気象庁による最初の地震名は「東北地方太平洋沖地震」だった。この名称はしばらく使われていたが、被害の規模が想像以上に大きいことが分かるとすぐに、地震の名前は「東北関東大震災」に変わった。柏崎市は「東北地方太平洋沖地震」の名称を使い続けた。
さらに被害の拡大が明らかになってくると「東日本大震災」の言葉が使われるようになった。しかしNHKなどはその後も「東北関東大震災」という言葉を使い続けた。小紙も当初から「東北関東大震災」という言葉で通してきたが、四月一日に政府の決定があってからは「東日本大震災」に切り替えた。
しかし、東日本全体が被災したわけではない。東日本でも日本海側の県はほとんど被害を受けていないわけだし、「東北関東大震災」の呼称の方が現実を正しく表していると思う。今後も「東日本大震災」の呼称を使わざるを得ないが、この名称は国際的な風評被害を拡大させる恐れがある。今更変えられないだろうが……。
ところで現在、私どもの文学同人誌「北方文学」で「現代詩特集」の編集を進めているが、「東日本大震災」は首都圏の詩人達の心にも激震をもたらしたようだ。四月十五日で一応締め切ったが、首都圏から二十人以上の詩人が作品を寄せてくれ、しかもそのほとんどが、大震災の体験や原発事故に触れている。
「現代詩特集」は「災厄詩特集」となってしまった。企画を始めた昨年十二月には夢にも思っていなかったことだった。谷川俊太郎さん、吉増剛造さん、高橋順子さんなど、大変著名な詩人の作品も揃った。一昨年柏崎で講演された長谷川龍生さんも作品を送ってくださることになっている。
「北方文学」六十五号は、中央の詩誌に先駆けた「災厄詩集」として詩史に残ることになるかも知れない。
さらに被害の拡大が明らかになってくると「東日本大震災」の言葉が使われるようになった。しかしNHKなどはその後も「東北関東大震災」という言葉を使い続けた。小紙も当初から「東北関東大震災」という言葉で通してきたが、四月一日に政府の決定があってからは「東日本大震災」に切り替えた。
しかし、東日本全体が被災したわけではない。東日本でも日本海側の県はほとんど被害を受けていないわけだし、「東北関東大震災」の呼称の方が現実を正しく表していると思う。今後も「東日本大震災」の呼称を使わざるを得ないが、この名称は国際的な風評被害を拡大させる恐れがある。今更変えられないだろうが……。
ところで現在、私どもの文学同人誌「北方文学」で「現代詩特集」の編集を進めているが、「東日本大震災」は首都圏の詩人達の心にも激震をもたらしたようだ。四月十五日で一応締め切ったが、首都圏から二十人以上の詩人が作品を寄せてくれ、しかもそのほとんどが、大震災の体験や原発事故に触れている。
「現代詩特集」は「災厄詩特集」となってしまった。企画を始めた昨年十二月には夢にも思っていなかったことだった。谷川俊太郎さん、吉増剛造さん、高橋順子さんなど、大変著名な詩人の作品も揃った。一昨年柏崎で講演された長谷川龍生さんも作品を送ってくださることになっている。
「北方文学」六十五号は、中央の詩誌に先駆けた「災厄詩集」として詩史に残ることになるかも知れない。
(越後タイムス4月22日「週末点描」より)