玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

ハネムーン症候群

2011年08月26日 | 日記
 先週、熱中症になりかかった翌日も体調がすぐれず、昼寝をしようと思って横になったところ、頭の中で「ミーン、ミーン」とセミが鳴き始めて止まらない。頭の中のセミの鳴き声を消そうとしても、なかなか消えてくれない。いつまでも「ミーン、ミーン」というセミの声が続いて、昼寝どころではなかった。
 セミの声を聞いた日の夜に体調は戻り、もう変調はないだろうと思っていたら、またしてもトラブルに見舞われた。三日後の夜中に、左手に痺れを感じ、掌と指がうまく動かせなくなっているのを発見した。
 水を飲みに台所に立って、コップを左手でつかもうとするが、うまく掴めない。手の指に力がまったく入らない。“これはおかしい。えらいことになった”と思い、翌朝整形外科に直行した。医院に着く前に、八年前のことを思いだした。
 やはり、ある日突然、右手に痺れを感じ、掌と指にまったく力が入らなくなった。医院で「とう骨神経麻痺」と診断された。「ハネムーン症候群」とも呼ばれるもので、新婚旅行で一晩中新妻に腕枕などしていると、よくなる症状だと言われた。
 身に覚えは全くなかったので、恐らくよほど寝相が悪かったのだろうということにされた。右手のときは、文字も書けず、箸も持てず、お尻も拭けなかったので、大変苦労したが、今回はそれほどでもないが、何かと不自由で困る。
 しばらく昼間はギブスをつけて生活することになる。ところで今回も腕枕した覚えなど全くないことを言っておかなければならない。

越後タイムス7月29日「週末点描」より)


コメント
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