スターフライヤー、離陸間近

 まずはこちらをご覧いただきたい。ブラックをテーマカラーとしたクールなWebsite、同じテーマが貫かれた(逆か)これまでの日本のエアラインではついぞ見たことのなかった斬新なカラースキームの機体。室内もまた黒レーザーのシートを奢ると言う徹底振りである。

 スターフライヤー、それは3月16日に開港する新北九州空港と同時にスタートする新しいエアラインである。JAL、ANAといった旧来からのエアラインに果敢にチャレンジしたスカイマークエアラインズ、エアドゥのあとを追う振興エアラインであるが、先行2社との大きな違いは立ち上げ当初から一日12便(新北九州-羽田)という多便運行である。

 もうひとつ特筆すべきは、スターフライヤーの導入機材がエアバスのA320である点。A320と言えばANAが1986年の導入以来、ローカル線の主力機として活躍してきた機材であるが、ANAはここに来てA320(と長胴型のA321)を順に退役させボーイング737NGへのリプレイスを進めている最中で、遠からずA320は日本の空から消え去る運命であった。そこにスターフライヤーのA320の登場である。

 そのスターフライヤー、2カ月後の3月16日の便のチケットが売り出せるや否や、スタート後わずか5分で始発の上下便(羽田発午前6時5分、北九州発同7時)を完売したという。幸先のよいスタートであるが、途中で失速することなく無事に巡航できることを願わすにはいられない。

 しかしだ、この黒くて丸い鼻先を見るたびにスターフライヤーよりも「ドルフィン・エアラインズ」の方がずっと素敵な名前なんじゃないかって思うんだけれど、どうだろう・・・。



 今日の1枚は、なるせの森の尾根道にある虫こぶコナラ。
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あかねの森



 今日の1枚は、すみよしの森から見たあかねの森
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blogは日記か?

 今月は年の初めの月だからなのだろう、新聞等で「日記の勧め」を何度か目にした。この手の記事は昔からこの時期の定番記事と言えるのだと思うけれど、今年はその中身がちょっと変わっていたぞ。世の中には「三日坊主」が多いらしくどうしたら続けられるか、その工夫を経験者の話や、続けやすい日記帳の紹介などで作るのがこの手に記事の定石なのだが、今年はそこにblogの利用が登場したのが目新しい。

 つまりWeb上で公開し、人様に見てもらうことを励みに続けてはどうかと言うのである。特に年配の方にはPC(のキーボード)を使うことはボケ防止にもなると謳われていたりするが、本当そうなのか? blogが、一般的には「日記風ホームページ」と説明されることから、この「勧め」は必ずしも間違ってはいない。何故なら日記とは「日々の出来事や感想などの記録(広辞苑)」だからであり、blogを日記帳に見立てて日記を書くのは確かに実に今様のスタイルであるかに見えるから。

 ただしだ、注意を要するのはblogの場合、世界中の人が見る「可能性がある」ということだ。家庭内のゴタゴタやら、職場や仕事上での鬱憤を日記に書いてそのストレスを解消するのであれば誰に迷惑をかけることもないけれど、同じことを同じようにblogに書いたとすると大変なことになる。広辞苑が言うところに(自分及び自分の身の回りに起こった)日々の出来事や感想などを有り体にblogに書いたのではトラブルの原因となること必至である。時に企業秘密がバレバレ、と言うことにもなる。

 ときにまさしく「日々の出来事」をblogに書いて、それが多くの読者の共感を呼ぶ事もある。郷秋<Gauche>もそんな書き手の人柄がにじむホンワカとしたblogを幾つか知っている。ただしだ、それはネットワークの成り立ちやらそこでのエチケットを知っている人の場合、時と場合に応じて内容を按配できる人の場合のみ許されることであり、インターネット初心者が、いくら簡単だからと言っていきなりblogに日記を書き始めるのはどうかと、郷秋<Gauche>は思うのだな。新聞の記事を書いている方がそこまで考えて「blog日記」を書いているのかどうか、ちょっと、いや、相当心配だぞ。



 今日の1枚は、日向ぼこりの猫。

 今日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますのでぜひご覧ください。
恩田Now 
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Nikon AFレンズのラインナップ

 7日11日Nikonがフィルム方式一眼レフとMFレンズのラインナップを大幅に縮小することについて書いたが、よくよく考えてみると、次の来るのはAFレンズのラインナンップ変更だろうということに気がついた。何故なら、現行AFレンズの多くがフィルム方式一眼レフを前提としたラインナップになっているからである。

 今後、Nikonカメラ部門の屋台骨を支えるデジタル方式一眼レフの撮像素子のサイズはAPS-Cと呼ばれるものでライカ版の2/3程のサイズのものである。このために装着するレンズの画角も2/3となり、その結果レンズの焦点距離が同じレンズをライカ版に装着した場合の1.5倍相当のものとなる。簡単に言えば、焦点距離200mmのレンズをNikonのデジタル方式一眼レフに装着すると300mmの望遠となるが、28mmの広角レンズの場合には42mm相当とほぼ標準レンズの画角になってしまうということである。フィルム方式一眼レフカメラのラインナップの縮小によりなぜレンズのラインナンップ変更かというと、ここに理由がある。

 例えば郷秋<Gauche>が常用している28-200mm F3.5-5.6D200に装着すると、このレンズは42-300mmのレンズに変身するのだ。撮像素子が小さい分「ボケ」を作りにくいデジタルカメラだからこればありがたい。このレンズの場合には最短撮影距離44cmとあいまってマクロレンズが不要な程の接写性能を発揮してくれる。

 ところがだ、広角側が問題になるのだ。28mmであれば広角レンズとして十分な画角があると考えるわけだが、これをD200に装着すると42mmとほぼ標準レンズ程度の画角となってしまい、これでは物足りない。

 これは現行のAFニッコールがあくまでもライカ版を前提にラインナップされているからである。今後Nikonの一眼レフの中心がAPS-C撮像素子を持つデジタル方式一眼レフになるのだとすれば現行の28-200mmでは当然広角側が十分とは言えず、せめて24-200mm(ライカ版35-300mm相当)のリクエストが、当然出てくる。できれば18-200mm(同27-200)が欲しいと。

 このリクエストに応えて、Nikonはちゃんと出してきた。D200の登場にあわせてデジタル専用DXシリーズに18-200mmのレンズをちゃんと用意してきたのだ。しかもシャッタースピード4段分の手振れ防止機構、VRⅡを搭載したオールマイティなレンズだ。ただし105,000円と、標準ズームとしては高価だ。

 現在のAFニッコールでは標準レンズとして50mmのF1.4とF1.8がラインナップされているが、これをNikonのデジタル方式一眼レフに装着すると、かつてはポートレート・レンズを言われた85mmに近い75mm相当の画角になってしまう。つまりデジタル方式一眼レフにとっての標準レンズは35mmと言うことにるのだが、現在はF2というそれ程明るくないレンズが1本用意されているだけである。MFニッコールにはF1.4という明るいレンズが用意されているのに。

 ズームレンズの性能が飛躍的に向上したいま、単焦点のレンズ不要論まで耳にすることがあるけれど明るさや重量、価格を考えるとまだまだ単焦点レンズを選ぶ積極的な理由だってある。

 さまざま考えると、今後AFニッコールのラインナップは徐々に整理・縮小され、デジタル方式一眼レフ専用のDXニッコールシリーズに移行してゆくことになるのだろう。特に絞りリングを持つDタイプのズームレンズはその多くが整理されることになるのではないだろうか(Nikonのデジタル方式一眼レフはレンズ側の絞りリングを必要としない)。また広角・標準系のレンズもデジタル方式一眼レフに相応しい画角を持ったものに集約されDXニッコールに移行して行くのではないかと郷秋<Gauche>は見るのだが、さて如何に。



今日の1枚は、冬の雑木林。

[ 撮影 : なるせの森 ]
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某国のF1はどこへ行く

 オフシーズンの今「F1の話題は2006年開幕に向けて各チームが精力的に進めているテストの結果に尽きる」と言うのは、全世界的に見た場合であって極東の某島国では初めて誕生する(であろう)、ドライバーも含めた「オール某国」チーム誕生のプロセスに一喜一憂しているようである。まったくインターナショナルじゃないんだな、この某国。

 この新チームの代表は元F1ドライバーだ。F1ドライバーが引退後にチームオーナーになるのは別に珍しいことではない。F1ファンならずともご存知であろう「マクラーレン」の創始者ブルース・マクラーレン、彼もまた元F1ドライバーである。1950年代終りから1960年代にかけて101戦出場。チャンピョンにこそなってはいないが4勝と3回のファステストラップの記録を残している。

 このマクラーレン、古くはエマーソン・フィッティパルディやジェームス・ハント、ニキ・ラウダ、比較的最近ではミヒャエル・シューマッハの登場まで共に史上最高のドライバーと称えられたアラン・プロストとアイルトン・セナを擁し、ミカ・ハッキネンもまた2度のワールド・チャンピョンをこのチームで獲得している。

 このマクラーレンで3度のワールド・チャンピョン(+ウイリアムズでも1回)を獲得したアラン・プロストが立ち上げたのが「プロスト・グランプリ」。リジェを買い取り、プジョーエンジンを使用するなどオール・フレンチで参戦するも初年(1997年)こそそこそこではあったけれど、その後はさしたる戦果を挙げられないままあえなく倒産、F1から姿を消している。

 輝かしい戦績を残すチームがある一方で、最高3位が1回という世界的にはまったく無名の元ドライバーが旗揚げするチームに世界のF1ファンはどれほど注目しているのだろうか。興味が尽きないぞ。

 いやいや、今日書こうと思っていたことと大分話がずれてしまった。
 書きたかったのは、某新参チームが果たしてどこまでやれるかと言うことだったんだ。どこまでと言うのは短期的な成績ではなく、果たして長く続けられるのかということだ。

 バブル期には多くの某国資本がF1にも投入されたが、バブル崩壊と共に跡形もなく消え去ってしまった。チームへの投資だけではなく、サーキットを某国内作るという形での資本投下もなされた。

 例えばTIサーキット英田(現岡山国際サーキット)。バブル絶頂期の1990年にオープンし94-95年にはパシフィックGPの舞台ともなったGPサーキットではあるけれど、2003年には民事再生法の適用を受け現在は出直し中である。

 例えばオートポリス(大分県)。これもまた1990年にオープンしたサーキット。当時のベネトンチームをスポンサードして知名度を上げ1993年には某国2つめのGPとしてアジアGP開催の噂もあったけれどあえなく頓挫。その後所有者・名称が度々変わるも昨年3月に川崎重工が取得し、名称も当初のオートポリスに戻しこちらもまた事実上の「再建」途上である。

 某国で継続的にF1に関わり、それなりの戦績をあげその地位を固めているのはHONDA、そしてそれを追うTOYOTAだけである。結局、潤沢な資金と強大な組織をもった者だけが継続的に関わり、そして結果を残すことできるということなのだな。

 間もなく2006年エントリーの正式なアナウンスされるであろう「スーパー・アグリ・フォーミュラワン」(と言うチーム名らしい)だけれど、スポンサーは勿論ファンの皆さんにも息の長い支援と応援をぜひともお願いしたいものだ。バブル期のそれのように、熱が冷めれば、資金がなくなれば即撤退ではなく、短期間で単に戦果をあげ投下資金の回収だけを望むのではなく、某国にF1文化を根付かせるくらいの気概を持って太く長いチャレンジが続けられることを願わずにはいられない。



今日1枚は、竹林、杉林、雑木林そして枯れススキ野原。

 [ 撮影 : あかねの森 ]

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冬の森

 冬の森の空は青い。その青い空の下でクヌギやコナラは逞しい幹を寒風に晒し、所々に交じる杉の木は一層黒々として灰褐色の裸の雑木林とのコントラストを際立たせる。



[ 撮影 : なるせの森 ]

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Nikonのフィルム方式一眼レフとMFレンズの今後

 7日に書いた記事の訂正が必要となった。
7日の「ついにこの日が・・・」と題して「Nikonのマニュアルフォーカス(MF)フィルム方式一眼レフカメラ「FM3A」およびMFニッコールレンズの生産が終了したこと、しかしNikonがフィルム方式一眼レフカメラから撤退すると言うのではい。マニュアルフォーカス・フィルム方式一眼レフカメラ(現在NikonオリジナルはFM3Aのみ)およびMFニッコールレンズの生産が終了するのであって、F5、F6、F100、F80等の製造が中止されるわけではない」と書いた。これはすべてhttp://www.camera-info.net/cic_report/news060104.htmを元に、郷秋の予想(想像)を含めて書いたものであるが、どうやら事実にとは違い記事で読者の皆さんを惑わしてしまったようである。

 当のNikonからこのことについてのニュースがリリースされた(http://www.nikon-image.com/jpn/news/info/info060111.htm 参照)。nikon.co.jpではなくnikon-image.com/の「新着情報」の中の記事なのでお気づきではない方が多いかも知れにない。事の重要性に鑑み上記記事より結論にあたる部分を引用、掲載する。

-----ここから引用-----

継続して生産、販売するフィルムカメラボディー、マニュアルフォーカス交換レンズ
カメラボディー

 F6
 FM10
マニュアルフォーカス交換レンズ
 AI ニッコール 20mm F2.8S
 AI ニッコール 24mm F2.8S
 AI ニッコール 28mm F2.8S
 AI ニッコール 35mm F1.4S
 AI ニッコール 50mm F1.2S
 AI ニッコール 50mm F1.4S
 AI マイクロニッコール 55mm F2.8S
 AI マイクロニッコール 105mm F2.8S
 PC マイクロニッコール 85mm F2.8D

-----引用ここまで-----

 7日に書いた記事に二つの誤りがあることがわかる。
 まずカメラボディーについての記述。郷秋は「F5、F6、F100、F80等の製造が中止されるわけでなない」と書いたが、F5、F100、F80(D/S)、U2、FM3Aの製造が中止される(既にされた)。
 マニュアルフォーカス交換レンズについての記述。すべてのMFニッコールの製造が中止される(既にされた)のではなく、標準レンズ、広角レンズ及びマイクロニッコールの一部は継続して製造される

 7日の記事のニュースソースについて、郷秋としては「信頼できる」としてその記事の記載内容に基づいて書いたのだが、考えてみれば「信頼できる」とする根拠は(いずれその日が来るであろうという郷秋の思い以外には)何もないのである。反省。果たしてこのことが「郷秋の独り言」以外のblogの記事になったかどうかはわからないが、ネット上で「Nikon MF撤退!」の情報が駆け回ったことは容易に想像できる。だからこそNikon自らが情報を公開したのだろうな。

 郷秋としてはF5購入の予定はいな。既にF3、F100、FM3A、EL、EMを持っていることを考えればF6を慌てて購入する必要もないし、FとF2は遠の昔に中古でしか入手できない状態であることを考えれば大きな問題はない(F4には食指が動かない)。レンズの方も欲しかったのは広角と標準だから(85mmは例外)、まっ、よしとするか。



 今日は、久しぶりに東京都下某所での1枚。
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結局雪とはならず

 もう一か月近くも一粒の雨も降らずカラカラに乾ききっている横浜地方ですが、昨晩就寝前の天気予報チェックではなんと翌朝霙の予報。積もったらクルマじゃ行けないし(数年前にミシュランのスタットレスタイヤを夏まで引っ張り履きつぶして以来冬タイヤなし)困ったなと思いながらも、ようやくお湿りが来るかと期待もしていたのです。6時30分に目覚まし時計を止めたときには薄暗い。ひょっとしてこれは降っているのかと思ったのだけれど、かすかに聞こえるクルマのタイヤノイズは残念ながら乾いた音。

 起きてブラインドを上げてみると、ドンヨリとした曇り空。クルマで行けるとほっとするやら、今日もカラカラ天気かとがっかりするやら、なんとも複雑な気持ち。既に平年の1年分の雪が降り大きな被害が出ている地方の方には申し訳がないのだけれど、雪でも雨でもいいから早く降ってくれないと冬とは言え植物も可哀想だし人間も肌がカサカサに乾燥するは風邪をひくはで、そろそろ限界に来ている感じなのです。

 週間予報を見ると金曜日までは同じような天気が続きそうな横浜地方ですが、土曜・日曜の降水確率は50~60%と雨の予報。是非ともお湿りを期待したいところです。しかも最高気温は14-5度とこの季節には異常とも言える暖かさ。寒ければ寒いで文句を言い、雨や雪が降れば文句、降らなくても文句。人間ってホント、身勝手な生き物だぁ。



今日の一枚は、谷戸の奥へと続く小径を遠望したもの。

[ 撮影: なるせの森]
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JAL機、またしても

 7日、伊丹発鹿児島行きのJAL3913便ボーイングMD90-30型機(乗客乗員181人)が鹿児島空港着陸の際、スラスト・リバーサー(逆推力(逆噴射)装置)が働かないというトラブルが発生した。前日に行われたメインテナンスの際に同装置が誤作動しないよう挿した安全ピンを、整備終了後に抜き忘れたのが原因だったのだという。

 3913便はランディング直後、機体を減速させるためにスラスト・リバーサーを作動させたが、左側エンジンの装置が作動しなかったため、急遽その使用をやめ、ランディング・ギア(車輪)のブレーキのみで停止したとのこと。

 トラブルのあった機体を“ボーイング”MD90-30型機と書いたが、正しくは“マグドネル・ダグラス”MD90-30型機と書くべきなのかも知れない。MD90は1965年に初飛行したマグドネル・ダグラスのリア双発エンジンの小型機、DC-9の後継・派生機であり、マグドネル・ダグラスがボーイングに吸収された後も製造が続けられた機種であるが、ボーイングのオリジナル小型機737シリーズと競合するために116機をもって1999年にそのが中止されたものである。

 日本ではJALとの経営統合前のJASが16機導入するなど、同社の主力機としてローカル路線で活躍した機体である。黒澤明監督のデザインによるレインボーカラーを採用して話題になっているので思い出される方も多いだろう。

 さてこのMD90-30の着陸距離は1,628mである。これに対して鹿児島空港の滑走路は3,000mあることからスラスト・リバーサーを使わずとも安全な着陸が出来たということのようである。しかし同様のトラブルが滑走路の短い空港で、それも着陸距離の長い機種で起こった時に事を考えると背筋が凍る思いである。

 例えば同じMD90-30でも滑走路の短い山形空港や出雲空港、奄美空港(いずれも2,000m)だったらどうなのか、あるいは着陸距離2,110mの747-400Dが小松空港(2,700m)への着陸の際に同じトラブルが起こったときに果たして安全に着陸・停止することが出来たのであろうか。

 勿論JAL機にだけ大事故につながりかねないトラブルが発生しているわけではない。ANAにおいてもトラブルはあるし、鹿児島発羽田行きスカイマークエアラインズのボーイング767型機のエンジントラブルも記憶に新しい。しかしだ、JAL機のトラブルは多すぎる。多発するトラブルにより乗客が他社に流れ、燃料代高騰により厳しい同社の経営環境に更に追い討ちをかけているのだというから何おか言わんや。

 JAL然りJR然り、大手金融機関を引き合いに出すまでもなく、まさしく「大企業病」の最たる症状である。日本におけるフラグシップ・エアラインとしての自覚を持ち、多発するトラブルを根絶してもらいたいものである。



今日の一枚は、青々とした白菜畑。

[ 撮影: なるせの森 ]
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今年最初の森歩き

 昨年は1月2日に、年末に降った雪が残っている森に出かけたのが歩き初めでしたが、今年は曜日周りの関係で年末は大晦日にそして年が明けては今日が歩き初めとなりました。北日本・日本海側の寒波・大雪とは裏腹に今日の横浜は風もなく穏やかな陽気となりました。

 この時期は花も咲いていなません(今日は椿も大犬のふぐりも見かけませんでした)ので一番の楽しみは葉を落として明るくなった雑木林を歩くことです。もう少しすると腐葉土を作るために集められてすっかりなくなってしまいますが、今日はまだこんな具合でした。



[ 撮影 : すみよしの森]

 今日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますのでぜひご覧ください。
恩田Now 
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ついにこの日が・・・

 ニコンのマニュアルフォーカス(MF)フィルム方式一眼レフカメラ「FM3A」およびMFニッコールレンズの生産がついに終了したようである(http://www.camera-info.net/cic_report/news060104.htm )。すでに一部のレンズを除きメーカーの在庫もなくなっているようであり、各販売店での在庫がなくなった時点でこれらの「新品」購入は事実上出来なくなる。

 いつかは来るものと思い覚悟はしていたけれど、ついにこの日が来た。郷秋<Gauche>は昨年夏に中古のF3を、秋には程度の良いFM3Aを手に入れている。すでに24mmから200mmまで7、8本のMFニッコールレンズを持っているが、これからポートレート用の明るい85mmや夜間撮影用にやはり明るい広角レンズが欲しいと思っていた矢先である。

 ここ1、2年低価格のデジタル方式一眼レフの普及につれてフィルム方式一眼レフカメラの中古価格が大幅に下落していたのだが、今回の製造中止により相場が上昇に転じる可能性もある。もっともカメラ本体とは違い使用に伴う傷みがそれほど大きくないレンズについては大きな価格下落(中古)はなかったけれど、これからはこちらも程度の良いものを中心に徐々に相場が上がる可能性もあろう。

 ただし、ここで早合点してはいけない。Nikonがフィルム方式一眼レフカメラから撤退すると言うことではない。マニュアルフォーカス・フィルム方式一眼レフカメラ(現在NikonオリジナルはFM3Aのみ)およびMFニッコールレンズの生産が終了するのであって、F5、F6、F100、F80等の製造が中止されるわけでなない。

 他のメーカーの事情はわからないが、Nikonが(私の)予想よりも早くMFニッコールの生産中止を決めたのには一つの理由がある。それは1959年のNikonFの発売以来46年間続けてきたMFニッコールと現行のAFニッコールのマウントが共通、半世紀にわたり不変であったということ。

 つまり、これまでに製造されたマニュアルフォーカス方式一眼レフ(Aiタイプ)にAFニッコールを装着しての撮影が可能なのである(ただしデジタル専用のDXタイプ、絞りリングのないGタイプを除く)。当然フォーカスはマニュアルになるけれど、絞り優先の自動露出も可能である。勿論MF専用のレンズほどフォーカスリングの操作性に気を使った設計はされていないのでMF専用のレンズのように「しっくりと手に馴染む」ところまでは行かないけれど。

 実は、これとまったく逆も可能。つまり最新のNikonのデジタル方式一眼レフであるD200にMFニッコールを装着しての撮影が可能なのだ。勿論フォーカスは手動だが、F5.6より明るいレンズの場合にはフォーカスエイド(ピントが合うとランプが点灯し知らせてくれる)が使える。露出はマニュアルの他に絞り優先のオートが使えるからありがたい。

 ファインダーの中の絞り値表示も事前にレンズの開放値を手動でセット(レンズの焦点距離と同時に)しておくことで正しく表示してくれる。他のメーカーがAF移行時にマウントを変更する中で頑なにFマウントを守り続けてきたNikonだからこそ可能なワザである。

 フォーカスの自動化はおろか、露出の自動化もなされていなかった時代に作られたマウントを50年もの間使い続けてくるためには多くの困難に出会ってきたことと思うが、その都度Nikonの技術者は安易にマウントの変更に走ることなく乗り越えてきたのだ。

 MFニッコールを新品で手に入れることが出来なくなることは残念だけれど、まだまだ多くのレンズが中古市場で流通しているので当分(郷秋<Gauche>が生きているあいだは?)は入手も可能であろうし、メンテナンスサービスも勿論継続されることあろう。ほど良くネットリとした手応えがするピントリングを操る楽しみが今すぐなくなるわけではないのだ。

 例えば音楽を聴くための道具がSPからLPに、LPからCDに、さらにシリコンのメモリに変わろうとしているように写真を撮るための道具だって当然変わってくる。CD全盛からシリコンのメモリに移行しようとしている今だけれど、だからと言ってSPを聴けないわけでもないしLPが聴けなくなるわけでもないのだ。カメラも同じだ。

「写真の楽しみ」はカメラを操る楽しみではなく、写真、つまり自分にとっての「作品」を創る楽しみが本来中心にあるはずである。もっとも「写真の楽しみ」の他に「カメラの楽しみ」があるのも確か。機械が好きな郷秋<Gauche>はどちらも楽しみたいほうであるが、時代の流れに逆らうことは出来ないのだろうな。

 だから郷秋<Gauche>は余りがっかりしないようにしたい。だって今時、東京から京都まで蒸気機関車が引っ張る列車で行きたいといっても無理だろう。仕方がないと諦めないとならないことも、時には必要なのです。

注:その後のNikonからの報道内容と若干違った記事と内容となっております。Nikonからの報道に基づいた記事を再度1/11に書いておりますのでそちらもぜひご覧ください。



今日の1枚は、冬の雑木林。

[ 撮影 : なるせの森 ]
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たった100台のために

 郷秋<Gauche>が定期購読しているCAR GRAPHIC2月号がようやく手元に届いた。どうしてかと言えば、毎月の号が発売になると私のオフィスまで配達をしてもらっているのだが、2月号が届くはずの昨年末にはすでに年内の仕事を終えてオフィスがクローズとなってしまったからなのである。そんなわけで仕事始めの今日、他の定期購読の2誌、注文していた単行本3冊とともに手元に届いたのである。

 雑誌が届くと各記事の読むべき順序を探るために、前から後ろからパラパラとページをめくるのが常なのであるが、そんな折にHONDAのS2000の広告のページに目がとまった。登場から6年目にして大きく変わったS2000の広告である。

 何が変わったかと言えば、エンジンが変わった。S2000というネーミングからは当然のように2000ccエンジン搭載を想像するのだが、昨年11月に登場したNew S2000はなんと2200ccのエンジンを搭載している。それではS2000ではなくS2200ではないかと言うことになるのだが、メスセデスやBMW各車の例を引くまでもなく、モデル名の数字と排気量とは必ずしも一致していなくても良い昨今であるらしい。

 マイナーチェンジされたS2000は排気量を10%増やしながらレブリミットと最高出力を抑え、実用回転域(3000~6500回転という「S2000的」中回転域)でのトルクを太くするなど特に街中での扱いやすさを大いに改善しているようだが、これまでのモデルとの最大の違いは実はエンジンではなく、スロットルが「ドライブ・バイ・ワイア」になったことなのではないだろうか。

 「ドライブ・バイ・ワイア」とは、アクセルペダルとスロットルの開閉が機械的に接続さらているのではなく、電気信号により操作される(アクセルペダルはエンジンの回転数を制御する「ボリューム」)というものである。旅客機の世界では「フライ・バイ・ワイア」と呼ばれ、すでに実用化され10年以上経つ装置であるが、ここに来て市販車においてもこの技術が導入・一般化される時期を迎えたということなのであろう。

 スロットル開閉を電気的に制御すると言うだだけではなく、この技術を用いれば今後はその中間に置いた電子装置の制御によりドライバーによるアクセルのオン・オフとは関係なくクルマの走行にとって最適なエンジン回転数に制御することなどが可能になる。クルマのインテリジェント化を更に押す進めるためには不可欠の技術なのである。

 そんなS2000の広告がCG誌上において2ページ見開きで展開されていたのである。デビュー後6年を経るクルマの広告を目にすること自体珍しいとも言える。そんな中でクルマ専門誌とは言えども、1年間で400万台のクルマが売れるこの日本で、毎月たった100台(2005年11月実績は92台!)しか売れないクルマのために見開きの広告を掲載するHONDAの「意気」を、やっぱり感じるな。だって、Top of the HONDA、NSXが生産を中止した今、次期NSX登場まではこのS2000がHONDAのスポーツイメージを引っ張っていくことになるのだから。



 今日の1枚は、一昨日に続いて帰省中に実家で撮影したシクラメン。
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戌年残酷物語

 今年は戌年。頂く年賀状は断然犬の絵柄が多い。愛犬の写真を年賀状としたものも多いが、そんな年賀状の犬の絵柄に面白いものを見つけた。

 青い首輪とピンクの首輪をつけたダックフントらしき二匹の犬が向かい合っている。それぞれに雲のような「吹き出し」(つまり台詞ではなく、思ったことが描かれた)がついている。

 青い首輪のダックフント―つまりオスなんだろうな―の吹き出しの中には赤いハートが描かれている。そしてピンクの首輪のダックフント―こちらはメスだろう―の方の吹き出しの中にあるのは「骨」なんだな、これが。あえてコメントはしませんが、人間で、よかったなぁ。ホッ。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の1枚は、枯れススキならぬ「枯れ背高泡立草」(セイタカアワダチソウ)。

[ 撮影:なるせの森 ]
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寒いのなんのって

 昨日、帰省してきました。いや~、寒いのなんのって。昨夜半から降り出した雪が今朝までに10センチほど積もっていました。まあね、寒いと言っても郡山ですから、たかが知れています。雪が降るといっても一晩で10センチやそこいらですから、もっと北の方や日本海側にお住まいの方には笑われてしまいますね。

 それでも横浜から帰ってきた郷秋<Gauche>には十分以上にインパクトのある寒さです。なぜ寒いかと言えば、横浜よりはだいぶ北にありますから寒いのは当然なのですが、家が寒いんですね。築20年の在来工法の家です。家の造りは横浜あたりの一般的な家と同じで、サッシのガラスも1枚。暖房器具はと言えばコタツに石油ストーブです。

 郷秋<Gauche>の独断と偏見で申し上げれば、福島県の家が日本中で一番寒い、はずです。福島よりも北、つまり宮城県あたりからは窓は二重窓やペアガラスの入ったサッシ。壁の中の断熱材もしっかり入っていて暖房器具も本格的なものが入っています。福島県あたりの場合にはほとんど首都圏並に建物の構造、暖房器具のままで外気温は7~8度低いわけですから寒くて当然といえますね。

 もっとも最近建てられる家は高気密・高断熱仕様で暖房装置もしっかりしているようですから、寒い家は郷秋<Gauche>の実家だけなのかもしれません(^^)。

 そんなこんなで、勿論カメラを携えて来てはいるのですが外に出る勇気も起こらずに、綿入れを羽織り、コタツに入り本を読み、老親の話し相手になって帰省2日目が過ぎてゆこうとしているのであります(以前にご紹介しました「ゴミ屋敷」の写真を撮りに行くつもりだったのですが、写真を撮っていると屋敷の主が「バカヤロー、写真なんか撮っているんじゃねーぞー!」と追いかけて来ると言う噂を聞き断念しました)。


 そんな訳で雪景色(あるいはゴミ家屋敷)の写真は撮れませんでしたので、今日の1枚は家の中で咲いていたシクラメンです。実は持ってきたレンズが27-105mmと、この手の撮影にはちょいと不向きなレンズでしたのでお得意の「超ハイキー写真」で誤魔化してみました。
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ようやく1/1

 HONDA F1の1/1つまり実車テストが可能な風洞(ドーナツ型のパイプにファンを設置し、その中で時速300kmの風を発生させて高速走行時の条件を再現する巨大な装置)がやっと完成するらしい。もっとも本稼動は7月になるらしいの、ここでの成果がレースに反映されるのはシーズン終盤となってからとなるだろう。それにしても今頃、ようやくである。

 F1の世界に本格的な「空力」を持ち込んだのは1967年のロータス49Bである。それ以前のクルマでは、空気抵抗を少なくすることに力を注いでも空気の力を積極的に利用することはなかったが、ロータス49B以降は長いストレートでの空気抵抗が増大することを覚悟の上で、コーナリング時のダウンフォースを増やすことを目的としたウィングの開発が進められることになる。

 サーキットで行われるレースにおいてはいかにしてコーナリングスピードを上げ、ラップタイムを削り取るかが大きな問題になる。そこで登場したのが空力デバイス(付加物)、つまりウィングである。68年、69年のウィングはいかにも「翼」然としていて、実に判り易かった。

 F1をはじめとするレースカーのウィングは飛行機のそれを逆向きに取り付けたもと考えれば良い。飛行機の翼は前からの風を受けると上向きの力、つまり揚力を発生しその揚力で空を飛ぶ。レースカーのウィングは風を受けると下向きの力、つまりダウンフォースを発生し、クルマを地面に押し付ける効果がある。

 現代F1マシンがウィングで発生させたダウンフォースがどのくらいの大きさなのかと言えば、マシン重量の2.5倍ほどになるのだという。マシン重量を500Kgとした時に、1,250Kgのダウンフォースが発生することになる。マシン自重を差し引いても750Kgのダウンフォースがあるわけだから、もし、メビウスの帯のようなサーキットがあったとするならば、F1マシン天井にある路面に張り付いて、つまり背面走行しながらコースを回ることが可能なほどのダウンフォースなのだ。高速のストレートエンドあたりで事故が起きると、時にマシンが高く舞い上がることがあるが、それは裏返しになったマシンがダウンフォースの逆、つまりウィングが発生した揚力によるものなのである。

 さて、ウィングにより発生したダウンフォースによりタイヤは路面に押し付けられ大きなグリップを発生する。これによりコーナーをより速く通過できるようになるわけであるが、コーナーは速くなるが高速のストレートでは空気抵抗を発生しスピードが伸びないというデメリットもまた併せ持つことになる。コーナーの少ない高速型サーキットではウィングをうすく(空気抵抗とダウンフォースを小さく)して対応するだが、このあたりのバランスがドライバーとメカニックの腕の見せ所となる。

 現代のF1ではこのウィングを中心とする空力デバイスが非常に大きなウエイトを占め、各チームともにマシン開発予算の少なくとも15%を投入しているといわれている。その空力開発の切り札が1/1つまり実物大の風洞なのだ。HONDA F1チームはこれまで1/2のものしか持っていなかったのである。一言で風洞とは言っても1/1と1/2ではその建設費に大きな違いがあり、主に資金的な理由により実物大の風洞の建設が遅れていたようである。

 しかしながらシリーズ・チャンピョンを狙うライバルチームはどこもこの実物大の風洞を持ち、実車でのテストを繰り返している。1/2の風洞では/2サイズのモデルでテストをするわけであるが、実物大の風洞では当然実車でのテストが可能となる。2005年シーズン、BAR HONDAの思わぬ苦戦はこのあたりにもその原因の一端があるのかも知れない。

 オールホンダとなった2006年ではなく、新しい風洞が稼動した後、つまり2007年シーズンこそが HONDA F1逆襲のシーズンとなるのではないかと郷秋<Gauche>は見ているが、さて如何に。



 今日の1枚は、なるせの森、番匠谷戸の梅。開花まであとひと月半。
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