今日の神奈川新聞、第5面の対決

 我が家の「メイン新聞」は言わずと知れた神奈川新聞である(ちなみに「サブ」が朝日と日経)。その神奈川新聞の今日の第5面には二つの大きな記事。一つは「辛口時評」で「多様につながる事件」と題した竹中千春氏(明治学院大学国際学部教授)執筆の記事。もう一つは役重真喜子氏(岩手県花巻市教育委員会東和事務所長)が書く「論壇」で「こどもに『種』を蒔く~学ぶことは真似ること」題する記事だ。

 竹中氏は、本校こそ都内白金ではあるが横浜市戸塚に所在する同大学国際学部の教授であることから地元紙である神奈川新聞には度々登場著名人。一方、役重氏は中央官庁のキャリアの座を捨て地方に在住する論客として、どうやら神奈川新聞を初めとする地方紙では知られた存在であるらしい。

 竹中氏は最近紙面に登場した記事を例に取り「新聞をいかに読むか」を説く。新鮮味はないが、まぁ、悪くはない。しかしだ、「時評」とはその時々における批評・評論、つまりその時の旬な話題に対しての批評・評論ではないのか。新聞の読み方について論じることは悪くはないが、「時評」という的からはいささか外しているし、観念的に過ぎる。そもそも辛口でもない。

 役重氏は、「学ぶことは真似ることである」「真似られる社会をつくる地道な努力と汗こそ、こどもの中に本当の種をはぐくむ」と持論を展開する。いつもながら実体験に基づく論調は地に脚が着いており読むものを納得されるだけの力がある。そもそもが「論壇」であるから、時機に係わらず何を論じても良いとう有利さはあるが、実は学校・教育の問題に言及するなど時機に適している。

 というわけで今日の勝負、岩手県花巻市教育委員会東和事務所長の役重氏の勝ち。
 ちなみに、竹中氏は1957年、役重氏は1967年と生まれ年に10年の差のこそあるが、両名とも東京大学法学部の卒業、先輩・後輩の関係である。


 今日の1枚は、雪の下(ゆきのした)。雪などすっかり消えたころに咲くのに「雪の下」。上下非対称な花弁、そして葉は天麩羅にすると美味しいと言ういささかミステリアスな植物である。
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