湖南、その弐

 日本の湖では一番大きなものが琵琶湖、次が霞ヶ浦でその次が猪苗代湖。猪苗代湖は確大きい方から三番目の湖だったと思います。しかし湖の周辺により多くの自然が残されていることでは琵琶湖や霞ヶ浦とは比較にならないのが猪苗代湖です。

 最近では湖水浴場やそれに隣接するキャンプ場、ボートやヨットなど水上のスポーツを楽しめる施設が随分と出来てきてきてはいますが、それの多くは国道49号線に面した湖の北部に所在し、湖南地区はまだまだより多くの自然が残されています。

 琵琶湖は阪神地区に近く、霞ヶ浦が首都圏に近く湖畔まで市街化しているのに比べると猪苗代湖が首都圏から離れていること、そのために大手開発業者手を出していないことが比較的自然のままの形で残されている原因なのでしょう。

 諏訪湖の水質汚染が深刻な状態であるとは古くから言われていることですが、その点猪苗代湖は湖の透明度測定では今でもかなり上位に位置しているはずです。それだけ周辺地区の開発が進んでいないということですが、今やそれを誇ってよい時代だといえるでしょう。

 自然を自然のままで残していくことがいまや私たちに課せられた大きな課題となっていますが、首都圏から離れた地にある猪苗代湖はその点では「自然のオーバーユース」に晒される危険性は少なく、湖の北側に位置する裏磐梯(磐梯高原)地区と比べても随分と小さいものといえるでしょう。

 そんな猪苗代湖が、とりわけ湖南地区が、その湖だけではなく田畑や森林も含めて可能な限り今の姿をとどめていけることを、出来ることならば季節が変わるごとに訪れ、その自然の移ろいを見続けることができることを願わずにはいられません。
今日の一枚は、湖南の森で咲く桜。
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