自然に生かされている

 脱線転覆事故により不通となっていた羽越線鶴岡-酒田間の営業運転が19日に再開された。そのことを報じる新聞記事の中にこんな言葉を見つけた。

 『魚の行商で羽越線が開通した時から利用しているという酒田市の上嶋みよさん(80)は「事故が雪や風のせいだったら仕方ない。運転再開はうれしいこと。これからも利用する」と話した。』(神奈川新聞 1月20日 21面)

 私たちはともすると事の原因を見つけ、それが悪かったのだと非難する。しかし、厳しい東北地方の自然の中で80年という年月を生きてきた上嶋さんは事故の原因であったかのかも知れない自然を非難しない。そこには人間は自然によって生かされているのだという、実にたおやかな自然と人間との関係を見出すことができる。

 「雪や風のせいだったら仕方ない」。時として忘れがちな、私たち人間が大自然の一要素として多くの自然事象の中で他の動植物と共に生かされている存在であるという事実を思い出させてくれる、重い、言葉だ。



 今日の1枚は、冬の森の何気ないひとコマ。
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