ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

“社会の壁をなくす”

2016年04月07日 03時58分03秒 | 障害者の自立

 キーワードでニュースを読み解く「every.キーワード」。5日のテーマは“社会の壁をなくす”。「障害者差別解消法」では、役所や企業、店に対して、障害を理由とした不当な差別をすることを禁止している。さらに、障害のある人からの求めに応じて“合理的な配慮”をするよう定めている。どのような背景や課題があるのだろうか。日本テレビ・小栗泉解説委員が解説する。

■41.5%が「外出時に困ることがある」

 「差別をしない」「配慮をする」ことは当たり前のように思えるが、厚生労働省が行った調査によれば、「外出にあたって困る事がありますか」という質問に、障害のある人の41.5%が「ある」と答えている現実がある。そのような背景もあり、個人の判断に委ねるのではなく、このような法律で明確に規定されることになった。

■“合理的な配慮”とは―

 個別の状況に応じて、必要とされる配慮というのは様々なので、「負担が重すぎない範囲でできるだけの配慮をする」ということで、法律では“合理的な配慮”としている。内閣府は具体的に下記のような配慮の例をあげている。

・飲食店で目の不自由な人に対して、メニューを読み上げる
・銀行で字を書くのが難しい人に対して代筆で対応する

 ただし、あくまでも企業や飲食店などに課せられるのは努力義務で、こうした対応をしなかった企業や店が罰せられるわけではない。また、役所や国公立の学校といった行政機関は、率先して配慮を行うべきとして法的義務が課されるが、いずれも罰則はない。

■難病の生徒のために20個のマウスを―

 香川県にある善通寺養護学校ではこうした配慮を今回の法律施行に先駆けて行っている。車いすで学校に向かうのは、高校2年生の宇田汰市さん。生後まもなく筋肉が萎縮する難病「脊髄性筋萎縮症」を発症。普段、隣の病院から学校に通っているが、週に数回、担任の先生たちが病室まで出向いてくれる。

 宇田さんがベッドの上で使うのは、マウスとタブレット端末。指先しか動かせない宇田さんでも操作できるものを先生たちが用意した。その端末で取り組むのは、ITサービス会社から課された職業体験の課題。先生たちが宇田さんの能力を活かして“キャリア”に繋げようと、病室でも職業体験をさせてくれる企業を探したのだ。

 宇田さん「実習ができる環境を整えてくれたり、活動する場を広げてくれた」

 近藤創先生「その子の困っているところに適切な機器やチャンスを与えてあげる。そういった指導をたくさんの先生がしていくと過ごしやすい子どもが増えるのでは」

 この学校では、宇田さんの障害にあわせるだけでなく、可能性を広げる教育をしている。宇田さんが指先でうまく動かせるマウスを探すのに、先生らはマウスを20個も買って試したという。子どもそれぞれの障害に対応するということは、お金も人も道具なども必要になるので、どの学校でも簡単にできるわけではない。

■子どもの成長にとってもプラス

 国立特別支援教育総合研究所の原田公人さんは「お金や人といったハード面がなくても障害に応じた配慮をしよう、という気持ちを持つことはできる」「今回の義務づけが、障害のない子どもたちが、障害のある子をどう気遣ったらいいかと考えるきっかけになってほしい。それは、いじめなど社会問題がある中で、子どもたちの成長にとっても良いことだ」と話す。

■相手の立場に立ってみる

 今回、新たな法律が施行されたが、できればこうしたことは法律や罰則で決められなくてもできる社会でありたい。ちょっと想像力を働かせて相手の立場に立ってみる、そうすればきっとお互いに何を必要としているかが、見えてくるのではないだろうか。

ITpro    2016年4月6日


障害者差別解消法が施行、Webのアクセス性改善の機運高まる

2016年04月07日 03時48分24秒 | 障害者の自立

 障害を理由にしたサービス提供の拒否/制限を禁じる法律が、2016年4月1日に施行された。「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)である。国の行政機関や地方公共団体をはじめ、民間事業者も対象となる。

 この法律は、情報アクセシビリティ(情報へのアクセスのしやすさ)を、社会的障壁を取り除くための「環境整備」と位置付ける。その向上を、違反しても直ちに罰則を受けない「努力義務」として課す。行政機関や事業者による自主的な取り組みを促す。

 障害のある人から要請を受けた場合には、負担になり過ぎない範囲の「合理的配慮」も必要になる。音声読み上げソフトで利用するため動画の字幕情報をテキストデータで欲しいという人に、データを渡すといった対応だ。合理的配慮は行政機関にとっては義務、事業者にとっては努力義務だ。

図●アクセシビリティ向上のために求められる工夫の例

 この法律で真っ先に対応が求められるものの一つが、Webサイトだ。Webサイトはもはや、情報提供のインフラとして欠かせない存在。だが作り方に配慮が足りないと、必要な情報が得られないケースがある()。

 Webサイトが満たすべき要件は、日本工業規格の「JIS X 8341-3」にまとめられている。同規格は、2016年3月22日に改正されたばかり。「改正作業では障害者差別解消法を意識した。同法に基づいた対応をするうえで指針になる」(同規格を担当する経済産業省 産業技術環境局 国際電気標準課)。

一般利用者にも利点がある

 アクセスしやすいWebサイトを作ることは、障害者以外にも利点がある。「多様な端末、多様な環境で利用しやすくなる。マルチデバイス化が進む今、重要性が増している」(Webアクセシビリティに詳しい、インフォアクシアの植木真代表取締役)。こうした背景から、情報アクセシビリティ向上の機運が高まっている。

 例えば文字と背景のコントラスト比を高めれば、スマートフォンを屋外で使う際も読みやすい。音声読み上げソフトに対応させることで、音声で情報を入出力するようなウエアラブル端末でも利用できるようになる。

 いち早く取り組みを進める企業の一つがNTTドコモだ。アクセスの多いページを中心に対応するほか、「各コンテンツの責任者向けに勉強会を開いている」(同社 プロモーション部 WEB担当主査 寺脇正光氏)。

 ヤフー メディアカンパニー 生活メディア事業本部 デザイン開発部 中野信部長も、「アクセシビリティへの取り組みは当たり前。全社のユーザーインタフェース(UI)ガイドラインの中にアクセシビリティに関する要件を設けている」と話す。

2016/04/06日経コンピュータ 


障害者対策 新法施行を差別なくす契機に

2016年04月07日 03時46分32秒 | 障害者の自立

 障害の有無を問わず、誰もが個性を尊重し合う暮らしやすい社会を実現する。そうした意識と行動を国民全体に根付かせる契機としたい。

 

 障害者差別解消法が今月、施行された。行政機関や民間事業者に対し、不当な差別的扱いを禁じるとともに、障害者を手助けする「合理的配慮」を求めている。

 日本が2007年に署名し、14年に批准した国連の障害者権利条約に沿った内容だ。既に約160か国・地域が締結している。

 障害を理由にサービスの提供を拒否・制限したり、介助者同伴などの条件をつけたりする行為が、差別的扱いに該当する。

 「合理的配慮」とは、障害者が直面する様々な障壁を取り除くため、負担が過重にならない範囲で対応することを意味する。

 車いす利用者のためにスロープを設置するのが典型例だ。視覚・聴覚障害者のために点字資料や手話通訳を用意するなど、障害者の身になったきめ細かな取り組みを可能な限り広げたい。

 健常者と全く同様に対処するだけでは、平等にならない場合も多い。移動や意思疎通を支える手段がなければ、障害者の行動は制約される。「合理的配慮」をしないのも差別に当たると明確にしたのは、新法の大きな特徴だ。

 新法は、行政機関に「合理的配慮」を義務付けた一方、事業者については努力義務とした。

 ただ、交通機関や商業施設など、障害者が日常生活で接する事業者の対応が不十分では、新法の実効性は限られる。前向きな取り組みが望まれる。

 国内の障害者は788万人に上る。高齢化の進展で今後、さらに増えるのは確実だ。障害者に対応したサービスや製品を提供していくことは、企業のイメージアップにとどまらず、経営上の大きなメリットになるだろう。

 差別が絡むトラブルの解決には課題が残る。新法では、関係機関が連携してトラブル防止や解決の支援に当たる地域協議会の設置を自治体に促している。

 都道府県での設置は進むものの、市町村では遅れ気味なのが現状だ。差別解消には、身近な生活圏での対処が重要である。

 新法の成立から3年近くが経過したが、その趣旨が社会に浸透しているとは言い難い。

 障害者に配慮したバリアフリー化の推進は、高齢者や子供連れの人にも恩恵が及ぶ。20年には東京パラリンピックも控える。政府は新法の周知に努めるべきだ。

2016年04月06日 03時02分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

障害者と恋 女子会や合コン…まず知ることから始めよう

2016年04月07日 03時38分19秒 | 障害者の自立

 障害者に恋する。障害者に声をかける。きっかけをつくって、障害のある人とない人の間にある壁を壊そうと挑む人たちがいる。

 車いすの女性が恋愛経験のある女性に質問した。「エッチってどうやるの?」。囲む女性らが盛り上がる。障害がある人も、ない人もいる。20代の女性5人が東京都内のカフェで開いた女子会だ。

 きっかけは「ユニコン」。障害者と健常者が参加するユニバーサルな合コンだ。多様な社会のありようについて発信を続ける市民団体「i(アイ)―link(リンク)―u(ユー)」(神奈川県鎌倉市)が昨年から企画している。

 企画は、大学院を卒業後、認知症グループホームで働いた団体代表の高野朋也(29)が提案した。先天性の病気のため、車いすで生活する男友達から「恋がしたい。彼女がほしい」と聞いたからだ。

 人気のデートスポットを半日、参加者10人ほどで散策して相手に思いを伝える手紙を書く。車いすを押したり、目や耳が不自由な人と会話をしたり、初めて経験するコミュニケーションも自然に生まれるという。

 ただ、高野の理想からはほど遠い。これまで9回のユニコンに集まった健常者は参加者の3割にすぎない。多くが、高野の友人や友人の知人だった。

 「人として何ができるか勉強したいと思った。恋愛がしたかったわけじゃない」。健常者の男性(37)は今年2月のユニコンに参加した理由を語る。

 「自分たちの思いばかりが先行している」と高野も言う。ただ、参加者同士が友だちになり、車いすで入れる店を探すのが難しいこと、友人の手助けがあればもっと外出できることを知る機会になっているとも思う。

■差し出した手 今も片思い

 高野は昨年夏、一人の女性に出会った。脳性まひのため、車いすで生活する。お互いの仕事や趣味の話をしながら、彼女の笑顔や前向きさにひかれた。

 ログイン前の続き誘ってから半年かかって初デートにこぎ着けた。エスコートしたくて手を差し出したが、すぐに握ってもらえなかった。介助のつもりではなかったが、そう受け止められてしまったかもしれないと不安になった。

 思いを伝えた。「ゆっくりお互いのことを知っていきましょう」と言われた。「なぜなのか。自分がチャラいからか。もしくは障害のことがあるのか」。いまも片思いのままだ。

 彼女に好きになってもらうこと。ユニコンをめざす形に育てること。「まずは相手を知る。どちらも時間をかけて経験を分かち合っていけば道は開ける」

■助けたい チャームで伝える

 名刺大のアクリルカードにYES、NO、病院や電車、携帯電話のアイコン。「コミュニケーションチャーム」だ。NPO法人ピープルデザイン研究所(東京都渋谷区)がセレクトショップ「SHIPS(シップス)」など全国24カ所で販売し、これまでに約1万2千個が売れている。

 「困っていたら声をかけて。何でもお手伝いしますよ」というサインとして、かばんなどにつけてもらい、手助けが必要な人と利用者をつなぐ。

 同研究所の田中真宏(37)が10カ所以上の福祉作業所を訪ね、デザインの改良を重ねた。田中自身、それまで障害者と関わることがなかったが、話してみればみんな自分と一緒だった。「未知の裏側に無関心や恐怖心があっただけなんだ」と感じた。

 利用者からは「着けたら、電車で堂々と席を譲れた」「街で周りの人たちを意識するようになった」との感想が寄せられる。一方で「声をかけたのに『うるさい』と言われ、心が折れた」との声もある。

 「障害者も一人ひとり違う。それを知るだけでも意味はあると思う」。チャームによって、出会いが生まれ、意識が変わる。田中はその連鎖に期待している。=敬称略

2016年4月6日  朝日新聞


障害者の駐禁除外標章、相次ぐ不正 家族「あればタダ」

2016年04月07日 03時33分24秒 | 障害者の自立

 駐車禁止の場所にも車を止められるように障害者に交付される「駐車禁止除外標章」。大阪府警が大阪・梅田で取り締まったところ、4割近くが不正に使われている実態が浮かび上がった。多くは障害者の家族によるもので、府警は対策を強化している。

 大阪・梅田の新御堂筋。2月下旬、チケット制のパーキングに止めた車を府警の警察官が1台1台チェックしていた。ダッシュボード上に「歩行困難者使用中」と書いた標章があると連絡先を調べて電話をかけたり、戻ってきた運転手に話を聴いたりする。一帯のパーキング・チケットで実施した集中取り締まりだ。

 標章があれば60分300円のチケットを買わずに時間制限なく止められる。この日、標章を置いていた26台のうち14台(54%)は交付された本人が自宅にいるなどし、不正使用だと確認された。

 ワゴン車に戻ってきた男性を警察官3人が囲んだ。男性に障害はない。「標章は弟のもの。弟を送った後、自分の用事で使ってしまった」と言い、駐車違反の青切符(交通反則切符)を交付された。

 府警は昨年11月以降に集中取り締まりを5回実施。標章を置いていた計126台のうち47台(37%)に青切符を交付した。多くが家族による不正使用だった。

 別の日、記者が同じ場所で取材していると、男性(44)が標章を置いてワゴン車から降りてきた。標章は寝たきりの60代の父親のもの。「父を病院に送り迎えするため」などとして交付を受けたが、この日は1人で買い物に来たという。「梅田は駐車料金が高い。標章があればタダ。みんなやってるんじゃないですか」と言って立ち去った。

 ログイン前の続き不正使用はパーキング・チケットで目立つという。府警幹部は「パーキング・チケットは短時間に限り、多くの人が譲り合って使うのが本来のルール。不正に占拠すれば正当に止めようとしている人が困る」。

 府警は大阪市中心部の複数のエリアで今後も取り締まりを続ける方針だ。ある幹部は「不正使用が蔓延(まんえん)すれば、制度を見直そうという声が上がり、本当に必要な人が困ることになりかねない」と懸念する。

 大阪府の場合、標章は府道路交通規則にもとづき交付される。障害者本人が乗っていなければ駐車違反で取り締まりを受けるが、不正使用自体に罰則はない。だが、常習の場合は逮捕したケースもある。

 府警は昨年6月、大阪市中央区の勤務先近くの路上を駐車場代わりにしたとして会社役員の男性(66)を自動車保管場所法違反容疑で逮捕。男性は罰金20万円の略式命令を受けた。車を通勤で使っていたという。

 府警によると一昨年10月ごろ、「路上にいつも止まっている車がある」という手紙が南署に届いた。捜査員が確認すると、車内に男性の母親(当時88)の標章があった。母親は昨年4月に死亡したが、男性はその後も標章を置いて路上駐車を続けていた。

 府の規則では、本人が死亡するなどして標章が不要になった場合は「速やかに返納しなければならない」とされている。男性は取材に対し、「車高が高くて契約している立体駐車場に入らず、標章が便利だと思ってしまった。逮捕されると思わなかった」と話した。

 大阪市身体障害者団体協議会の手嶋勇一会長(74)は取り締まり強化を歓迎する。自身も病気で左腕を失って標章を持っているが、「もっと必要な人がいる」と使用を控えている。「標章に対して世間の目が過度に厳しくなれば、一番困るのは障害者。不正に使っている人はそのことに思いをはせてほしい」と話す。(荻原千明、中島嘉克)

     ◇

 〈駐車禁止除外標章〉 大阪府の場合、下肢不自由(1~4級)や聴覚障害(2、3級)、重度の知的障害などがある人が運転したり同乗したりしている車に掲げれば、標識などで駐車が禁止されている場所で規制対象から除外される。府警によると、本人や家族が警察署に身体障害者手帳などを持参して申請する。有効期限は3年間。警察庁によると全都道府県に同様の制度があり、2014年末で55万5046枚が交付されている。

2016年4月5日  朝日新聞デジタル