演奏というのは、一人で、奏でることもありますが、ほとんどの場合、お客様に向けて演奏されます。
演奏家が、演奏に自分だけが酔いしれていると、お客様は、しらけるものです。
聴いていただく。
共に、感動していただける。
そういう演奏を目指して、練習を、重ねているものと、思っています。
演奏家は群衆というのは鉛の海にも似て、火には容易に溶けるが、動かすには非常に重いのだ。
--リスト
あとがきに、以下の記述がありました。
演奏家は、もともと切り換えるのが商売だ。
モーツァルトを弾くときとショパンを弾くときでは、あきらかに演奏身振りが違う。
曲にあわせて、演じる。
柔らかい曲。
とげとげしい曲。
森の中であったり、海岸にいたり、山や川、時には愛の曲だったりする。
愛といっても母への愛。
兄妹への愛。
自然への慈しみ。
愛しさ。
美しいライン。理想を求めて演奏する。
音楽と文学の対立法
青柳いづみこ
中公文庫