友人が早春の海から採れたてのアオサを届けてくれた。十七日・十八日に西山町大崎の雪割草の里で開かれた「雪割草まつり」の会場から、わざわざ持ってきてくれたアオサは、春の色と春の香りを運んでくれた。
アオサは味噌汁の具にするのがよい。磯の香りが立ち上がり、そのあざやかな緑色が目を楽しませてくれるからだ。浜辺に行けば岩場や波打ち際で一年中アオサは波にゆらいでいる。しかし、アオサが一番おいしいのはまちがいなく早春のこの時期だ。
そのことを知ったのは、「雪割草まつり」の会場であった。まだ肌寒いこの時期に、「雪割草まつり」で無料でふるまわれるアオサ汁に、心身ともに暖まる“春の息吹”を感じたのが最初だった。素朴でありふれた海草を、その時ほどおいしいと思ったことはなかった。
フキノトウはその鮮烈な香りとエグ味で山里から春の訪れを口に運んでくるが、アオサもまた春の訪れを海から知らせてくれるのである。友人が届けてくれたアオサをさっそく味噌汁にしていただいた。おいしかった。他の具は一切入れず、アオサだけにしなければいけない。やさしい磯の春を味わうのだから……。
他にも調理法はあると思うが、少し乾燥させてから、電子レンジでカリカリにしてほぐせば、いわゆる“青のり”になる。お好み焼きにかけて食すあれである。新鮮なアオサは磯の香りをさらに増して、美味極まりない。ごはんに掛けるもよし、ビールのつまみにするもよし。海辺の近くに住んでいないから、なかなかこの時期、浜に出る機会はないのだが、早春の浜辺に行けばこんな宝物がいくらでも手に入るのである。
アオサは味噌汁の具にするのがよい。磯の香りが立ち上がり、そのあざやかな緑色が目を楽しませてくれるからだ。浜辺に行けば岩場や波打ち際で一年中アオサは波にゆらいでいる。しかし、アオサが一番おいしいのはまちがいなく早春のこの時期だ。
そのことを知ったのは、「雪割草まつり」の会場であった。まだ肌寒いこの時期に、「雪割草まつり」で無料でふるまわれるアオサ汁に、心身ともに暖まる“春の息吹”を感じたのが最初だった。素朴でありふれた海草を、その時ほどおいしいと思ったことはなかった。
フキノトウはその鮮烈な香りとエグ味で山里から春の訪れを口に運んでくるが、アオサもまた春の訪れを海から知らせてくれるのである。友人が届けてくれたアオサをさっそく味噌汁にしていただいた。おいしかった。他の具は一切入れず、アオサだけにしなければいけない。やさしい磯の春を味わうのだから……。
他にも調理法はあると思うが、少し乾燥させてから、電子レンジでカリカリにしてほぐせば、いわゆる“青のり”になる。お好み焼きにかけて食すあれである。新鮮なアオサは磯の香りをさらに増して、美味極まりない。ごはんに掛けるもよし、ビールのつまみにするもよし。海辺の近くに住んでいないから、なかなかこの時期、浜に出る機会はないのだが、早春の浜辺に行けばこんな宝物がいくらでも手に入るのである。
(越後タイムス3月23日「週末点描」より)