リービ英雄氏の講演会が終わった。越後タイムス同人達で運営する文学と美術のライブラリー「游文舎」にとって、今年の最も大きな事業であった。入場無料の講演会が多い中、二千円も出して参加してくださった多くの方々に感謝申し上げたい。
講演会終了後、ドナルド・キーン・センター柏崎を見学し、その足で松之山温泉に向かった。メンバーを記録しておく。游文舎企画委員・霜田文子、同じく鴨下利明、「じょんのびだより」編集長・大橋勝彦、タイムスに「感覚のルネサンス」連載中の渡辺和裕、バルザック翻訳家・片桐裕、新大医学部学生・阿部大樹、キーン・センター学芸員・石黒志保、元日本経済新聞文化部記者・浦田憲治、永井荷風研究家・坂巻裕三の各氏である。
現地に住む写真家の橋本紘二氏も合流して、リービ氏と私を含めて総勢十二人となった。宿は築百三十五年の木造三階建ての威容を誇る「陵雲閣」である。この建物をリービ氏が気に入ってくれるものと信じての選択であったが、ことのほか喜んでいただけた。
「作家は、こういうところで原稿を書かなければならない」とリービ氏は言われたが、自称「最後の文人」らしい言葉であった。一昔前の作家は、こういう温泉旅館に缶詰になって原稿を書いたのだ。もちろん原稿は手書きでなければならない。
夕食後、十二人が一部屋に集合して、文学談義に花を咲かせた。めったにあることではないので、これを楽しみに参加したメンバーも多く、談論風発で深更に及んだ。
ところが、私は前日の疲れがたたったのか、一人寝込んでしまったのだった。なんというもったいないことをしてしまったのだろう。だらしなく寝ている姿を写真にまで撮られてしまった。
でもこれまで経験したことのないほど充実した二日間であった。リービ氏に感謝申し上げたい。
講演会終了後、ドナルド・キーン・センター柏崎を見学し、その足で松之山温泉に向かった。メンバーを記録しておく。游文舎企画委員・霜田文子、同じく鴨下利明、「じょんのびだより」編集長・大橋勝彦、タイムスに「感覚のルネサンス」連載中の渡辺和裕、バルザック翻訳家・片桐裕、新大医学部学生・阿部大樹、キーン・センター学芸員・石黒志保、元日本経済新聞文化部記者・浦田憲治、永井荷風研究家・坂巻裕三の各氏である。
現地に住む写真家の橋本紘二氏も合流して、リービ氏と私を含めて総勢十二人となった。宿は築百三十五年の木造三階建ての威容を誇る「陵雲閣」である。この建物をリービ氏が気に入ってくれるものと信じての選択であったが、ことのほか喜んでいただけた。
「作家は、こういうところで原稿を書かなければならない」とリービ氏は言われたが、自称「最後の文人」らしい言葉であった。一昔前の作家は、こういう温泉旅館に缶詰になって原稿を書いたのだ。もちろん原稿は手書きでなければならない。
夕食後、十二人が一部屋に集合して、文学談義に花を咲かせた。めったにあることではないので、これを楽しみに参加したメンバーも多く、談論風発で深更に及んだ。
ところが、私は前日の疲れがたたったのか、一人寝込んでしまったのだった。なんというもったいないことをしてしまったのだろう。だらしなく寝ている姿を写真にまで撮られてしまった。
でもこれまで経験したことのないほど充実した二日間であった。リービ氏に感謝申し上げたい。
(越後タイムス4月25日「週末点描」より)