唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
ついにこの日が・・・
ニコンのマニュアルフォーカス(MF)フィルム方式一眼レフカメラ「FM3A」およびMFニッコールレンズの生産がついに終了したようである(http://www.camera-info.net/cic_report/news060104.htm )。すでに一部のレンズを除きメーカーの在庫もなくなっているようであり、各販売店での在庫がなくなった時点でこれらの「新品」購入は事実上出来なくなる。
いつかは来るものと思い覚悟はしていたけれど、ついにこの日が来た。郷秋<Gauche>は昨年夏に中古のF3を、秋には程度の良いFM3Aを手に入れている。すでに24mmから200mmまで7、8本のMFニッコールレンズを持っているが、これからポートレート用の明るい85mmや夜間撮影用にやはり明るい広角レンズが欲しいと思っていた矢先である。
ここ1、2年低価格のデジタル方式一眼レフの普及につれてフィルム方式一眼レフカメラの中古価格が大幅に下落していたのだが、今回の製造中止により相場が上昇に転じる可能性もある。もっともカメラ本体とは違い使用に伴う傷みがそれほど大きくないレンズについては大きな価格下落(中古)はなかったけれど、これからはこちらも程度の良いものを中心に徐々に相場が上がる可能性もあろう。
ただし、ここで早合点してはいけない。Nikonがフィルム方式一眼レフカメラから撤退すると言うことではない。マニュアルフォーカス・フィルム方式一眼レフカメラ(現在NikonオリジナルはFM3Aのみ)およびMFニッコールレンズの生産が終了するのであって、F5、F6、F100、F80等の製造が中止されるわけでなない。
他のメーカーの事情はわからないが、Nikonが(私の)予想よりも早くMFニッコールの生産中止を決めたのには一つの理由がある。それは1959年のNikonFの発売以来46年間続けてきたMFニッコールと現行のAFニッコールのマウントが共通、半世紀にわたり不変であったということ。
つまり、これまでに製造されたマニュアルフォーカス方式一眼レフ(Aiタイプ)にAFニッコールを装着しての撮影が可能なのである(ただしデジタル専用のDXタイプ、絞りリングのないGタイプを除く)。当然フォーカスはマニュアルになるけれど、絞り優先の自動露出も可能である。勿論MF専用のレンズほどフォーカスリングの操作性に気を使った設計はされていないのでMF専用のレンズのように「しっくりと手に馴染む」ところまでは行かないけれど。
実は、これとまったく逆も可能。つまり最新のNikonのデジタル方式一眼レフであるD200にMFニッコールを装着しての撮影が可能なのだ。勿論フォーカスは手動だが、F5.6より明るいレンズの場合にはフォーカスエイド(ピントが合うとランプが点灯し知らせてくれる)が使える。露出はマニュアルの他に絞り優先のオートが使えるからありがたい。
ファインダーの中の絞り値表示も事前にレンズの開放値を手動でセット(レンズの焦点距離と同時に)しておくことで正しく表示してくれる。他のメーカーがAF移行時にマウントを変更する中で頑なにFマウントを守り続けてきたNikonだからこそ可能なワザである。
フォーカスの自動化はおろか、露出の自動化もなされていなかった時代に作られたマウントを50年もの間使い続けてくるためには多くの困難に出会ってきたことと思うが、その都度Nikonの技術者は安易にマウントの変更に走ることなく乗り越えてきたのだ。
MFニッコールを新品で手に入れることが出来なくなることは残念だけれど、まだまだ多くのレンズが中古市場で流通しているので当分(郷秋<Gauche>が生きているあいだは?)は入手も可能であろうし、メンテナンスサービスも勿論継続されることあろう。ほど良くネットリとした手応えがするピントリングを操る楽しみが今すぐなくなるわけではないのだ。
例えば音楽を聴くための道具がSPからLPに、LPからCDに、さらにシリコンのメモリに変わろうとしているように写真を撮るための道具だって当然変わってくる。CD全盛からシリコンのメモリに移行しようとしている今だけれど、だからと言ってSPを聴けないわけでもないしLPが聴けなくなるわけでもないのだ。カメラも同じだ。
「写真の楽しみ」はカメラを操る楽しみではなく、写真、つまり自分にとっての「作品」を創る楽しみが本来中心にあるはずである。もっとも「写真の楽しみ」の他に「カメラの楽しみ」があるのも確か。機械が好きな郷秋<Gauche>はどちらも楽しみたいほうであるが、時代の流れに逆らうことは出来ないのだろうな。
だから郷秋<Gauche>は余りがっかりしないようにしたい。だって今時、東京から京都まで蒸気機関車が引っ張る列車で行きたいといっても無理だろう。仕方がないと諦めないとならないことも、時には必要なのです。
注:その後のNikonからの報道内容と若干違った記事と内容となっております。Nikonからの報道に基づいた記事を再度1/11に書いておりますのでそちらもぜひご覧ください。

今日の1枚は、冬の雑木林。
[ 撮影 : なるせの森 ]
いつかは来るものと思い覚悟はしていたけれど、ついにこの日が来た。郷秋<Gauche>は昨年夏に中古のF3を、秋には程度の良いFM3Aを手に入れている。すでに24mmから200mmまで7、8本のMFニッコールレンズを持っているが、これからポートレート用の明るい85mmや夜間撮影用にやはり明るい広角レンズが欲しいと思っていた矢先である。
ここ1、2年低価格のデジタル方式一眼レフの普及につれてフィルム方式一眼レフカメラの中古価格が大幅に下落していたのだが、今回の製造中止により相場が上昇に転じる可能性もある。もっともカメラ本体とは違い使用に伴う傷みがそれほど大きくないレンズについては大きな価格下落(中古)はなかったけれど、これからはこちらも程度の良いものを中心に徐々に相場が上がる可能性もあろう。
ただし、ここで早合点してはいけない。Nikonがフィルム方式一眼レフカメラから撤退すると言うことではない。マニュアルフォーカス・フィルム方式一眼レフカメラ(現在NikonオリジナルはFM3Aのみ)およびMFニッコールレンズの生産が終了するのであって、F5、F6、F100、F80等の製造が中止されるわけでなない。
他のメーカーの事情はわからないが、Nikonが(私の)予想よりも早くMFニッコールの生産中止を決めたのには一つの理由がある。それは1959年のNikonFの発売以来46年間続けてきたMFニッコールと現行のAFニッコールのマウントが共通、半世紀にわたり不変であったということ。
つまり、これまでに製造されたマニュアルフォーカス方式一眼レフ(Aiタイプ)にAFニッコールを装着しての撮影が可能なのである(ただしデジタル専用のDXタイプ、絞りリングのないGタイプを除く)。当然フォーカスはマニュアルになるけれど、絞り優先の自動露出も可能である。勿論MF専用のレンズほどフォーカスリングの操作性に気を使った設計はされていないのでMF専用のレンズのように「しっくりと手に馴染む」ところまでは行かないけれど。
実は、これとまったく逆も可能。つまり最新のNikonのデジタル方式一眼レフであるD200にMFニッコールを装着しての撮影が可能なのだ。勿論フォーカスは手動だが、F5.6より明るいレンズの場合にはフォーカスエイド(ピントが合うとランプが点灯し知らせてくれる)が使える。露出はマニュアルの他に絞り優先のオートが使えるからありがたい。
ファインダーの中の絞り値表示も事前にレンズの開放値を手動でセット(レンズの焦点距離と同時に)しておくことで正しく表示してくれる。他のメーカーがAF移行時にマウントを変更する中で頑なにFマウントを守り続けてきたNikonだからこそ可能なワザである。
フォーカスの自動化はおろか、露出の自動化もなされていなかった時代に作られたマウントを50年もの間使い続けてくるためには多くの困難に出会ってきたことと思うが、その都度Nikonの技術者は安易にマウントの変更に走ることなく乗り越えてきたのだ。
MFニッコールを新品で手に入れることが出来なくなることは残念だけれど、まだまだ多くのレンズが中古市場で流通しているので当分(郷秋<Gauche>が生きているあいだは?)は入手も可能であろうし、メンテナンスサービスも勿論継続されることあろう。ほど良くネットリとした手応えがするピントリングを操る楽しみが今すぐなくなるわけではないのだ。
例えば音楽を聴くための道具がSPからLPに、LPからCDに、さらにシリコンのメモリに変わろうとしているように写真を撮るための道具だって当然変わってくる。CD全盛からシリコンのメモリに移行しようとしている今だけれど、だからと言ってSPを聴けないわけでもないしLPが聴けなくなるわけでもないのだ。カメラも同じだ。
「写真の楽しみ」はカメラを操る楽しみではなく、写真、つまり自分にとっての「作品」を創る楽しみが本来中心にあるはずである。もっとも「写真の楽しみ」の他に「カメラの楽しみ」があるのも確か。機械が好きな郷秋<Gauche>はどちらも楽しみたいほうであるが、時代の流れに逆らうことは出来ないのだろうな。
だから郷秋<Gauche>は余りがっかりしないようにしたい。だって今時、東京から京都まで蒸気機関車が引っ張る列車で行きたいといっても無理だろう。仕方がないと諦めないとならないことも、時には必要なのです。
注:その後のNikonからの報道内容と若干違った記事と内容となっております。Nikonからの報道に基づいた記事を再度1/11に書いておりますのでそちらもぜひご覧ください。

今日の1枚は、冬の雑木林。
[ 撮影 : なるせの森 ]
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