。ネタバレを避ける。

美甘子は、物語上すごく面白く生きている。

賢三を中心にする、バカ高校生たちの物語。

まあまあ面白く読んだ。賢三たちのパートはもっと面白くできたんじゃないんーの?(仁義なき戦いの、山守組会長、金子信雄演じるところ)

 
今日の一曲

U2で、"Walk On Ukraine"


では、また。

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『オオルリ流星群』伊予原新

2022-05-19 | books
秦野市、文化祭で協力した高校の同級生の28年後。親の跡を継いで薬局経営する久志は幸福な気分になれない。中学教師は千佳、仕事の情熱が湧いてこない。修は仕事を辞めて、司法試験にチャレンジ。和也は引きこもり。恵介は死んだ。国立天文台に努めていた彗子が地元に戻ってきた。天文台を作りたいと言う・・・

良かった。天文のことはさっぱり分からないけど問題なし。

それぞれの登場人物の鬱屈とした内面に共感してしまう。いわゆるミッドライフ・クライシスを迎えた者たちが、彗子の夢に乗っかる。そのスムーズな流れやラストも良かった。

 

今日の一曲

Avishai Cohen Trioで、"Remembering"



では、また。


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『空にピース』藤岡陽子

2022-05-17 | books
澤木ひかり先生26歳、都内の貧困地域の小学校に転任してきた。授業中集中できない子、日本語に不自由な子、虐待されてる子。周囲の先生は頑張らない。孤軍奮闘の結果は?

スゴイ。スゴ過ぎる。

私自身、都内貧困地域出身で、他人事ではない。

先が読めないストーリー、現代の日本を抉る問題提起。こんな小説と同時代に生きてるのは悪くない。

 

今日の一曲

METAFIVEで、"Full Metallisch"



では、また。



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『雌伏三十年』マキタスポーツ

2022-05-15 | books
マキタスポーツの自伝的小説。山梨から上京し、カラオケやライブハウスで働きながら、いつもどこかで不満を抱える。バンドを結成し、芸能界に足を踏み入れるが・・・

面白いわけじゃないのになぜか読み進んでしまう。

80年代から90年代にかけてのハチャメチャな生き方は、なぜか清々しい。

ポッドキャストの「東京ポッド許可局」でのやや好好爺と化したマキタスポーツとはだいぶイメージが違うキャラだった。

 

今日の一曲

Lady Gagaで、"Hold My Hand"



映画「トップガンマーヴェリック」の主題歌。映画観に行くべきか?「シン・ウルトラマン」は面白いのか?では、また。



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店名にツッコんでください287

2022-05-13 | laugh or let me die
店名にツッコんでください287
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『翼の翼』朝比奈あすか

2022-05-11 | books
小2の息子翼が模試を受けると好成績で、中学受験の塾に行かせることにした母有泉円佳。水泳との両立に苦労したり、成績別のシビアなクラス分けに一喜一憂したり。母親目線で描く中学受験。

大変面白かった。

首都圏で中学受験、特に難関校を受ける子の親としては多分平均的な過ごし方なのではないだろうか。つきっきりで勉強教えたり、教えなくても、勉強時間のコントロールしたりと。少子化で一人の子供にかけられる時間やエネルギーは増しているのだろうと想像する。

中学受験に限らず、ある程度普遍的な人間のあり方だと思う。ちょっとしたことに一喜一憂するのもそうだし、自分の知ってる狭い世界が世界の全てだと思ってることも。そういう意味でもいい小説だった。

 

今日の一曲

レキシで、「鬼の副長HIZIKATA feat. ぼく、獄門くん」



では、また。



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『フルスロットル トラブル・イン・マインド』ジェフリー・ディーヴァー

2022-05-09 | books
キャサリン・ダンス、リンカーン・ライムというディーヴァーの御馴染みのキャラの短編と独立した短編からなる。

どれもかなり面白かった。ラストで強烈なひねりがある。

金持ちの老婦人を騙そうとする「ゲーム」と売れなくなくなった俳優がポーカー番組に出演する「バンプ」の二つが特に良かった。

 
今日の一曲

VULFPECKで、"Dean Town"



では、また。


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『刑事ヴィスティング 悪意』ヨルン・リーエル・ホルスト

2022-05-07 | books
二人の女性を惨殺し刑務所にいる男トム・ケルが、三人目の被害者を埋めた場所を教えるとのことで、厳戒態勢でケルを現場に連れて行った。すると爆発が起こりケルは逃亡した。共犯者がいたのだろうか。

物凄く面白かった。

無駄のない冒頭からグッと引き込まれる。ケルを逃したのは果たしてヴィスティングの責任なのかという話や、先の読めない展開、全てが良かった。

 
今日の一曲

ジャズっぽいアレンジがカッコいい。Michael Jacksonの"Thriller"のカバー。Dirty Loops & Cory Wongで。



では、また。
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『古本食堂』原田ひ香

2022-05-05 | books
神保町で古本屋を営む兄鷹島滋郎が亡くなった。北海道に住む妹珊瑚はあとを継ぐべきなのか悩みながら上京。滋郎を大叔父とするのが東京の女子大の国文科に在籍する美希喜。大叔母の手伝いをすることになった。神保町界隈の美味しい食べ物、本の蘊蓄、そして人情溢れる小説。

いやいや、凄く好みだった。

何度か食べたことのあるボンディのカレー。また食べたくなる。本多勝一から丸谷才一に本居宣長まで、幅広い本のセレクションとそこから得られる抜群の教訓。小6の時、担任がこの本多勝一の本のエスキモーの話をしてくれたことを思い出した。

そして、恋やら恋みたいなものやら仕事やら料理やら本が禁止される世界やら色んな面白いことがギッシリ詰め込まれている。面白かった!

 

今日の一曲

Al Di Meolaで、"Yesterday"


では、また。

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『ついでにジェントルメン』柚木麻子

2022-05-03 | books
短編集。7本中4本面白かった。

文藝春秋のサロンにいたら、作家に菊池寛の銅像が話しかけてくる「Come Come Kan」

女をものにするためよく利用している創作寿司屋に、場違いな女の客がやって来た「エルゴと不倫鮨」

離婚してシングルマザーとして暮らしていたら、義父がやって来て一緒に暮らしたいと言う「立ってる者は舅でも使え」

大人になってから「アルプスの少女ハイジ」や「若草物語」にハマり、そこから学習した女性「あしみじおじさん」

戦前同潤会の大塚のアパートで暮らす女性たち「アパート一階はカフェ」

短編はラストに意外なひねりがあったりするけど、どちらかと言えば設定やプロセスを楽しむタイプだと思う。

 

今日の一曲

Cannonsで、"Purple Sun"



では、また。


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