頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『姉妹殺し』ベルナール・ミリエ

2022-06-30 | books
1993年美人姉妹の女子大生が惨殺された。ラングという作家の書く作品内と似た設定で殺されており、姉妹とラングの交流があったと分かる。ラングが殺したのか・・・25年後、ラングの妻が殺される。毒蛇にかまれて。

面白かった!分厚くても全然飽きない。謎が解かれる快感をストレートに味わえた。シリーズものだけれど、これだけいきなり読んでも大丈夫。

 

今日の一曲

山下達郎で、"LOVE'S ON FIRE"



今年のツアー申し込んだのだけど、抽選当たるだろうか?では、また。



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『競争の番人』新川帆立

2022-06-28 | books
公正取引委員会の白熊楓と、東大、ハーヴァード出の小勝負が挑むのはホテルのウエディング料金のカルテル。ホテルの経営者が刺されたりして物騒になってきた。

いわゆるデコボココンビによる、軽く読める、けど公取委という珍しいネタを扱っているミステリー。ホテル側がそこまでやるかというややこしい話で、つまらなくはないが、すごく面白いというほどでもなかった。7月からスタートのドラマはどうなのだろうか。

 

今日の一曲

この間。ラジオから流れてきたのは、彼のデビュー曲だったのか、知らなかった。昨年末ぐらい、あるいは今年の春先からの気分に合っている。徳永英明でレイニーブルー」



では、また。


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『死亡告示 トラブル・イン・マインドII』ジェフリー・ディーヴァー

2022-06-26 | books
短編集、実態のないエネルギーが人間に影響を与えると信じる男の話、死んだ父親の真の姿を知る話、夫婦の連続心中事件の謎を解く話など。

悪くはないのだが、前作「フル・スロットル」の方が面白かった。

 

今日の一曲

Rainbowで、"All Night Long"


では、また。



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店名にツッコんでください290

2022-06-24 | laugh or let me die
店名にツッコんでください290
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『博士の長靴』瀧羽麻子

2022-06-22 | books
気象学オタクである教授の結婚、勉強の苦手な息子など、1958年から2022年まで四代に渡る家族を描写する連作短編集。

すごく面白い章とまあまあの章が混在。一貫したテーマは特にないようで、「長期間家族小説」が特徴。

 

今日の一曲

Jack Whiteで、"If I Die Tomorrow"



では、また。


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『宙ごはん』町田そのこ

2022-06-20 | 『父島旅行記』
宙は産みの母親(花野)と離れ、叔母一家と暮らしていた。しかし叔母達がシンガポールに引っ越す時、花野と暮らすように言われた。大きなボロ屋敷で一人暮らしの花野は有名な画家だが、料理は作らず、娘のことを顧みることがない。しかし花野の後輩男性のやっちゃんが宙を助け、料理も作ってくれる。宙の成長、産みと育ての母の葛藤、恋・・・

いや〜素晴らしかった。ティーン向けかと侮っていたら、意外なほど重厚で先の読めない小説だった。

人を恨むことや、ネガティブな部分とポジティブな部分それぞれに上手にスポットライトをあてる、そんな感じ。

 

今日の一曲

Creamで、"Toad"


では、また。

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『ロスト・アイデンティティ』クラム・ラーマン

2022-06-18 | books
ジェイは、パキスタン系でロンドンでドラッグの売人をしている。イスラム教徒とキリスト教徒の対立に巻き込まれ、金を失いドラッグの総元締に迫られる。すると、MI5からリクルートされ、テロ組織に潜入するよう言われる。

なかなか面白かった。作者自身がパキスタン系で、これがリアルロンドンの人種、宗教対立なのかと、ヒリヒリしながら読んだ。あっと驚く展開も良かった。特になぜジェイが選ばれたのかが分かったときが。

 

今日の一曲

The Whoで、"Baba O'Riley"



では、また。




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『無月の譜』松浦寿輝

2022-06-16 | books
将棋の奨励会に入れたが、プロにはなれなかった小磯。戦争で亡くなった祖父の弟が駒作りをしていたと聞き、作品を探しに行く。

将棋蘊蓄、駒蘊蓄に溢れ、分厚い割にスラスラ読める。純文学とエンタメの中間のように感じた。

 

今日の一曲

ペトロールズで、「よなかのすうがく」



では、また。



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『アルツ村』南杏子

2022-06-14 | books
札幌、DV夫から娘と逃げてきた明日香。車を走らせ事故に、そしてたどり着いたのは、アルツ村。認知症患者ばかりが住む村だった。村から逃げようとするが・・・

うーん。認知症の人たちがどのようになるかは食傷気味。ラストで驚きはあるものの、なんというかテクニックに走っている感じが好みとはちと違う。

 

今日の一曲

電気グルーヴ×スチャダラパーで、「聖☆おじさん」



では、また。


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『7.5グラムの奇跡』砥上裕將

2022-06-12 | books
野宮は北見眼科医院の新人機能訓練士。不器用で仕事で苦労するが、真面目に患者に向かい合う日々を描く連作短編集。

緑内障は治ることはない、目薬を毎日さすことで進行を抑えるしかないとか、コンタクトレンズの怖さとか日常的な知恵を教えてくれる+成長物語。

こういう眼科なら、ぜひ行きたいと思った。

 

今日の一曲

BLUE NOTE TOKYO Live Streamingより、"NAO YOSHIOKA Tokyo Funk Sessions 2022"


では、また。

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店名にツッコんでください289

2022-06-10 | laugh or let me die
店名にツッコんでください289
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『地面師たち』新庄耕

2022-06-08 | books
不動産の所有者になりすまし、買主から金を騙し取る詐欺グループの話。2017年に積水ハウスが騙された事件を思い出す。詐欺グループのキャラが立っていて、詐欺のプロセスも面白かった。中学生のときにわくわくしながら読んだ高木彬光の「白昼の死角」を思い出した。

 


 
今日の一曲

Samm Henshawで、"Joy"



では、また。


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『石の繭 警視庁殺人分析犯』麻見和史

2022-06-06 | books
亡くなった刑事の娘が捜査一課の刑事になった。廃屋にモルタル漬けになった遺体が連続して発見される。そして犯人から警察に電話がかかってきた。犯人の目的は?

もうすぐ改装されるというタイミングで、三省堂書店の神保町本店に行ったら、宮部みゆきさんのオススメ本として展示されてた。全く知らなかった。

読みやすいし、面白い。刑事のキャラも立っていて、それも読みやすさに繋がってると思う。

犯人の人物像、動機、殺害法、すべて頷けた。

 

今日の一曲

羊文学で、「あいまいでいいよ」



では、また。


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『剣持麗子のワンナイト推理』新川帆立

2022-06-04 | books
家の立ち退きを迫った後、不動産屋が殺される事件や、「お月様のいるところに行きたい」という老婆が出てきたり、弁護士剣持麗子は忙しい。

前作とは全然違うし、ドラマ「元彼の遺言状」の中に織り込まれた話もあるけれど、ドラマとは構成が違う(ドラマちゃんと観てない)気がする。

リーガルスリラーでもなく、コメディでもなく、読んだことのない不思議なミステリー。面白いのか面白くないのかそれすらもよく分からない。


今日の一曲

Cigarettes After Sexで、"Nothing's Gonna Hurt You Baby"



では、また。



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『噤みの家』リサ・ガードナー

2022-06-02 | books
イーヴィーは、夫コンラッドを射殺したのではなく、パソコンを撃っただけだと供述。フローラは自分を監禁していた男ジェイコブ・ネスが、コンラッドに会っていたことを思い出した。そして、イーヴィーは16年前に父親を射殺していた。

第3作「完璧な家族」は途中でギブアップしたのに、なぜか第4作はすらすらと読めた。被害者の内面が延々と続くのは苦手なのかも。

なぜパソコンを撃ったのか、夫は本当はどういう人なのか、段々と分かる真相は、すごく頷けるものだった。

 

今日の一曲

桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎で、「時代遅れのRock’n’Roll Band」



では、また。


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