ブレイク・クラウチ「パインズ-美しい地獄ー」東野さやか訳 ハヤカワ文庫2014年刊
このところ、もっぱら畏友から借りた本を読んでいるが、道尾秀介、香月日輪、などに少し傾きすぎたので、珍しく入っている外国人作家に手を伸ばしてみた。
シークレットサービスの主人公が捜査先で交通事故に会い、気がつくところから物語は始まる。外国人らしく傷に対する痛み、心理描写は粘っこく、厚みがある。
事故の負傷と、周りの人の奇妙な敵意に囲まれて、何度も街からの脱出に失敗するが、鍛え上げられた肉体と、修羅場を経てきた経験で、ダメージを負った身体を駆使して凌ぐ。その様子がこの小説のテーマである。「大脱出」や沈没船からの脱出劇とはちょっと違う設定だが、最後にアっと驚く謎解きがある。
ストーリーの紹介はこのくらいにとどめておくが、こう言う物語をアメリカ人は好むのだろうか。よく映画化されているドラマにこの類の設定はある。
エンターテイメンとしては水準以上の作品である。
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