AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm の修理

 「AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)の修理」というタイトルを入れたら、長すぎてシステムに拒否された。レンズの名前の何と長いことだろか。まるで「寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚の、水行末雲来末風来末、食う寝る処に住む処・・・」長いのでこの辺りで止めておくが、Nikon(ニコン)の一眼レフカメラ用レンズの名前も「寿限無(長いので以下省略)」に負けず劣らず長い。

 ニコンのDSLR(デジタル方式一眼レフカメラ)用レンズだという前提で書くならば、「VR 18-200mm」だけでも特定できるだろうし、もう少し詳しく書いたとしても「AF-S DX VR 18-200mm」で十分のこのレンズの特性を知ることができる。ちなみに修理用の伝票には「AF-S DX VR 18-200mm F3.5-5.6」と書かれていた。

 さて、この「VR 18-200mm」が鎌倉で撮影中のMF(マニュアル・フォース)がまったく作動しなくなったことは11月23日に書いた。予定の半分ほどの日数で修理が完了し11月27日に引き取りに行ったことも(ついでにGP-1を買ってしまったことも)熱心な読者はご存知のはず。

 さて、その「VR 18-200mm」の修理であるが、依頼した修理内容は次の通り。
1. 距離環回転不良(不良というよりはまったく回らなくなっていた)
2. レンズ内ゴミ清掃(かなりの量のホコリが入っていた)
3. ズーム自重落下(レンズを下に向けるとレンズが伸びてしまう)
4. その他各部点検
 以上、ニコン担当者記述のまま。(カッコ内は郷秋<Gauche>注)

 で、その処置内容は
1. 距離環回転不良の為関連部品を交換
2. 光学系ゴミのため光学系部を清掃
3. ズーム自重落下の為関連部品を交換
4. AF作動不具合のためAF駆動部の部品交換
5. キズのためフィルター取付環を交換
と云うものであった。

 意外だったのが処置4の「AF作動不具合のためAF駆動部の部品交換」である。確かにMF(マニュアル・フォーカス)は不良であったが、AF(オート・フォーカス)についてはまったく問題がなかったのだがMF機構との関連で交換したのだろうか。さらに意外だったのは5の「キズのためフィルター取付環を交換」。常時保護用フィルターを装着していたし、フードも常時付けているのでまさかそんなところが傷んでいたとは思いもよらなかった。

 ということで、戻ってきたレンズがほぼ新品状態になっていたので驚いた。

 写真では判りづらいと思うけれど、外観上は距離表示の窓のある銘表の部分を除き新品状態になっている。どうやら1. の「距離環回転不良の為関連部品を交換」のためにボディ側の部分が外装も含めて交換され、3. の「ズーム自重落下の為関連部品を交換」のためにズーム環より先、望遠側にズームすると伸びる部分も新しくなっている。

 5. の「キズのためフィルター取付環を交換」までされているので、交換されていないのは前述の通り距離表示の窓のある銘表の部分のみとなっている。実は銘表の部分の裏側にシリアルナンバーが刻印されており、クルマ云うならばこの部分がシャーシなんだろうな。つまりレンズ全体の骨格をなしている部分だ。そこにシリアルナンバーが刻印されているから、この部分は交換しない(できない)のだろう。

 購入から2年8ヶ月、酷使した結果レンズは中玉までホコリだらけ、鏡胴の塗装もテカッてしまっていた「VR 18-200mm」がほぼ新品同様になって戻ってきたわけだが、その代償は決して安くはなかった。部品代14,750円に工賃が14,500円、これに消費税を加えて30,713円の費用がかかった。

 部品代が意外と廉価であった気がするが、それはつまり、交換レンズの価格の大部分はレンズそのものの価格だということなのだろうか。ただし、「VR 18-200mm」の場合にはAF用の超音波モーターとVR(手振れ補正)ユニットが内臓されているから、この部分の交換が必要になると部品代もそれなりに必要になるだろ。

 郷秋<Gauche>の「VR 18-200mm」は保証期間内にVRユニットを一度交換している。レンズそのものはカビでも生えない限り劣化は無いと思うが、そのレンズを除いては購入時からそのまま使用している部分はAF駆動用の超音波モーターだけと云うことになる。

 朝鮮戦争の際に高性能かつ信頼性の高さで一躍世界に名を馳せたニコンではあるけれど、超高倍率ズーム、超音波モーター内臓、VR機構付きでそのスペックの割りには廉価となると、郷秋<Gauche>のようなヘビーユーザーの使用には耐え切れないというところなのかも知れないな。ちょっと考えさせられた「VR 18-200mm」の故障でありました。

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