F1 第7戦ヨーロッパGPを振り返る

 郷秋<Gauche>は予選前の27日に、今GPの見所についてこう書いた。
   1. 2戦連続ポール to フィニシュのマクラーレン・ライッコネンがその記録を
     伸ばせるか。
   2. モナコGPではタイヤに泣いたアロンソは表彰台に復帰できるのか。
   3. 前戦で、誰よりも早く走っていたミヒャエルの地元での復活はあるのか。

 結果はと言えば、ライッコネンの連勝記録への望みは残り1周の時点で潰え、アロンソは表彰台の一番高いところに返り咲いた。

  ヨーロッパGP決勝レースの結果

  1位:フェルナンド・アロンソ / ルノー
  2位:ニック・ハイドフェルト / ウィリアムズ
  3位:ルーベンス・.バリチェッロ / フェラーリ
  4位:デビッド・クルサード / レッドブル・コスワース
  5位・ミヒャエル・シューマッハ / フェラーリ
  6位:ジャン-カルロ・フィジケラ / ルノー
  7位:ファン-パブロ・モントーヤ マクラーレン・メルセデス
  8位:ヤルノ・トゥルーリ / トヨタ

 シリーズ・ランキング上位2人のマシンは共にミシュラン・タイヤの激しい磨耗に悩まされたが、4輪が満遍なく磨耗した(ように見えた)ルノーは最後までは走り切り、右前輪にフラット・スポット(偏磨耗)を作ったマクラーレンは振動によるストレスをサスペンション・アームに蓄積しついには破断、リタイヤに至った。

 週末の3日間を通して1セットのタイヤを使用するレギュレーションが演出する波乱によって今年のレースがスリリングになっていることは確かであるが、レース中のグリップ重視の余り耐久性が犠牲にされている様は2レースの間酷使されるエンジンが存外問題を露呈しないのと対照的である。

 ミヒャエルは予選10番手からスタートし5位でフィニッシュしたが、これを「波乱のレースの中、ベテランらしく上手くまとめた」と言って良いやら悪いやら、精彩に欠けていたことだけは明らかである。まあ、レース中のファステスト・ラップタイムは6位に当たる1'31.503であるから順当な結果とは言えよう。

 BAR勢は予想の通り苦しいレースとなったが、レース中のファステスト・ラップタイムはバトン11番手、琢磨12番手と、厳しい条件の中ではまずまずの結果となった。残念なのは琢磨のフロントウイング破損による緊急ピットインで、これがなければ入賞の可能性もあったはずである。なぜならば、7位でフィニッシュしたファン-パブロの1'31.807に次ぐ1'31.889で周回していたからである。

 さて、6月のF1サーカスは大西洋を渡り北米大陸2連戦となる。第8戦カナダGPが開催されるジル・ビルヌーブ・サーキットはここ2戦の低速コースとは打って変わって高速コース。マクラーレン、ルノーの有利は揺るがぬものと思うが、これに次ぐチームの戦略は如何に。

 2戦連続表彰台を獲得したウィリアムズは速さの真贋がここで明らかになることだろう。BARホンダの2列目、3列目発進を期待すると共に、父の名を冠したサーキットでのジャックの戦いぶり、今GP4位フィニッシュと気を吐いたベテラン、クルサードの意地にも注目したい。


 さて、今日の1枚。やっぱり今日の話題とは関係がないけれど、白い薔薇の蕾。
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