隣の家の柿の木に、紡錘形の大きな柿が二十個ほど実った。昨年、一昨年と、一個も実をつけなかったのに、今年は豊作だった。昨年まで隣家は空き家になっていて、持ち主から「柿を採って食べてもいいよ」というお墨付きをいただいていた。
三年前に豊作となり、遠慮なくいただいて渋を抜いて食べた。ボリュームもあり、非常においしい柿で、なんという品種か知らないが、もう食べられないと思うと残念だ。隣家は買い手がついて、人が住むようになったのだ。
残念に思っているところへ、新道の友人から「柿を採りに来ないか」との誘いがあった。もちろん飛んでいった。新道の柿が美味しいことはよく知っている。子供の頃、木に登って甘柿を採ったことはあるが、本格的な柿の収穫は初めてである。
新道の柿は今年は不作だと報道されているが、柿団地の柿は、意外にたくさんの実をつけていた。友人のところの柿は平年並みの出来だというから、バラツキがあるのだろう。雨の上がった日で、大勢の人が収穫に精を出していた。
新道の柿は、いわゆる「おけさ柿」で、種がないことが不思議なことから「八珍柿」とも呼ばれるが、もっと不思議なことがある。あの四角形が不思議でならない。ほとんどの果実は球形をしているのに、おけさ柿は四角い。
なぜだ。四角形だと出荷の時、段ボール箱に詰める時に、無駄が無くて効率的だ。「おけさ柿」は人間にとって便利なように進化したのだろうか。あり得ないことではない。突然変異で四角になった柿を、先人達が選択的に栽培してきたという可能性もある。
ところで、柿組合の人達の高齢化も進み、オーナー制度も導入されているが、あちこちに手入れのされていない柿の木が目立つ。収穫後の剪定、結実後の摘果など、良質の柿を実らせるための作業はなかなか大変だということだ。オーナーになってみようかな。
三年前に豊作となり、遠慮なくいただいて渋を抜いて食べた。ボリュームもあり、非常においしい柿で、なんという品種か知らないが、もう食べられないと思うと残念だ。隣家は買い手がついて、人が住むようになったのだ。
残念に思っているところへ、新道の友人から「柿を採りに来ないか」との誘いがあった。もちろん飛んでいった。新道の柿が美味しいことはよく知っている。子供の頃、木に登って甘柿を採ったことはあるが、本格的な柿の収穫は初めてである。
新道の柿は今年は不作だと報道されているが、柿団地の柿は、意外にたくさんの実をつけていた。友人のところの柿は平年並みの出来だというから、バラツキがあるのだろう。雨の上がった日で、大勢の人が収穫に精を出していた。
新道の柿は、いわゆる「おけさ柿」で、種がないことが不思議なことから「八珍柿」とも呼ばれるが、もっと不思議なことがある。あの四角形が不思議でならない。ほとんどの果実は球形をしているのに、おけさ柿は四角い。
なぜだ。四角形だと出荷の時、段ボール箱に詰める時に、無駄が無くて効率的だ。「おけさ柿」は人間にとって便利なように進化したのだろうか。あり得ないことではない。突然変異で四角になった柿を、先人達が選択的に栽培してきたという可能性もある。
ところで、柿組合の人達の高齢化も進み、オーナー制度も導入されているが、あちこちに手入れのされていない柿の木が目立つ。収穫後の剪定、結実後の摘果など、良質の柿を実らせるための作業はなかなか大変だということだ。オーナーになってみようかな。
(越後タイムス11月6日「週末点描」より)