重度意識障害者を在宅介護する家族の震災時の体験や、災害時の支援の在り方などをテーマにしたシンポジウムが25日、福島県郡山市の「ビッグアイ」で開かれた。病気や交通事故などで脳に重い損傷を負った遷延性意識障害者の家族らでつくる「宮城県ゆずり葉の会」(沼田孝市会長)の主催で、医療・福祉関係者ら約80人が参加した。
シンポジウムでは、会員2人が震災時の介護体験を発表。須賀川市の自宅で遷延性意識障害の長女(21)を介護する車谷晴美さん(48)は福島第1原発事故後、ヘルパー、医師、看護師が遠方に避難してしまうのではないかとの不安に襲われた当時の心境を語り「震災と原発事故で遷延性意識障害者の家族は追い詰められている」と支援の必要性を訴えた。
仙台市太白区のマンション22階で夫(60)を介護する園田淳子さん(55)は停電の4日間、電動式の介護ベッドの角度を調整できず、エレベーターも利用できなかった。「電気が復旧して明るくなった部屋で、主人に経管栄養を入れた時は本当にうれしかった」と振り返った。
東北療護センター(仙台市)の長嶺義秀センター長は、遷延性意識障害の症状や改善状況などについて講演した。
シンポジウムに参加した福島県西郷村の相山敏子さん(52)は自身も重度の障害者。「遷延性意識障害者は助けがほしくても声も上げられない。重度の障害者が地域で安心して生きられる制度がほしい」と感想を語った。
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東日本大震災時の在宅介護の苦労などについて発表するゆずり葉の会の会員家族ら=25日、郡山市のビッグアイ
2011年09月26日月曜日
シンポジウムでは、会員2人が震災時の介護体験を発表。須賀川市の自宅で遷延性意識障害の長女(21)を介護する車谷晴美さん(48)は福島第1原発事故後、ヘルパー、医師、看護師が遠方に避難してしまうのではないかとの不安に襲われた当時の心境を語り「震災と原発事故で遷延性意識障害者の家族は追い詰められている」と支援の必要性を訴えた。
仙台市太白区のマンション22階で夫(60)を介護する園田淳子さん(55)は停電の4日間、電動式の介護ベッドの角度を調整できず、エレベーターも利用できなかった。「電気が復旧して明るくなった部屋で、主人に経管栄養を入れた時は本当にうれしかった」と振り返った。
東北療護センター(仙台市)の長嶺義秀センター長は、遷延性意識障害の症状や改善状況などについて講演した。
シンポジウムに参加した福島県西郷村の相山敏子さん(52)は自身も重度の障害者。「遷延性意識障害者は助けがほしくても声も上げられない。重度の障害者が地域で安心して生きられる制度がほしい」と感想を語った。
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東日本大震災時の在宅介護の苦労などについて発表するゆずり葉の会の会員家族ら=25日、郡山市のビッグアイ
2011年09月26日月曜日