「カネミ油症」が、初めて新聞で紹介されたとき、
「正体不明の病気」としてだったそうな。
「森永ヒ素」
「グリコ・森永事件」
「コーラ事件」
など食物に関する事件が、話題になった時代があった。
どの事件も衝撃的だった。
中でも「カネミ油症」は、怒りさえ、覚えた。
口にする物への、生産者、製造者の、人間性をも疑うほどの事件だった。
こんなに、あるのに、いまだに、食に関する事件は一掃されない。
つい先日も「豚レバー」のニュースがあった。
生産者も製造者も同じ人間のはずなのに、蚊帳の外になっているのは、昔も今も
かわりないようだ。
人間関係が希薄になっているということか。
人間なんて、そもそも、社会性は育まれていくもので、社会性を育てる努力を惜しんでいると
社会性の乏しいものばかりになってしまうということか。
五感は、成長とともに、研ぎ澄ますことはできるし、欠点や弱いところは、補っていく作用が
働くらしいが、人間性とか、社会性とかは、ほっておいて育つものではない。
少し前まで教育が大事と、大人はすぐ口にしたものだったが、今は、一部にしか、影響していないような気がする。
教育も知や体のことばかりで、親の関心も心を育てるなんて、ことは考えてくれないのが哀しい。
先日、「自分の子どもは、自分で育てたい」という人にあった。
自分にとってのよい子を目指すのはいいけれど、社会にとっても必要とされる。
総合的な熟成した大人を目指して欲しいなぁと思う。