IRセミナー 6810マクセルホールディングス 昔カセットテープ、今は?
今日は奈良まで行ってIRセミナーに参加してきました。
学園前といって、奈良から生駒の方へ行く近鉄線の駅のところです。車だと、ちょっと有料道路も
使ってですが、自宅から45分もかかりませんでした。
駐車場は民間パーキング2時間無料券をくれて、前半のIRセミナーのみの参加でしたので、無料の範
囲内でした。
証券会社の支店そのものは小規模で、セミナーの部屋も小さめで、参加者は50人にも満たないぐらい
だったかと思います。ただ、ほぼ満席でした。
支店長の女性の人が司会をしつつ、そこそこあれこれとかんできてコメントするというスタイルで、
これはIRセミナーとしては珍しいです。人数が少ないこともあって、まあ、こじんまりとした雰囲気で
これはこれでよかったです。
さて、中味の方ですが・・・・。
マクセルというと、つい日立マクセルと言ってしまいそうになりますが、社名から「日立」の名前ははずれ
日立の保有株数も大きく減少し、資本関係も現在は非常に薄くなり、経営的にはほぼ自主独立体制が確立した
状況となっています。
で、製品的にもマクセルというと、古くはカセットテープ。これはかなりお世話になり、ハイポジジョンと
かメタルとか、だんだん高機能なものも出されて、よく利用させてもらいました。今だとDVDとか。
あとは電池、乾電池とかですかね、イメージ的に強いのは。
現在はというと、電池は各種リチウムイオン電池及びそれを活かしたデバイスなどはなお事業ポートフォリオ
の一つの中心ですが、DVD等記録用メディアの比率は2016年で売上では7%、現在ではその比率はさらに低下し
ているようです。
では、現在は何でどう利益があがっているのか、主要な製品はなんなのかということですが、ブレゼンからは
それがすっきりとは見えてきませんでした。
事業内容、その製品が多岐に渡っているということもあるのですが、全体的な概要、アウトラインの説明という
ことが主体で、直近の業績と関わる主要なポイントについてのコメントがないので、イメージがわきにくいのです。
ここはプレゼンとしては工夫のしどころかと思いました。
ここはセグメントを「エネルギー」「産業用部材料」「電器・コンシューマー」を3つに分けています。
「エネルギー」というのは、つまりはリチウムイオン電池を中心としたところですが、この第三四半期までのところ
までで前年度比で売上が1.3倍、営業利益は4倍以上になっており、営業利益率が14.3%と突出して高くなっています。
なんでやねん?という話ですが、「民生用リチウムイオン電池販売好調」という一般的なコメントが載っているだ
けで、説明はなし。質問したら、これはゲーム機への搭載電池ということのようで、個別の企業名等は開示できない
ということでしたが、それでもここは大きく利益を伸ばしている注目点ですから、印刷物の書き方は前述のとおりで
も、コメントとしては最初からちょっと丁寧に述べられるべきところでしょう。
逆に、電器・コンシューマーのセグメントは第三四半期まで売上は400億あって営業利益は5億円だけです。前年度
比で利益も利益率も大幅に低下していますが、ここは熊本地震の影響でプロジェクターの主要な部品の納入ができない
期間があり、それが大きく製造、販売に影響したという個別の特殊要因の影響も大きかったようです。
ここも最初の説明ではコメントはなく、質問したらコメントしてくれましたが。
あと、注力している利益率の高い伸びている製品として、TPMS用耐熱CR電池や車載用カメラレンズユニットというの
を挙げられていました。
前者はタイヤ空気圧を監視し低下を警告するシステムに使われるもので、欧米や韓国では義務化されているもの。
中国でもかな。日本は義務化が遅れているということでした。電池は10年は使えるというもので、使用の条件もかなり
過酷ということもあり参入障壁も高く、この電池はマクセルのシェアはかなり高い(70%)ということでした。
後者のカメラ・レンズユニットはプラスチックレンズによるものとのことでした。目で見るビュー用だけでなく、セン
シングカメラ用も伸びているとのこと。マクセルでこの製品というのはかなり意外感はあります。
このあたりは新事業のコンセプト50/20/50に合ったものだということ(これは売上で50億、営業利益率で20%、シェア50%
をめざしたような新事業、製品を広げていこうというような意味)です。
こうしたものは確かに利益率もよくて収益に貢献するところはあるのでしょうが、売上高的には現状はそんなに大きく
はならないようなイメージがあり、ここだけではちょっと力不足か。
つまり、総体として言えば、マクセルは、単に電池屋さん、それも小さめのものというだけでなく、これまでの技術を
活かした形での様々なデバイス屋さんの複合体として全体を伸ばしていきたいというイメージなのかなと思いました。
逆に言えば、ゲーム機用が伸びても、従来型のリチウムイオン電池頼りでは、なかなか評価されにくいのか。
ここは2月上旬に株価が急落しています。
これは決算発表を受けてのアナリストの評価、レーティングが思わしくなかったことが影響している面が大きいようです。
ただ、「固体電解質とシリコン系負極材料を組み合わせたリチウムイオン電池の高性能化技術を開発」なんていうリリース
も最近あったりはします。
https://www.maxell.co.jp/news/pdf/maxellnews_20180226.pdf
ここらあたりが実際の製品として収益に貢献してくるようなことがあると(2020年実用化をめざすとの記載あり)、収益構造
もまた大きく変わってくる可能性もありますが、現状はPBR0.8倍、PER16倍というあたりの評価はしょうがないのか
なー。配当利回りも高くはないです。
100株でクオオード2000円あたりの優待でも設定すれば、1単位のインカムゲインは改善されます。新しいマクセルの宣伝とい
う意味でも、優待を設定されるのも一案です・
なお、配布資料には決算短信がありませんでした。まあ、基本の数字は資料の中には出ているのですが、決算短信の中では
定性的評価等に関わる記述などもありますし、できたら配布資料に含めてほしいし、少なくとも何部かは持っていて、希望者
には渡せるようにぐらいはしてほしいです。無論、見ようと思えばあとからネットなどでは見られますが、その場で見られた
ら直接あれこれ聞けますしね。それがIRセミナーの意味なりよさだと思いますし。
ということで、現状的にはここは評価はニュートラルです。可能性は様々な面であるような印象はありましたが、
現状は投資対象として積極的な魅力という面では弱いかな。まあ、株価も下落しているので、全体としてリーズナブルなところ
なのかなーとは思いますが。
というところです。
今日は奈良まで行ってIRセミナーに参加してきました。
学園前といって、奈良から生駒の方へ行く近鉄線の駅のところです。車だと、ちょっと有料道路も
使ってですが、自宅から45分もかかりませんでした。
駐車場は民間パーキング2時間無料券をくれて、前半のIRセミナーのみの参加でしたので、無料の範
囲内でした。
証券会社の支店そのものは小規模で、セミナーの部屋も小さめで、参加者は50人にも満たないぐらい
だったかと思います。ただ、ほぼ満席でした。
支店長の女性の人が司会をしつつ、そこそこあれこれとかんできてコメントするというスタイルで、
これはIRセミナーとしては珍しいです。人数が少ないこともあって、まあ、こじんまりとした雰囲気で
これはこれでよかったです。
さて、中味の方ですが・・・・。
マクセルというと、つい日立マクセルと言ってしまいそうになりますが、社名から「日立」の名前ははずれ
日立の保有株数も大きく減少し、資本関係も現在は非常に薄くなり、経営的にはほぼ自主独立体制が確立した
状況となっています。
で、製品的にもマクセルというと、古くはカセットテープ。これはかなりお世話になり、ハイポジジョンと
かメタルとか、だんだん高機能なものも出されて、よく利用させてもらいました。今だとDVDとか。
あとは電池、乾電池とかですかね、イメージ的に強いのは。
現在はというと、電池は各種リチウムイオン電池及びそれを活かしたデバイスなどはなお事業ポートフォリオ
の一つの中心ですが、DVD等記録用メディアの比率は2016年で売上では7%、現在ではその比率はさらに低下し
ているようです。
では、現在は何でどう利益があがっているのか、主要な製品はなんなのかということですが、ブレゼンからは
それがすっきりとは見えてきませんでした。
事業内容、その製品が多岐に渡っているということもあるのですが、全体的な概要、アウトラインの説明という
ことが主体で、直近の業績と関わる主要なポイントについてのコメントがないので、イメージがわきにくいのです。
ここはプレゼンとしては工夫のしどころかと思いました。
ここはセグメントを「エネルギー」「産業用部材料」「電器・コンシューマー」を3つに分けています。
「エネルギー」というのは、つまりはリチウムイオン電池を中心としたところですが、この第三四半期までのところ
までで前年度比で売上が1.3倍、営業利益は4倍以上になっており、営業利益率が14.3%と突出して高くなっています。
なんでやねん?という話ですが、「民生用リチウムイオン電池販売好調」という一般的なコメントが載っているだ
けで、説明はなし。質問したら、これはゲーム機への搭載電池ということのようで、個別の企業名等は開示できない
ということでしたが、それでもここは大きく利益を伸ばしている注目点ですから、印刷物の書き方は前述のとおりで
も、コメントとしては最初からちょっと丁寧に述べられるべきところでしょう。
逆に、電器・コンシューマーのセグメントは第三四半期まで売上は400億あって営業利益は5億円だけです。前年度
比で利益も利益率も大幅に低下していますが、ここは熊本地震の影響でプロジェクターの主要な部品の納入ができない
期間があり、それが大きく製造、販売に影響したという個別の特殊要因の影響も大きかったようです。
ここも最初の説明ではコメントはなく、質問したらコメントしてくれましたが。
あと、注力している利益率の高い伸びている製品として、TPMS用耐熱CR電池や車載用カメラレンズユニットというの
を挙げられていました。
前者はタイヤ空気圧を監視し低下を警告するシステムに使われるもので、欧米や韓国では義務化されているもの。
中国でもかな。日本は義務化が遅れているということでした。電池は10年は使えるというもので、使用の条件もかなり
過酷ということもあり参入障壁も高く、この電池はマクセルのシェアはかなり高い(70%)ということでした。
後者のカメラ・レンズユニットはプラスチックレンズによるものとのことでした。目で見るビュー用だけでなく、セン
シングカメラ用も伸びているとのこと。マクセルでこの製品というのはかなり意外感はあります。
このあたりは新事業のコンセプト50/20/50に合ったものだということ(これは売上で50億、営業利益率で20%、シェア50%
をめざしたような新事業、製品を広げていこうというような意味)です。
こうしたものは確かに利益率もよくて収益に貢献するところはあるのでしょうが、売上高的には現状はそんなに大きく
はならないようなイメージがあり、ここだけではちょっと力不足か。
つまり、総体として言えば、マクセルは、単に電池屋さん、それも小さめのものというだけでなく、これまでの技術を
活かした形での様々なデバイス屋さんの複合体として全体を伸ばしていきたいというイメージなのかなと思いました。
逆に言えば、ゲーム機用が伸びても、従来型のリチウムイオン電池頼りでは、なかなか評価されにくいのか。
ここは2月上旬に株価が急落しています。
これは決算発表を受けてのアナリストの評価、レーティングが思わしくなかったことが影響している面が大きいようです。
ただ、「固体電解質とシリコン系負極材料を組み合わせたリチウムイオン電池の高性能化技術を開発」なんていうリリース
も最近あったりはします。
https://www.maxell.co.jp/news/pdf/maxellnews_20180226.pdf
ここらあたりが実際の製品として収益に貢献してくるようなことがあると(2020年実用化をめざすとの記載あり)、収益構造
もまた大きく変わってくる可能性もありますが、現状はPBR0.8倍、PER16倍というあたりの評価はしょうがないのか
なー。配当利回りも高くはないです。
100株でクオオード2000円あたりの優待でも設定すれば、1単位のインカムゲインは改善されます。新しいマクセルの宣伝とい
う意味でも、優待を設定されるのも一案です・
なお、配布資料には決算短信がありませんでした。まあ、基本の数字は資料の中には出ているのですが、決算短信の中では
定性的評価等に関わる記述などもありますし、できたら配布資料に含めてほしいし、少なくとも何部かは持っていて、希望者
には渡せるようにぐらいはしてほしいです。無論、見ようと思えばあとからネットなどでは見られますが、その場で見られた
ら直接あれこれ聞けますしね。それがIRセミナーの意味なりよさだと思いますし。
ということで、現状的にはここは評価はニュートラルです。可能性は様々な面であるような印象はありましたが、
現状は投資対象として積極的な魅力という面では弱いかな。まあ、株価も下落しているので、全体としてリーズナブルなところ
なのかなーとは思いますが。
というところです。