サッカー「観戦力が」が高まる 清水英斗著 東邦出版刊
一昔前、やってみたい職業に、プロ野球監督とオーケストラの指揮者が上げられていた。
この本はサッカーの面白さ、奥深さを感じさせるものである。と同時に、自分もサッカーチームの監督をやってみたいという誘惑に駆られる。
観点をシステム、ドリブル、キック&トラップ、パス回し、中央突破、サイド攻撃、攻守の切り替え、ディフェンス、プレッシング、ラインコントロール、GK、セットプレー、ゲームマネジメント、などの要素に分けて解説する。
各々の要素にポイントがあり、単なるシステム或いはフォーメーションの優劣を語っているのではない。ボールを蹴って、パスを繋ぎ、相手のゴールに入れるという、単純なゲームが、かくも複雑な要素から成り立っているのか、と感心する。
同時に、この監督やチームは何をやりたいのか、どんなゲームを考えているのか、と監督気分になって、分析できるようになる。
理論的な解説に加え、実戦例で、何戦の、あの時の動きがこうだ、という解説が付いているので、たまたま記憶に残っているゲームだと、なるほどそうか、と納得できる。
確かにこの本を読む前と後では、ゲームの面白さが数倍違うような気がする。早く代表戦やJリーグが始まらないか、と待ち遠しい。