キューバの行き帰りに、バンクーバー郊外リッチモンドに住む義妹の家に厄介になった。
気ままに利用させてもらい、昼間我々だけの時にスティーブストンの港に向かって散歩に出かける。
住宅地を抜け、空港から伸びている堤防に出て、整備されている散歩道を通り、港近くの公園へ出る。
歴史を大事にする土地柄らしく、第二次大戦当時や昔栄えていた時の写真などが飾ってある。
散歩道や海岸沿いの道にベンチが点々と置かれている。がっしりとした厚い一枚板とコンクリートで作られた頑丈なものである。
その背板の左端、或いは両方に銘板が打ち付けてある。何気なく読んでみると「◯◯氏の記憶のなかで。勇気と友情にあふれた思いと共に」とか「感謝とともに友人と家族から」などと刻んである。たいていはご主人らしき名前だが、婦人がなくなると右端に銘板が飾られる。
海を眺める散歩道に置かれたベンチに名前を刻む（多分これは遺族の寄付で設置されるのだろう）のもいいなあ。墓石よりもいいと思う。散歩がてら景色の良いところに縁のある人が時々座りに来てくれるだろう。
公園には花が咲き、ランニング、ウォーキング、バイクに乗る人が行き交う。
港の一角で映画のロケをしていた。さすがアメリカの影響か、機械化され、大雑把なものだ。クレーンと自動車が何台も動員されており、電源車は８台も動いていた。
大型レフをクレーンで動かし、調整している。
ここでは時々こういう撮影が行われるそうだ。少し前の風景が残っているからかもしれない。
