二十五日に比角地区で行われた柏崎市総合防災訓練に、住民の一人として参加した。朝八時三十分に「市内で震度6強の地震発生。比角地区の皆さんは避難を始めてください」との防災無線の放送に即座に対応。町内避難所の東柏崎駅前広場に向かう。
向かうといっても、歩いて三十秒もかからない距離だから一番乗りである。しかし高齢者も多い。松葉杖をついてやっと歩いてくる人もいる。皆が“要援護者”の役をやるために、わざとやっているのだと思っていたら、コミュニティ祭りで本当に骨折したのだという。
そんなことで、なかなかスムースな集合とはいかなかったが、九時十五分に最終避難所の第二中学校へ向かう。ここも目と鼻の先なので、訓練が始まるまで一時間近く何をするでもなく時間をやり過ごすことになる。どうにも臨場感もなければ緊張感もない。
住民としての参加はここまで。あとは取材だ。市災害対策本部が設置され、ヘリコプターによる救出訓練など、派手なメニューのある比角小学校へ歩いて向かった。
会田市長の挨拶に続いて、県防災航空隊によるヘリコプターでの救出訓練、消防によるエアーテントの設置、はしご車による屋上からの救出訓練、さらに自衛隊、消防による倒壊家屋からの救出救助訓練と続いた。
よく訓練された人たちが、時間のロスなく整然と行動した。ヘリコプターから下げたロープをつたっての救助隊員の降下など見事なものだったし、エアーテントがあっという間に設置されるのにも目を見張った。
まるで“防災ショー”を見ているようだった。確かに比角小学校では参加者のほとんどは訓練に参加することなく、“防災ショー”を見物していたのである。一方、二中では、バケツリレーや水消火器による初期消火、三階からの救助袋をつかっての避難体験など、多くの参加者が実際の訓練を体験した。煙を焚いての放水訓練は臨場感があった。
派手な防災ショーよりも、そちらを取材すべきだったように思うし、防災訓練は“見物”に終わるべきではないように思った。
向かうといっても、歩いて三十秒もかからない距離だから一番乗りである。しかし高齢者も多い。松葉杖をついてやっと歩いてくる人もいる。皆が“要援護者”の役をやるために、わざとやっているのだと思っていたら、コミュニティ祭りで本当に骨折したのだという。
そんなことで、なかなかスムースな集合とはいかなかったが、九時十五分に最終避難所の第二中学校へ向かう。ここも目と鼻の先なので、訓練が始まるまで一時間近く何をするでもなく時間をやり過ごすことになる。どうにも臨場感もなければ緊張感もない。
住民としての参加はここまで。あとは取材だ。市災害対策本部が設置され、ヘリコプターによる救出訓練など、派手なメニューのある比角小学校へ歩いて向かった。
会田市長の挨拶に続いて、県防災航空隊によるヘリコプターでの救出訓練、消防によるエアーテントの設置、はしご車による屋上からの救出訓練、さらに自衛隊、消防による倒壊家屋からの救出救助訓練と続いた。
よく訓練された人たちが、時間のロスなく整然と行動した。ヘリコプターから下げたロープをつたっての救助隊員の降下など見事なものだったし、エアーテントがあっという間に設置されるのにも目を見張った。
まるで“防災ショー”を見ているようだった。確かに比角小学校では参加者のほとんどは訓練に参加することなく、“防災ショー”を見物していたのである。一方、二中では、バケツリレーや水消火器による初期消火、三階からの救助袋をつかっての避難体験など、多くの参加者が実際の訓練を体験した。煙を焚いての放水訓練は臨場感があった。
派手な防災ショーよりも、そちらを取材すべきだったように思うし、防災訓練は“見物”に終わるべきではないように思った。
(越後タイムス10月30日「週末点描」より)