![]() | 普通の人がゼロから始める資産づくり―日経電子版徹底活用! (日経ビジネス人文庫) |
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日本経済新聞出版社 |
図書館に入っいた文庫本。
なんとなく読んでいくと「それはそうですね」のオンパレードになってしまいそうですが、ちょっと考えてみると「本当にそうかいな」とか「強調するポイントが違うのでは?」など、疑問点や異なった見方というのも随分出てきます。
例えば「資産づくりの王道はコツコツ積み立て投資」とか書いてある。そうか?。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。個人的には。これは「こういう方法もなくはない」という程度のことで「王道」と言うほどのことはないと思います。
「分散投資で年3%の運用をめざす」というのもあります。「年率5%の運用というのは結構難しい」とも書いてある。
これは、単純にこういう書き方をするのは適当ではないと私は思いますが。
リスクのとり方と運用額によって、全然違ってくるので。
自分自身の感覚で言うなら、運用額が増加するに従って、全体としては低リスクで運用しようとするベクトルが強くなってきたと思います。
金融資産1.2億程度。これを年によってブレはあるにしろ、ならしておよそ年5%で運用できたとすると運用益は年間600万になります。
感じとしては、現状の自分の運用スタンスではこれはかなり難しい。
年間600万入ってくれば、運用益以外のその他の収入も含めれば、セミリタイヤ的生活でも元本を減らさずにそこそこ普通に暮らしていくことができるでしょうけど。
若い時に300万を330万にするのは、これはそれ相応のリスクを取れば、難しくないとは言わないけれど、何かの幸運に恵まれればそんなに大変でもないという感じがします。
また、アセットクラスを分けてのポートフォリオ運用、何に何%とかいう、よく出てくるやつですが、これも、結局のところ「結果論」的にしか判断できないところがかなりあると思います。
個別の銘柄とか商品で運用を行う場合、その投資の成果というのは、特定の商品の大きな損益にその結果が大きく左右されることが多いでしょう。これは、かなりの部分、よく言えば「まぐれ」であり。悪い方は「ついてなかった」ということにすぎない。無論、極端に損失が大きくならないように相当程度自分の売買でコントロールをすることは可能だとは思いますが。
自分自身の場合の直近例で言えば、エルピーダメモリの転換社債。多少戻ってくるかもしれませんが、基本、デフォルトで最悪は-100万以上。
逆の方の以前の例では、IPO一発で500万とか、中国株の個別銘柄で200万とかのプラス。
こういうのに全体の運用の損益は大きく左右されてしまう。
投資に必要なセンスというのは、売買が上手とかいうことよりも、この「まぐれ」の前提条件を整えておくことではないかと思ったりするのですが、いかがでしょうか。
売買については「上手」であり続けるのは相当に困難で、できることは、行き当たりばったりの「ド下手」の売買はしないということぐらいかなと思います。