沖縄県の尖閣諸島国有化に端を発した、中国における反日デモ等の報道が連日続いている。ニュースを見ていて感じたことは、デモの参加者に若者が多いことと、その言動があまりに過激であることだった。
なかには、「日本に原爆を落とせ」だの、「日本人を皆殺しにしろ」などという、正気を疑う言葉が掲げられていて、これだけでも連日伝えられた反日デモの異常さを窺うことができる。
若者が多いということは、それだけ若者の間に現状への不満が鬱積していることを示しているし、過激なスローガンは彼等が自らの理性をコントロールできていないことを示してもいる。自らの首を絞めるような略奪行為にいたっては論外である。
中国当局が千二百円の日当を出してデモの参加者を募ったなどという報道もあるが、あり得ることだ。ナショナリズムを煽ることで、国内の矛盾を覆い隠し、国威発揚につなげることができる。歴史上こうしたことは、何度も繰り返されてきた。かつての日本においても……。
今回、日本国民の冷静な対応は特筆に値する。鈍感なわけではあるまい。あの異常な行動に対して、「相手にする必要はない」と考えているのに違いない。ナショナリズムは諸刃の剣であり、振り上げた拳はいずれ自らの上に落ちてくる。独善的で排外主義的なナショナリズムが破綻しなかったためしはないのだ。
柏崎からの進出企業に被害はなかったようだが、柏崎出身者で仕事上、暴動の影響を受けた人はいる。次号で現地レポートをお伝えしたい。
ところで、今年は日中国交正常化四十周年の年であったはずだ。観光交流にも大きな期待が寄せられたというのに……。田中角栄も周恩来も草葉の陰で泣いていることだろう。
なかには、「日本に原爆を落とせ」だの、「日本人を皆殺しにしろ」などという、正気を疑う言葉が掲げられていて、これだけでも連日伝えられた反日デモの異常さを窺うことができる。
若者が多いということは、それだけ若者の間に現状への不満が鬱積していることを示しているし、過激なスローガンは彼等が自らの理性をコントロールできていないことを示してもいる。自らの首を絞めるような略奪行為にいたっては論外である。
中国当局が千二百円の日当を出してデモの参加者を募ったなどという報道もあるが、あり得ることだ。ナショナリズムを煽ることで、国内の矛盾を覆い隠し、国威発揚につなげることができる。歴史上こうしたことは、何度も繰り返されてきた。かつての日本においても……。
今回、日本国民の冷静な対応は特筆に値する。鈍感なわけではあるまい。あの異常な行動に対して、「相手にする必要はない」と考えているのに違いない。ナショナリズムは諸刃の剣であり、振り上げた拳はいずれ自らの上に落ちてくる。独善的で排外主義的なナショナリズムが破綻しなかったためしはないのだ。
柏崎からの進出企業に被害はなかったようだが、柏崎出身者で仕事上、暴動の影響を受けた人はいる。次号で現地レポートをお伝えしたい。
ところで、今年は日中国交正常化四十周年の年であったはずだ。観光交流にも大きな期待が寄せられたというのに……。田中角栄も周恩来も草葉の陰で泣いていることだろう。
(越後タイムス9月25日「週末点描」より)