F1 第7戦ヨーロッパGP開幕

 2005年シーズン開幕から2週間のインターバルで開催されてきたF1 GPだが、第7戦は前線モナコGPから間を空けずの開催だ。

 ヨーロッパGPが行われるニュルブルクリンクは、全長22km、174ものコーナーを持つオールド・コースがつとに有名であるが、現在のF1は5.148Kmの新しいコースで行われる。オールド・コースはスポーツカーを名乗るクルマの数々がそのドライブフィールを磨くことでも知られるが、41年前にホンダ最初のF1マシンとなったRA271が初めて走ったGPコースでもある。

 このニュルブルクリンクにBARホンダのマシンと二人のドライバーが帰ってくる。昨年のヨーロッパGP決勝レースでは惜しくもリタイヤとなったが、佐藤琢磨がポール・ポジションのミヒャエルに0.635秒差で2位を獲得、フロント・ローから発進したというゲンの良いサーキットである。

 2戦欠場となりその間にマシンの熟成を進めてきたBARホンダではあるが、不安材料もある。その一つはエンジン。1台のエンジンを2レースで使用しなければならない今年のレギュレーションに従って、BARホンダにとっての前戦つまりサン・マリノGPで使用したエンジンを使用しなければならないことだ。5週間もの間封印されていたエンジンが果たして今週末3日間の酷使に耐えられるのか。もしフリー走行でトラブルが出てエンジン交換となれば予選結果の10番降位のルールが待っている。

 もうひとつの不安材料は予選の出走順である。今GPから、これまでのように2回行われた予選の合計タイムではなく、土曜日の予選のタイムのみでスターティング・グリッドが決まるから一発の速さが求められる。予選は前戦決勝レース結果の逆順で行われるので、モナコGP欠場のBARホンダが1番手、2番手での登場となるのだ。

 天候が変わらないという前提で言えば、予選の出走は遅ければ遅いほど有利となる。これは後になればなるほど、前に走ったマシンのタイヤラバーの路面への付着が多くなりグリップが向上するからなのである。

 レーシングカーのタイヤは乗用車のタイヤと異なり、路面との摩擦によりタイヤ表面のラバーが溶けて路面と密着することでグリップを得るように作られている。だから前に走ったマシンが路面にラバーをたっぷりと着けてくれた後を走ればグリップの向上と共にコーナリングスピードが上がるというわけである。

 そんな不利な条件の中でBARホンダチームが、そして二人のドライバーがどんな戦いを繰り広げるのか楽しみではあるが、欠場の間に熟成を進めたマシン・エンジンの成果が試されるのは次のカナダGPであり、今GPには余り多くの期待はしないほうが良いだろう。

 そんなヨーロッパGPの見所は次の3つ、と言っておこう。

  1. 2戦連続ポール to フィニシュのマクラーレン・ライッコネンがその記録を
    伸ばせるか。
  2. モナコGPではタイヤに泣いたアロンソは表彰台に復帰できるのか。
  3. 前戦で、誰よりも早く走っていたミヒャエルの地元での復活はあるのか。

 さて、どんな週末になるのか、楽しみである。


 今日の1枚は、なんとか躑躅。
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